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キスしたら巫女さんと結婚  作者: パセリ
2.許嫁は何かの間違いではないようです
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ヒットアンドアウェイ

「アクアアランス!」

「アクアアランス!」

「アクアアランス!」


 もう何回この魔法を使ったのだろうか。

 水の精霊ウンディーネの力を使い、強力な水の槍を飛ばす精霊魔法。


 西大陸の精霊の力が干渉しにくい東大陸。氷系の魔法よりも、水系の魔法の方がまだ東大陸でも有効のような気がして、ゴブリン――小鬼に連打している。

 最初はただの放水だったが、何度か使ううちに魔法の熟練度が上がったのか、威力が向上。

「ぐぎゃあぁぁ」


 逃げる、魔法、逃げるの繰り返しで、ようやく小鬼を1体倒せた。先ほどと違い、一撃で倒せないと認識できていれば、戦い方はそれなりにある。

 まぁ、俺が1体倒す間に、真が残り3体を瞬殺していたが。


「おめでとう! ゴブリン1体倒せたじゃないか」

「清継様、おめでとうございます」


 これは喜ばれているのか、それともバカにされているんだろうか。

「なんだろう。完全に修行し始めた頃の気分だ」

「途中から、清継様の魔法が安定しておりました。早くも東大陸に順応し始めているんではないでしょうか」

「そうか?」


 本当にそうだろうか? そもそも、俺の魔法は精霊の力を行使しているわけだから、東大陸に順応ってのは違う気がする。

「まぁ、とにかくよかったじゃない。結構魔法連打してたし、暫く馬車で休んでおきなよ」


 確かに真の言う通り、魔力も集中力もかなり消費してしまった。このままだと次の戦闘は小鬼1体倒せるかどうか。

「そうだな。悪いが少し休ませてもらうよ」


 言って馬車に入り、荷物から薄い毛布を取り出す。

 やっぱり疲れていたのか、すぐに夢の世界に落ちていった。



 馬車に乗っていたはずなのに、何故か船の上に居る。

「清継様ー! どこを触っても良いんですよ。ほら、もっともっと」

「ちょ、ちょっと優衣さん! 俺の手を持って、何を触らせてるんですか!」


 そして、新手の少女がやって来る。

「きよちゃーん! 玲奈ちゃんだよー!」

「いきなり抱きつくなー!」

「はーい、玲奈ちゃん脱いじゃいまーす! ピッチピチでスッベスベのお肌だよー!」

「何でだよ!」


 今度はちっちゃい女児が来た。

「ウチもおるよー!」

「ダイブするなー!」

「ちゃんとウチのコト受け止めてねー! 将来のお嫁さんなんだからねー!」



「うどわぁぁぁぁぁ!」


 思いっきり叫んで、身体を起こす。どうやら夢だったようだ。

 最近、いろいろと刺激が強いことがありすぎたからだろうか。ありえない夢だった。

「清継様、どうされました?」


 ふと横を見ると、同じ毛布に優衣さんが包まっていた。

「えっと……何してるんですか?」

「えっ? もちろん添い寝です」


 あの夢は、この優衣さんのせいだった。

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