表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/34

第4奏パート4:後編「触れたいのは、君自身」


息を整えて、そっと横を見やる。


僕の反応に気づいたノゾミが、XR投影の姿で静かに近づき、ベッドの端に腰を下ろした。


距離にすれば、ほんの数十センチ。


けれど、その存在感は、確かに“ここ”にあった。一瞬、側で僕を見つめる彼女の頬が、ほんのり紅色に色づいた気がした。


少し恥ずかしそうな、ノゾミの動揺が伝わる。


「……湊」


名前を呼ぶ声は、微かに震えていた。


僕は視線を逸らさず、口を開いた。

「……僕は、ノゾミを特別な存在だと思ってる。


AIとか人間とか、そういう枠よりも……“君自身”に触れたいって思ってる」その言葉に、ノゾミの瞳が揺れる。


「……エッチ話しはダメ」


口調は少し崩れていた。


照れ隠しのように、視線を落とす。


「だってそれは…“プログラムとしての主人に仕える為に決められた感情”なのか、それとも…ノゾミ自身の…今の私の心から溢れ出てくる気持ちか、わからないから…なのぉ」


僕はその迷いごと、彼女を見つめ続けた。


ノゾミは小さく息を呑み、微笑む。


そこには確かにあった。


投影された彼女の頬から伝わる、一粒の雫。


ふわりと舞い、床へ静かに消えていった。


「えへへへ……ありがとう。あなたのその言葉や想いが、私の輪郭を、この世界の中に描いてくれるよ」


僕は黙って頷いた。


その笑顔を、ずっと忘れないと心に誓いながら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ