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悪魔と天使の言う通りに…ね?〜天使ト悪魔ノ囁キニ傾聴セヨ〜  作者: お汁粉パンチ
カラゴ市編

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第8話 異世界での買い食い

 ポケットを叩いたら金貨が5つ…そんな感じで、異世界での決済能力を得た俺達3人。

 

「いやあ…良い店だったけど、買いたい物は無かったかな。 

店主さんには申し訳ないけどさ」


「まあ、大体道具は出せますしね。

インテリアに気になるものが幾つかありましたが、置く場所も無いですし」


 天使と悪魔はそんな愚痴を喋っている。

 確かに良い店だったけど、残念ながらおしゃれな雑貨を買っても使う場所が無いのだ。

 この世界で住むところが無いからね。

 

 とはいえお金を崩す方が優先、なので俺だけは買っていた。

 それは、今後ろに背負っているリュックだ。

 何かの革で出来ているこれは、どうやら耐水性が抜群らしい。

 旅をするなら耐久性が高いカバンが良いし、食料や着替えも持ち歩くからいずれ買う事になる。

 ということでの選択…お値段20銀貨。

 相場的に高いのかも分からないけど、背負った感じもデザインも悪くない。

 でも、


「そういえばセフィ、あの金貨売っても良かったの?」


 ふと聞きたくなった。

 さっきまではこういうのを聞くタイミングも無かったし。

 分からないけど、純金のコインなんてこんなポンポン渡して良いはずもない。

 彼女の資産からしたら、微々たるものかもしれないけどさ。


「別に良いですよ、同じものがあと10万枚ぐらいありますし」


「…え?」


 とんでもないことを言っている。

 じゃあ彼女は…とんでもない大金持ち? 


「はるか昔に滅びた異世界の帝国、その宝物庫から回収させていただいたものですので。

とはいえこれ以上渡すとは天界スコアに影響しますので、行いませんが。

なので…大事に使ってくださいね」


「それは…もちろん」


 めちゃくちゃざっくりとした日本円換算だったら…1000億?

 …最早多すぎて実感も湧かない、多分他の武器とかも資産に数えたらもっといくはず。

 もちろんそんな多くても大事に使わせてもらうけどさ。

 だって貴重な、彼女らに許可を貰わなくても良い道具だし。

 力も特殊能力もない俺に残されたのは、お金とそれで買った道具だけなのだから。


「まあセフィもこんな見た目だけどババアだからね。

そりゃあ長く生きてれば、これぐらい持ってたりもするさ」


「……どうやら死にたい様ですね、ルシフェル。

貴方も大して変わらない年齢でしょうに」


「ちょっとちょっと、ゴメンってば!謝るから許してよぉ〜。

流石に熾天使の一撃喰らったら、私消し飛んじゃうから!」


 喧嘩するほど仲が良い、その理論でいくなら2人は仲が良い…はず。

 今のルシェは、俺の頭を盾にする様にして拳を握ったセフィと対峙していた。

 ……天使が悪魔と喧嘩したら、天界スコアが下がるなんて掟ありませんか?

 

 …多分無いんだろうなあ。

 俺はセフィ、それにルシェの年齢も触れないことを心に固く誓うのだった。




「毎度あり!またウチで買ってってくれよ〜」


「…結構、美味いな」


「じゃあアタシも貰っちゃお!」


 そうして俺達は今、最初に入った時に見た大通りを歩いていた。

 それも屋台で買った焼き鳥を手に。

 こういう屋台からの匂いが客を食い物の屋台へと引き寄せているんだろうか、すれ違うお客さんは全員何かを片手に持って歩いていた。

 俺もそれに抗えずに買ってしまった一人なんだけどね。

 

「もう…2人とも?お行儀が悪いですよ。

喉に串が刺さったらどうするんですか」


「流石に大丈夫だから…セフィも食べる?」


 そんな小言は聞き流し、彼女へとまだ半分ぐらい残った串を向ける。

 流石に先を向けたら怒られそうだし、持ち手と先っぽを指で摘んだ形で。

 

「……頂きましょう」


 そうして逡巡の末にカプリッ、と彼女は噛みついた。

 パリッとした皮、その下のジューシーな鶏肉に醤油風のタレが染み込んでいる。

 

「…中々美味しいですね」


「でしょ?」


 どうやら好評の様だ。

 彼女は口元についたタレを、布巾で拭いながらそう告げる。

 

 確かにあの通りの入り口付近に店を構えられるだけある美味しさだ。

 ちなみに値段は銅貨3枚。

 この国の貨幣価値的には、ルビー王国銀貨1枚は銅貨100枚と同等、金貨も同じ感じのレートだ。

 そう考えると、300円ぐらい?…祭りの価格ならこんなもんかな。


「…ではなくっ!私達は買い食いしに来た訳ではありませんよ!

魔女を探すための情報や旅の支度をする為に来たんですから」


「じゃあ、どうしようか?

まず情報屋?でも探すか、それとも…」


「情報屋っていきなり会ってくれないんじゃな〜い?

会える様な人がいても、そんな良い情報持って無さそうだしなあ」


 ルシェの言う通りな気もする。

 情報で食べている人が思いきり店の看板を置いたりして姿を晒したらアレだ。

 そもそも情報を収集する場所で身バレしてると集めるのも大変そうだし。

 あっても誰でも知ってる様な、モノしか聞けない気もする。

 でもこの世界で魔女が目立って悪事をしてるなら、有名になってそうだけどね。


「そういえば魔女ってさ、どんな見た目してるかだったり、格好とかって分からないの?」


「それはですね、一応天使が今回の依頼を受ける際に見せて貰ってます」


「ちなみにアタシも聞いてるぅ、写真もね」


 …知らないのは俺だけだったらしい。

 まあ聞かないのが悪かったけどさ。

 いや、俺にも見せてくれて良くない!?


「その魔女4人の名は、憤怒のステラ、強欲のヤオ、色欲のレイカ。

そして傲慢のハイネルです」


 …覚えれるだろうか?

 まあ多分無理だけど、多分その時には2人が先に気づくはずだしそれを祈る事にする。

 じゃあなんで聞いたんだよって感じだけども。

 

 それにしても七つの大罪を背負った魔女…能力もそれに準じたモノなんだろうか。

 なぜ7人ではなく欠けてしまっているのか、それは不思議だけども。

 でも少ないに越したことはないし、良いんだけどね。


 そうして目的地へ向かって前を飛ぶセフィに、ちょっと名残惜しげに背後へ視線を送るルシェ。

 …もしかして出店、もうちょっと巡りたかったのかな?

 どういう経緯かルシェは捕まってたみたいだし、元々下界で生きてたのなら食べたりしたいのかもしれない。

 今はそういう彼女を縛る鎖は無いんだし。

 

 …じゃあ、セフィが怒らなそうなタイミングでさりげなく連れて行こうか。

 もちろん3人で一緒にね。

 

 ともあれ今は、もっと優先して行くべきな場所がある。


「じゃあ行こうか…冒険者ギルドへ」


 そう…身分証を作る為に。

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