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第45話 きっと想いは同じです

とても美味しい夕ご飯をご馳走になり、ほくほくしている。ご馳走になったお礼に洗い物は私がさせてもらう。

雅さんはコーヒーを淹れながら私の作業を見ている。


「やっぱり母さんのやり方と奈央の仕方って似てるよね」


しみじみ言っている。何が?と思って聞いてみる。


「いや、オレさぁ、その残ったビーフシチューのついた皿、拭いてから洗うっていう発想なくてさ、スポンジ大変なことになったんだよね。しかも、母さんにも味見してもらったんだけど、二人分の皿重ねて置いたのに皿の裏洗わなくてさ。一人の時は水圧上げて流してから洗うんだけど、それ母さんに見られると注意されるから、その時はそうできなかったんだよね」


うん、それ全部私も小学生の時やりました。


「豚の脂は冷めたらシンクにベットリ付いてるし。そんなだからオレが洗い終わった後、洗剤が超減っていて、母さんが呆れていたよ」


思わず笑ってしまう。

洗い物が終わり、ケーキを切る。イチゴのロールケーキにしてみました。

皿に盛るとコーヒーと共にお盆のせられ雅さんが運んでくれた。




「改めて、メリークリスマス」

「メリークリスマス」


声を掛け合いケーキを食べる。


「うん、ケーキ美味しい。クリスマスっていったら、オレはやっぱり生クリームとイチゴなんだよね。うん、美味い」

「ふふ、喜んでもらえて良かったです。明日、家族で食べるケーキは?」

「うん?ウチは今年はチョコケーキみたいだよ。奈央は?」

「ウチはレアチーズケーキです。明日お母さんと作ります」


そんな事を話しながら食べているとあっという間に食べ終わってしまった。コーヒーを飲んで一息つく。

そろそろプレゼントを渡そう。そう決めると心臓がバクバクとし始めた。胸に手を当て深呼吸をする。そうやって一人高鳴る鼓動を鎮めていると、


「奈央、テーブルの上に掌を上に向けて置いて」


言われるままに置く。水の入ったコップ置くなら両手で手の甲だよね。何だろう?


「はい。これはオレからの気持ち。メリークリスマス」


ポンと小さな箱が置かれた。リボンと箱には見覚えがあるロゴマークがある。見開いた目を箱から雅さんへ移す。


「開けてみて?」


ラッピングをほどいていく。驚きと緊張で手が震える。そんな私を何も言わずに静かに見守っている。やっと包装を外し蓋を開けるとピンクゴールドの指輪が入っていた。細身のフォルムに赤い石はルビー?が付いている。すっごい私の好みだ。


「左手出して」


ケースから指輪を取り出し小指にはめてくれた。


「!」


ピッタリだ。まばたきをすると涙が流れた。


「あれ?泣いちゃった。泣くより笑って欲しいな」


私を抱き寄せて頭を撫でてくれる。


「ありがとう、雅さん。嬉しい」


見上げると笑ってくれた。私もちゃんと笑えてるみたいだ。


「店員さんに聞いたら、やっぱり炊事の時は外すか手袋してほしいって。お風呂の時も外す方がオススメって言われちゃったよ」

「大事にしたいからその時は外しますね」


そう返した。雅さんの気持ちに十分応えられているか分からないけど、私も渡すことにする。


「雅さん、私からも。もらってくれますか?」


少し緩めてもらって…何故放さない――贈り物用にリボンをつけた小さな袋にカードを表向きに添えて手渡した。やっと私から手を放し、両手で受け取ってくれた。


「奈央、ありがとう」


視線を手元に向けた雅さんの顔がカードに釘付けになっている。

美形はどんな表情でも美形のままです。口がパクパクしてるけど金魚みたいにならないのは美形ならではですね。

私はわざとらしく首を傾けてみる。


「喜んでもらえませんでしたか?」


その言葉で我に返ったようだ。


「本当に?」


--*--*--*--*--*--

Merry Christmas 雅さん


私の携帯電話の番号とメールアドレスです。

登録お願いします。


不束者ですが、これからもずっと一緒にいて下さい。


--*--*--*--*--*--


そんなメッセージと共に電話番号とメールアドレスを記載してある。


「見せて?」


私の白色の携帯を渡す。


「あれ?これって」


自分の紫色の携帯と見比べている。「お揃いですよ」と教えてあげる。

携帯を返してもらい、メール画面をたちあげる。下書き保存済みだ。

この携帯から初めてのメールを送信する。

雅さんの携帯が光った。


『件名//井上奈央です。

本文//雅さんの深い愛情に包まれて私は幸せです。』


短い文章だけど、すごく恥ずかしいけど、心を込めた文章のつもりだ。カードと合わせれば、私の想いが雅さんに負けない位大きくなっているって知ってもらえるかな。


「ありがとう。…奈央ってば、サプライズ嫌いだって言っていたのに自分はサプライズするんだもんな」

「ふふっ。サプライズはするのもされるのも嫌ですよ。驚かそうという気持ちがゼロだったとは言いませんが、予想よりもずっと驚いているので、それにビックリしています」


まな尻に涙を滲ませて喜んでいる雅さんを見ていると胸が熱くなる。


「あと、その袋の方も開けてみて下さい」


実は私はこれを見つけた時にすごく驚いた。これは運命としか思えなかった。中に入っていた物を掌にのせた雅さんがピクリとも動かない。


「私のもあるんです。見て下さい」


もう1つとりだして、それも掌に乗せる。


「すごい。よく見つけたね」


これに驚くのは私達二人だけだろう。

渡したのは猫のストラップだ。私に見つけて欲しくてあの売り場にあったのかと思った。即決で買った。購入した2つのうち、どちらを贈るかも直ぐに決まった。


雅さんには『銀色の体毛に右目が赤、左目が紫のネコ』

私には『金色の体毛に右目が青、左目が緑のネコ』


気のせいでなければ、惹かれて手にとった途端色が変わった気がしたんだけど、さすがにそれは気のせいだろう。

誰にも話す事はなかった、あの出来事。1度見たら忘れない特徴。私達をイチョウの中へ連れて行ったネコ。あれっきり1度も見る事がなくて残念に思っていたので、そういった意味でも見つけた時すごく嬉しかったのだ。


お互い自分の携帯につける。それをテーブルに置いた。


……そういう雰囲気になったのがわかる。

どちらからともなく唇を寄せる。軽く食まれるとそれだけで甘い吐息が出てくる。いつの間にかシャツのボタンが外され、背中のホックも外されている。

形を変えたり舌で転がしながら背中をつつーっと撫でてくる。左手の小指にも吸付かれる。

またもやすっかり腰砕けにされた私に、


「この間と同じでいい?それとも…」


なんていう悪魔の囁きをしながら私の太ももを撫でてくる。指先が足の付け根までのびる。


その後どうなったか…。

される方もする方も第2段階に入り酔いしれたと言っておきましょう。

結婚するまで…なんて無理かもしれません。



いつ送ってくれたのでしょうか。雅さんから鼻血が出そうなほど甘いメールが来ていた。

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