Gate of discussion
「では始めようか」
今回の議題は”超能力者が本当にいるのか”
「やぁ久しぶり。前回はなんだっけ、パンダは動物園で幸せなのか、だっけ?」
「いやいやいや、宇宙人がいるかどうかでしょ」
「あー………そうだったね。今回の判定はみなさんに任せようか」
「そうだな。じゃあ俺は肯定で」
「お、珍しいね。いつも反対なのに……そういえば知ってるかい? 人は許容量の情報が頭に入ると脳が破裂しちゃうんだって」
「破裂はないだろう、どんな原理だよ。それに許容量の超える情報ってお前わかんのかよ」
「わからん」
「おい」
「まぁともかく。僕からいくよ、まず君はテレビでよくある超能力番組で宙に浮いたり水の上に立ったりが本当に成立していると思っているのか?」
「もちろん思ってないさ」
「え」
「あんなのはタネがあるに決まっているだろう。水に立っているように見えるのは薄い透明なガラスが張られているからだ。だから慎重に乗ったりするのさ」
「じゃあ僕の勝ちだね」
「いやいやいや早すぎるだろ。まず、テレビがインチキだからってないとは限らないだろう」
「それもそうだね」
「では、俺から。超能力が存在しないとどう証明できるのか」
「ほーほーそう来るか……いやいやいや、搦め手だね」
「で、どうするんだ?」
「…………まぁ存在するということも証明できてないんだけどね……じゃあ超能力の定義をしようか」
「人の理解を超える現象をおこすとそれは超能力になるんじゃないか?」
「ノンノン、それはちょっと無理があるぞ。例えばだ、このコインを見てみようか」
「100円玉か。くれよ」
「いいから見ろよ」
「……………ほう。消えたか」
「これが超能力と思うか?」
「思わない」
「では、どうしてコインが消えたと思う?」
「わからん上に100円だ」
「そんなことはどうでもいい。しかし、君は理解できていない。でも、超能力とは思えない。つまりだ」
「どうやって消えたんだ?」
「簡単なことさ。瞬きをする瞬間に目の追いきれない速さで膝に落としたのさ」
「なるほど………つまり君は説明できないことが超能力と言いたいんだね」
「まぁ概ねそうだだろう」
「や、待て待て待て。そうなると説明できないこと全てが超能力になるぞ」
「そうだね。イマイチ解明できてない航空力学までそうなっちゃうしね。知ってた? 飛行機が飛ぶ原理はまだはっきりしてないんだよ」
「そんなことはどうでもいいんだよ。一個題材を挙げるぞ。未来予知だ」
「あれだね。マヤ文明がどうとかっていう………」
「あれは外れ気味だろう……でもな、当たっているやつもあるんだ。たと」
「ノストラダムスの大予言とか」
「や、だから外れてるし。例えば、比嘉っていう人がね、東日本大震災を予言したっていうのさ。他にもケトラ」
「予言なら僕もできるよ」
「ねぇ、話聞いてた?」
「そうだね。君はあと30分もすればトイレにいくね」
「おーそうか、なら尿意の30分くらい耐えてみせよう」
「ところがね、君、昼に机にあったプリン食べたでしょ」
「それがどうした?」
「あれね。消費期限が3日前に切れていたんだよ?」
「マジか」
「あれから1時間は立ってるし、さすがにそろそろ来るだろう」
「そういえばお腹の調子が……」
「ふっふっふ。僕の未来予知はどうだい?」
「これが予知ね………どちらかっていうと予想だろう。常識的に」
「常識ね。僕らは常識を逸脱していることを話しているのではないのか?」
「まぁそれもそうだけど………つまり何が言いたい?」
「未来予知なんてない。すべては予想がたまたま当たっただけさ」
「極論だな」
「でも、論さ」
「では俺も極論を言おう。こんな真似、お前にはできるか?」
「………僕は大道芸人ではない。お手玉4つを操るなんてできないよ。これが超能力だとでも言うのかい?」
「そうさ、他人のできないことができる予知だってそうさ。他人のできないことをしているんだよ」
「でもそれくらい僕だって練習すればきっとできるけど」
「でも、今はできない。だろう? それに特一の超能力が一人しかできないというのはただの先入観さ。予知ができるなんて数人単位できっといるだろうよ」
「くくく……おもろしろいね。まさか芸が超能力と言い張るとは。これじゃあ二進も三進もいかない」
「別の話もしたいがそろそろトイレにいきたい。これがお前の予言だったなら超能力があるということだな」
「言うがいいさ」
君は超能力があると思うかい?




