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キスしたら巫女さんと結婚  作者: パセリ
1.知らぬ間に許婚とやらが居ました
4/76

リセット

 眩しい……。


 目が覚めると、ベッドの上だった。いつの間にか、眠っていたようだ。

 でも、今は東大陸へ渡る船に乗っていたはず。船代をけちって、安い大部屋にしたのに、何故俺はベッドで目覚めたんだろう。

「清継ー! よかったー、ちゃんと目覚めたんだね」


 ずっと介抱してくれていたんだろうか? 体を起こしたと同時に、真が抱きついてきた。

「おー、真おはよー。何で俺はベッドで寝てるんだっけ?」

「覚えてない?」

「何を?」


 昨日、何してたっけ? 星空に感動したのは覚えてるけど……。

「んー……忘れてるなら、その方がいいかもね」


 真がそう言うのであれば、思い出さない方が良いこともあるんだろう。

「あー、腹減ったー! 飯行こうぜ」

「うん。食堂に行こう」



 ベッドから降りても、どこか体が痛いとか、動かないってことはなかった。

 個室を出た時に、部屋のプレートを見ると『医務室』と書かれていた。

 昨日、何かあったんだっけ?



「お兄ちゃん達、何にするんだい。Aコースはパンとスープ。Bコースはサンドイッチだよ」


 食堂のおばちゃんが声をかけてくる。

 どうやら俺はかなり寝ていたらしく、時計は9時を過ぎていて、食堂にほとんど人は残っていなかった。

「僕はAコースにするけど、清継は?」

「じゃあ、俺はBのサンドイッチで」


 おばちゃんからサンドイッチと水を受け取り、テーブルへ。

 一口食べると、海の香りが口いっぱいに広がった。


 サーモンだろうか? 流石、海の上。魚の鮮度が良い。


 ……魚。そう、魚。

「うぉぉぉぉぉー!」

「何? 清継どうしたの? うおと魚をかけたギャグなの?」


 相変わらず寒い真は無視。とにかく叫ばずにはいられない。

「思い出したー!」

「げっ」

「真! 今のリアクションは何だ? てか、昨日の2人はどーなった?!」


 俺の思い出した宣言で、真があからさまに困った顔をしている。何か言えないことがあるんだろうか。

「あー、思い出しちゃったか」

「思い出したさ! 思い出したくなかったけどな!」


 2人の少女、玲奈と茜ちゃん。2人も俺の許婚だとか言っていた。

「で、どーなったんだよ」

「……清継が急に倒れちゃって、その様子を見た2人とも動揺しちゃって」

「それで?」

「今日のことは無かったことにして欲しいから、僕に上手く誤魔化して欲しいって言って、帰って行ったよ」


 いや、無かったことにって。許嫁のことも無かったことにしてくれるなら、俺は大賛成なんだが。

「それで、初対面ということにして、また改めて会いに来るって」

「いや、もう勘弁してくれー」


 初対面からやり直しって、こっちはどうすりゃいいんだよ……。

 また目まいがしてきた。

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