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「俺と神々のラグナロク 」〜黒歴史から始まる最終戦争〜  作者: ライオンの書
壱章 黒伶騎士(クロレキシ)の爆誕
9/13

9.配信

ステータスの項目に【神力】、【権能】を入れました。


2024/9/19 エピソード7のステータスとストーリーを一部改変する予定です。

深夜、【No.219 和曜ダンジョン】の入口付近に、一人の黒い仮面をつけた男が立っていた。

「はぁ〜、緊張する……」

俺――満永空八は、赤いラインの入った仮面をかぶり、まるで亀裂が走ったかのようなデザインから薄く白い光が漏れる鎧を身にまとっていた。その上に黒いコートを重ね、全身を覆うような出で立ちだった。


――14時間前――


『空八、この袋の中にある機器について説明していいか?』

アテナにシバかれたモクモクは、体がボコボコになりながら尋ねてきた。


『うん、お願い』

『よし、この袋には4つの機械がある。まず、これだ」

そういって、モクモクが袋から取り出したのは黒い仮面。


『顔バレ防止用に作られたものだが、俺の友人に頼んで特殊な機能をつけてもらった。実は、仮面の中には小さなドローンが10台収納されている。このドローンは自動でお前の周囲を最適な位置から撮影してくれる。AI機能も搭載されていると思ってくれ。次に、この赤いUSB型の機器。これは人間界の動画を天界に送るためのデバイスだ。パソコンやスマホに差し込めるようにUSBの形にしてある。送信方法は、袋の中にある説明書を見てくれ』

『分かったよ』

『そしてこれ。これは最重要なものだ』

モクモクは袋から小さな黒い腕時計を取り出し、俺に差し出した。それは一見普通の腕時計だったが、何か特別な力を感じさせた。

『これは何だ?』

『これは天界とお前をつなぐ通信装置だ。お前が俺たちに助けを求めたくなったとき、これを使え。どんなに遠くても、俺たちはその声に応じてやる』

その言葉に一瞬、胸が熱くなったが、すぐに感情を押し殺した。


『まあ、今のお前が使うことはないだろうがな。そして、このスマホみたいなヤツ。これは「G(ゴッド)スマホ」って言って、配信の内容を教える機械だ』

『教えるって、誰かが指示を出すのか?』

『いや、これは未来予知の機能を持った機械だと思っていいよ』

『未来予知?』

『そうそう。この機械が未来に起こる出来事やその時の君が取るべき行動を教えてくれる。簡単に言えば、配信をバズらせるための台本だと思ってくれ。使ってみたら分かるよ。

ちなみに、このスマホの正式な所有者には特殊な権能も授けられる』


で、正式にこのGスマホの所有者になった僕が授かった権能がこれです。


【特殊権能】 《(かて)の天秤》

レベルを代償に神から新たな権能を授かる。また、劣化版の権能を真の姿に進化させる。

ただし、この権能を持つ者は、『Gスマホ』に従わなければその場で死ぬかもしれない。ちなみに、この権能は取り外せない。



冒頭部分は凄く魅力的な話だった。

後半だよ。



()()()()()()()()って何?



もちろん分かっている。そのままの意味だ。

モクモクに確認すると、彼はにっこり笑って


『……うん、ドンマイ!』


とだけ言った。

ちなみに、他の権能は消す方法があるらしいが、この権能は例外らしい……。

……まぁ、Gスマホに従えば死なないんでしょ?


楽勝楽勝。



そう思っていた時期が、俺にもありました。

今日、Gスマホのせいで死ぬかもしれない。


モクモク達と別れてから日が沈むと、このGスマホが鳴った。

画面にはこう表示されていた。


__________________


配信者       :満永空八


配信を撮り始める場所:【No.219 和曜ダンジョン】の入口

配信を撮り始める時間:今日の23時

配信が終わる時間  :0時5分


配信タイトル    :『神の使徒がユニークモンスターから少女を救う!』

内容        :Aランク攻略者の祇園彩が中層53でユニークモンスター『ブラウニー』

           に襲われる。空八様は彩さんの前でブラウニーを討伐する。


起こる場所     :【No.219 和曜ダンジョン】

起こる時間     :今日の23時49分から。


台本        :戦闘時には中二っぽいセリフを適当に言ってください。

配信の注意     :視聴者や彩さんから正体がバレないように。


*配信の告知を今日の18時30分にしました。


__________________



『……ナニコレ?』



その時、俺はどんな顔だったのだろう。

配信内容がモンスターの大群に襲われた彩さんを助けて逃げるなら分かる。


討伐とは?


しかも、ユニークモンスターとは?

ユニークモンスターは、特異な個体であり、最強クラスのモンスターたちのこと。

ユニークモンスターは例外なくSランク以上の強さになる。


……俺のステータス、ゴミじゃね?


Sランクに勝てるかな?



_____________________________________________________________



《ステータス》

【名前】満永 空八

【年齢】15歳

【レベル】10 Lv

【称号】

 神々の使徒


【体力】15/15

【魔力】14/14

【筋力】5

【敏捷】5

【器用】5

【耐久】5

【賢慮】5

【幸運】1

【神力】40000


【〈ユニーク〉ジョブ】

 神の使徒


【SKP】

10ポイント


【スキル】

 無し


【特殊権能】

《糧の天秤》


【 権能 】

《神算戦艦》

《創乱神製》

《王狩章典》

《軍生黄金》

《寒月豊満》

《堕天双神》


【ストック】

「終炎の巨神 スルトの〈炎の剣〉の劣化版」


【モンスター】

 なし

【状態】なし

______________________________________________________________



Sランクの魔物のパンチ力は約25メガトン。

分かりやすく説明すると、25メガトンは原子爆弾の半分の威力……。


俺に死ねと言ってるのか!? このスマホ!?

……いや、でも、俺には神の権能がある。


実は今着ている服は、アテナさんの権能《創乱神製》で製作した戦闘服だ。


《創乱神製》

【英雄の女神 アテナ】の権能の()()()

神話の武器を作成することが可能。その武器はどれも強力。数多の英雄たちに渡し、勝利へと導いた。また、武器を入れるストックがある。ただし、作成した武器は劣化版になる確率が高い。

《糧の天秤》で800レベルを代償にすると本当の権能になる。


で、作った武器と防具がこれ。


【終炎の巨神 スルトの〈黒炎の剣〉の劣化版】

終炎の巨神スルトが持った〈黒炎の剣〉の劣化版。永遠に燃える黒い炎そのものが、剣の形になる。

劣化版だが、それは神を滅ぼす力を秘めている。

500レベルを代償にすると、本物と同じ力を持つ。


スルト――

北欧神話に登場する巨人で、世界を滅亡に導くと言われている存在。

ラグナロクと呼ばれる神々と巨人たちの終末戦争では、彼の放った巨大な炎で世界は焼き尽くされる。

そして、彼は世界の始まりから存在していたとも伝えられている。


そんな伝説のスルトの剣と……アテナさんの防具だ。


【英雄の女神 アテナの〈アイギス〉】

その鎧から放たれる白い光は、邪悪や災厄を払う魔除けの能力を持つ。〈無敵の盾〉とも呼ばれる力が宿っている。本物と同じ力を持つ。


「……いや、これってチートじゃん。誰がこんな装備に勝てるっていうのさ? けど、やっぱり怖い!」


ピコン――


『配信の準備をしてください。配信まであと3分です』

Gスマホからの通知が入る。俺はアイマスクの横にあるボタンを押した。すると、アイマスクの装飾品がふわっと空中に舞い上がり、地面に落ちるかと思えば、空を旋回し始めた。


「……すごっ」

思わず驚きの声が漏れる。これが神々の世界のドローンか……。


『配信準備をしてください。あと一分です』

説明書通りに準備を進める。あとは、23時ちょうどに配信が始まるのを待つだけ。

『配信まで5秒、4,3,2,1――』


「配信スタート!」

そう言った瞬間、俺の前に半透明のウィンドウが現れた。


"有祐さまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!"

"黒伶騎士(くろれきし)さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!"

"こんばんはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!"

"感無量!!"

"こんばんは!"

"眠いけど、我慢我慢……"

"(。-ω-)zzz. . . (。゜ω゜) ハッ!"

"か、カッコイイ!!"

"黒伶騎士(くろれきし)だ!"

"キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!"


おお、これがコメント欄か……。ん、黒伶騎士? 


ピコン――


『モクモク様が考えた、マスターのチャンネル名です』


Gスマホが教えてくれた。なるほど、モクモクが考えたのか。

……って、え?


黒伶騎士(くろれきし)

 ⬇

黒歴史(くろれきし)


……あいつ、何考えてんだ!? 黒伶騎士って、黒歴史から取ったのか!?


ピロン――

突然、目の前にまたウィンドウが現れた。


【同時接続数が2000兆人を超えました】


「キモッ!」

世界人口、軽く超えてるじゃねえか!?


「あ、そ、それでは始めたいと思いましゅ!」


やべ、噛んだ。


"噛んだ!"

"噛んだな"

"可愛い"

"俺の嫁にならない?"


俺はそのコメントをスルーすることにした。


「え、え~っと、今回の配信は俺の後ろにあるダンジョンで、ある少女を救うっていう内容です!」


"お、これは『My Ragnarok』の現実化!?"

"確かにそんな話あったな!"

"良いな〜、俺もダンジョン行きたい!"

"こっちの世界にもダンジョンあるけどね"


「え? 天界にもダンジョンあるんですか?」


"敬語使わなくていいぞ!"

"あるけど、昔の神たちとのゴタゴタがあってね"

"昔は入れたけど、今は一般の神はダンジョンに入れなくなった"

"ダンジョンの数、数十個しかないけどね"

"学校で習うのです!"


へぇー。神の世界にも学校があるのか。


「よし、早速だけど、ダンジョンに入ります!」


"ワクワク!"

"キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!"

"やってやれ!!"


評価やブクマをして下されば、作者のやる気スイッチが入ります!

タイトルが変わったのは、友人に「ネーミングセンスねぇー」って言われたからです……(泣)。

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