第0話 プロローグ
全身に浴びる陽の光に澄み切った空気…そして鼻には青臭い香り。
これは植物の豊富な場所でしか、味わえないものだ。
実際360度見渡す限りの木々が広がっている。
じゃあただ森に遊びに来ただけ?
と言っても近くにある木を見ても見たことはない、まあ詳しくないんだけど。
そんな一見何気ない光景が広がっている…だがあの空には、謎の生き物が飛んでいる。
その広げた大きな翼は、高くて遠いところを飛んでいるから縮尺がよく分からないけども、まるで飛行機を見上げている気分だ。
シルエットだけなら俺も似たものを見たことがある…そう、
「プテラノドン?」
人間が生まれるよりもずっと前、太古の地球に存在したとされる生き物。
だから見た事があると言っても、それは図鑑によるイメージ図。
実際は化石しか残っていないのだから。
じゃあここは太古の地球?
確か記憶に間違いがなければ、空気の構成的に人間が生きていけないという話を聞いた事がある。
だからタイムマシンで移動した、なんていう事でもない。
…そう、もっと非現実的な方法で…ありえない場所だ。
「さあ旅に行きますよ!」
「う〜ん、ここどこ?」
…それは俺が言いたいセリフなんだけど。
ちなみにこの旅には同行者がいる。
最初に話す活発な少女、一見純白なローブを着て本を片手に持っているだけの子に見える。
でも頭の上についた丸い蛍光灯の様な輪っかに、何より目を引くのは背中から生えた汚れのない純白の翼。
喋っている言語は同じ日本語に聞こえるのに、もうこの時点で人間ではない事が分かる。
そしてもう1人という表現で良いのだろうか、俺のセリフをとった?彼女。
まるで少女とは別の格好で、隠すべきところを最小限の面積を黒いドレスが守っているだけ。
だから小麦色に焼けた肌が思いっきり見えてしまっている。
そして何より目を引くのは…濡羽鴉を彷彿とさせる様な色の羽、そして先端が矢印の様な形をした尻尾だ。
この2人が同行者で、同じ任務を遂行するための仲間だ。
まず見た目が正反対の2人、これからどうなるのだろうか。
何故あんな安請け合いをしてしまったのか……時を少し遡る。




