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第23話 私、ショックを受けてます

夕飯を始める準備が整った。

私は自らの定位置である(と思っている)玲奈の隣りの席に着いた。皆、当然のように私の反対側の隣りを空けて着いていく。


「翔惟、オレここがいいから、お前あっちに行けよ」

「えーっ、動くの面倒臭い。兄貴が後から来たんだから、兄貴が行けばいいだろ」

「ミヤ兄、俺が行くから。はい、どうぞ」


和維くんが私の隣りに来た。健人くんと翔惟先輩が争うようにお好み焼きを焼いていく。

雅さんを見ると、フライドポテトとキムチをつまみながら、手酌でビールを呑んでいる。こちらをチラリとも見ようとしない。

つい、溜息がでてしまう。

玲奈がデジカメを出して、浜辺で遊ぶ皆の様子を見せてくれた。


「ほらほら、ここからがすっごく面白いのよ!」

「ああ~…俺の黒歴史…」


砂浜で砂山を黙々と削っていく健人くんと和維くん。笑いたいのをこらえながら、


「和維くん、玲奈。デジカメって音入らないんだっけ?」


って聞くと、ちょうど同じタイミングで、デジカメと隣りの玲奈から笑う声が聞こえてきた。私も耐え切れずに吹き出した。腹筋がぷるぷるする。


「笑うなー!!」

「だってさー、はははははは、ひひひひひ…」

「ねぇ、おかしすぎなんだもんっ、ふふふふふふ」


涙を浮かべながら笑っている。私も笑い過ぎて苦しくなった。夕菜ちゃんと千里が焼きあがったお好み焼きを私達に取り分けてくれた。千里達にも見せてあげる。可哀想なモノを見る目でみていた。


「健人くん、こっちのプレートで餃子焼くから、そっちでお好み焼き焼いてね」

「はい、了解です。香織さん!」


健人くんがヘラを持ったまま敬礼した。その様子を見て笑う。雅さんをみる。目が合うとプイッと逸らされてしまった。やっぱり溜息がでてしまう。

和維くんに話しかけようとみると、誰かからメールが届いたようで読んでいる。ちゃっちゃと返信してこっちを見た。


「何?」

「食事中にメールって、お行儀悪いよ」

「ああ、そうだね。ごめんごめん」


しばらくして餃子も焼けて、手をのばして食べていく。


「お好み焼き、これで終わりだよ」


翔惟先輩は四角く切ったお好み焼きをのせた皿を持って立つと、「はいっ、はいっ、はいっ、はいっ…」と次々に一口ずつ皆の口に入れていった。口が開くタイミングで素早く突っ込んでいく器用さに皆が拍手を贈った。


「次は焼きそばいくぜ、先輩!」

「おうよッ、いくぜ健人!」


健人くんと翔惟先輩がノリノリで焼きそばを焼き始めると雅さんが席をたち居なくなった。

御手洗いかと思ったけど、5分程しても戻ってこないので、


「雅さん遅いね。私ちょっと見てこようかな」


と席をたとうとした。すると和維くんが私の肩を押さえて


「俺が行くよ」


とスッと居なくなった。また、溜息がでる。


「奈央、お兄さんと何かあったの?」

「わかんない。あったのかもしれないけど、私は気付かなかった。

気付かないうちに気に障ることしたのかな。無神経なこと言ってたのかな」


気分が沈んでいく。なんかもう泣きそうだ。


「ねぇ奈央。奈央がそうやって考えても思い当たらないなら、奈央のせいじゃないかもしれないよ。

さっき、和維が奈央を止めて自分で行ったでしょ?奈央のせいだっていうなら、和維なら奈央を行かせたと思うんだ。

和維に任せておけば大丈夫だよ」

「そうかな…」

「この件に関しては大丈夫!あたしが太鼓判をおす!!」


その言葉に励まされ、私は気持ちを立て直そうと笑って応えた。

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