エピソード04 ジェラシーカウンター
俺は、皆口良太。
最近、結婚したんだ。
嫁の名前は吉乃。
そんな俺の可愛い嫁なんだが、ちょっと天然入ってるんだ。
聞いてくれ。
吉乃には、ジェラシーカウンターがあるらしい。
ジェラシーカウンター、命名、俺。
蓄積型のカウンターで100ポイント(推定)たまると爆発する。
ちなみに、事前に減らすことはできないらしい。
買い物から帰る間、どうも吉乃の様子がおかしい。
いつもは、車のなかではうるさいくらいにマシンガントークが繰り返されるのに妙に静かなんだ。
その時俺は、さっきの瞳さんとのおしゃべりで満足したんだろう。って軽く考えてたんだ。
*詳しくは、エピソード03参照
家に帰っても、吉乃は静かだった。
まぁ、食料品や日用品といった、いつも買ってきているものばかりだったから、片付けは楽だったんだけど。
この時、すでに手を打っておかなければいけなかったんだ。
片付けが済んだ俺は、冷蔵庫から麦茶を取り出して2人分注いで、その2つをもってTVの前のソファーへ移動した。
ソファーの前には食事をとったりするためのテーブルがある。
テーブルの左右には、食事をするときのためのクッション。
テーブルの前後には、ソファーとTVがおいてある。
クッションとソファー2種類おいてあるのは、吉乃が食事は顔を見ながら食べるって言い張ったからだ。
ちなみに、ソファーとTVは結婚前に俺が買っていたものをそのまま使ってる。
今日も一日平和だったなぁ~と、TVをつけてまったりしてると台所の方から不穏な気配がする。
え?
台所を見ると不機嫌な吉乃がたってる。
俺、なんかしたっけ?
俺の視線に気づいた吉乃はずかずかと歩いてきて、ソファーじゃなく俺の膝の上に座ってくる。
「どうしたんだ?」
「浮気者」
は?吉乃が小声でつぶやく。
「いって~」
「この、浮気者~」
今、思いっきり脇腹をつねられた。
「い、いつ浮気したんだよ」
「これ」
そこには、さっきスマホで見てたアイドルのPVが。
「そ、それOKだしたやつじゃん」
「さっき、瞳ちゃんの名前を呼んだ」
「それは、いつも呼んでるじゃん」
吉乃が膝の上でグリグリしてくる。痛いって。
「昨日、おっぱい大きい子の名前呼んでた」
「は?名前?」
もう手遅れか・・・・
どうも、昼間の『瞳さん』の発言でジェラシーカウンターが100ポイント貯まったんだろう。
んで、このパターンは『名前』がキーらしい。
「吉乃」
「な、何よ。急に」
ちょっと、ほほを赤くする吉乃。
どうやら正解らしい。
「吉乃」
「うん」
ちょうど膝の上にいるから、ぎゅっとしてあげよう。
「吉乃」
「うん」
お?顔が真っ赤になったぞ?
「吉乃」
「うん」
あ、顔を見なられたくなくて俺の肩に顔を動かしちゃった。
「吉乃。こっち向いて?」
「え?なぁ・・・」
チュッ
ボンって、音がなりそうなくらい真っ赤になった吉乃は俺の胸に顔を埋めて
「急に、それは、反則。でも、許してあげる」
「ありがとう」
どうやら、膝の上から動く気はないらしい。
そのまま、ギュッと抱き締めてあげよう。
吉乃、君の気がすむまでね。
あ、そうそう、九重瞳さんは、お隣さんなんだ。