エピソード07 片付け
俺は、皆口良太。
最近、結婚したんだ。
嫁の名前は吉乃。
そんな俺の可愛い嫁なんだが、ちょっと天然入ってるんだ。
聞いてくれ。
吉乃は片付けができない。
正確には同じものを同じところに戻せないんだ。
ちなみに、吉乃が無意識に片付けると、調味料がタンスの中から出てきたり、冷蔵庫から下着が出てきたりする。
え?じゃぁ、どうしてるかって?
それは、吉乃のお母さんが解決してくれたんだ。
はじめて吉乃の家に行ったときに気づいたんだけど、
4ー1:砂糖
4ー2:塩
みたいな感じで色んなものにシールが貼ってあったんだ。
大番号4は調味料、小番号1は砂糖で、4ー1:砂糖と言う感じになるらしい。
どうやら、これを見て番号のところに片付けるようにとしつけられたらしい。
我が家でも、もちろんそのまま採用させてもらった。
ついでに、冷蔵庫の横にホワイトボードをおいて牛乳や卵なんかの生鮮食品の賞味期限も書かせるようにしてる。
んで、今日は楽しい買い出しの日。
買い出しが終わったらもちろんシール作りが始まるんだ。
吉乃はあんまり乗り気じゃないんだけどね。
あ、そうそう、今日はついでにクリアファイルも買った来たんだ。
これに、他の食品の賞味期限を書いてもらおうと思ってるんだ。
まぁ、最初は俺が書くんだけどね。
今、吉乃はお昼作ってるしね。
「あ、良ちゃん。もうすぐできるから、それ済ませちゃって」
「もう済んでるよ」
「え?じゃぁ、なんでずっとそこにいるの?」
「ああ。今、吉乃の後ろ姿を見て幸せだなぁ。って思ってたところだよ」
「もう」
あれ?俺変なの事言った?なんか顔真っ赤にしてるんだけど?
そうそう、吉乃は料理は得意なんだ。俺の好みの味とおんなじ味を何度でも再現できるんだ。
「こ、こんどはなぁに?そんなに不思議そうにして」
「吉乃は料理は失敗しないんだなぁ。と、思って」
「なによそれ。他は失敗ばっかりみたいじゃない」
大皿に盛った料理をテーブルに並べながら吉乃は呟く。
「大丈夫ですよー。もう、いーーーーっぱい。失敗してきましたからね」
「えーーーー」
「なによ。えーって。いいじゃない、失敗しないんだから」
「いいなー」
「なによ?突然」
「吉乃の失敗した料理食べられた男はいいなぁ。って焼きもち焼いてみただけだよ」
「もう。大丈夫よ。パパだから」
「いいなぁ、お義父さん。いいなぁ」
あれ?また、吉乃の顔が真っ赤だけど・・・・なんか、変なこと言ったっけ?
「心配いりません。この先ずーーーーーーーっと、私の料理をたべてもらうんだからね!」