閑話 理由 / 香織対恭子
―理由―
「みんな何でスマートフォンじゃなくてガラケー使っているの?」
クラスでは携帯電話を持っている人の半分以上がスマートフォンにみえる。まず玲奈が教えてくれた。
「あたしは電話とメールさえできればいいから。テレビをみての勝手なイメージだけど、スマートフォンだと使われてる感じがするのよね」
健人くんをみる。
「俺は、最初スマートフォン買ってもらったんだよ。
胸のポケットに入れてたら、落として画面にヒビは入れちゃうし…尻のポケットに入れて曲げちゃうしさ…。
親に叱られるの無視して、ゲームしながら飯食ってたら、テーブルに置いた時にコップ倒して水浸し。
頭下げて買ってもらえたのが今使っているやつ」
和維くんをみる。
「俺はミヤ兄も翔兄もガラケーだから真似した」
――別の時間
「オレは基本、携帯は連絡用だからね。ゲームや調べものはパソコンでするし。
あ、目覚まし時計としては大活躍だよ」
雅さんの答えになるほどと思う。
そしてやっぱりこう思う。
「うん、私まだ、携帯電話は要りませんね」
雅さんが「しまった」と天を仰いだ。
雅さんの話によると、健人くんと同じ様な理由で、すぐにヒビを入れちゃう翔惟先輩はガラケーだそうだ。
お父さんと藤沢夫妻はスマートフォンで、海斗お兄ちゃんはガラケー。雅さんと同じ様なことを言っていた。
春休みに引っ越しする時、
「奈央、携帯あれば、俺とテレビ電話できるぞ~。お兄ちゃんと離れていても淋しくないぞぉ~」
と、しきりに私に携帯電話を持たせようとしていたことを思い出した。勧誘の文句としては失敗だろうと思う。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
―香織 対 恭子―
「きょ・う・こ・さ・ん!!奈央と雅くんをくっつけようと、焚き付けたりお膳立てするのやめてくれません?」
「何のことかしらぁ?」
「奈央はまだ高校生なんです。雅くんに簡単に手籠めにされてしまうわっ!」
「まぁ!手籠めだなんてヒドイですね。雅が犯罪者だとでも言いたいのかしら?」
「あの年頃の男の子のことわかるでしょ?私達にだってあの時代があったんですから」
「…そうね。そうよねぇ」
「20才と16才って、4つ違いでしかないですけど、学生のうちは大きいですよ」
「そうね、反省するわ。でも、雅も本気だし、私だって奈央ちゃんがお嫁に来てくれたらいいなって思うの。雅には間違いがないように、よく言い聞かせるわ」
「よろしくお願いします」
「間違って赤ちゃんできたら、嬉しいけどちょっと困りますものね」
「違うわーーーっ!!」
隠れて聞いていた雅は長期戦と忍耐を覚悟したのであった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
土曜日の活動報告にもあげましたが、明日からは一話ずつの更新にする予定です。携帯電話で読むときに一話1ページ分の時はニ話投稿の予定で考えています。
今後もよろしくお願いします。
※なお、今回の話は、スマートフォンやガラケーなとの携帯通信器機を否定するものではありませんので、誤解無きようお願いもうしあげます。




