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「俺と神々のラグナロク 」〜黒歴史から始まる最終戦争〜  作者: ライオンの書
壱章 黒伶騎士(クロレキシ)の爆誕
11/13

11.空八視点



(あ、危ねえええええええええええええええええ!!)


巨大なモンスターの攻撃から彩さんを守るため、俺は【神ノ手】を使って彼女を瞬時に移動させた。間一髪だった。0.5秒遅れてたら、彩さんは確実に死んでいた。


あ、【神ノ手】ってオーディンさんの権能の劣化版だよ。


《王狩章典》

【戦争と死の神 オーディン】の権能の劣化版。

【神ノ手】という技が使える。

全属性の上位攻撃魔導スキルを無条件で獲得可能。

《糧の天秤》で1000レベルを代償にすると、真の権能となる。


【神ノ手(劣化版)】

遠くの物を念力のように動かすことができるが、重いものほど動かしにくい。


オーディンさんの力、やっぱりパネェっす。念力を手に入れるとか、ヤバいわ。

え? どうして彩さんを直接運ばなかったかって?

答えは一つ。


俺には女性への耐性が無い。

だから、女性に触れない。

陰キャだからね。


「ウガァァァアアアアアア!!」


おっと、ブラウニーがこっちに―――向かってきてる!

ヤバいヤバい、どうしたらいい!?

俺のステータスはゴミ同然なんだぞ!


逃げるか?

いや、それだとGスマホに「逃げた」と判断されて俺は死ぬ!


ピロン――

【軍神の力を使ってください】


おお、Gスマホよ、ありがとう!

助言してくれるなら、せめて「逃げる」選択肢を与えてくれ!


「あなたも逃げて!」


彩さんがダンジョンの出口に向かって逃げようとしている。

俺はそこで待ったをかけた。


「動くな、少女」


(ごめん、彩さん! 俺、君を助けるために戦わないと死んじゃうんだ!)


*詳細はGスマホの説明を参照してね。


そして、中二病らしいセリフを忘れない。


「我の戦場に足を踏み入れたなら、その命、守ってやろう」


ん? 彩さんの周りに何か飛んでる……あれってDカメラか?

その近くに半透明のウィンドウが浮かんでいる。コメント欄か?


”は? 何言ってるの?”

”Sランクだぞ!”

”彩、そんな中二っぽい男はほっとけ”

”逃げろ!”

”ありがとうヒーロー”

”犠牲者だろwww”

”俺たちの彩さんを殺すつもりか!?”

”心中かよ!”


(……俺、死にたくなった)


彩さんじゃなくて、Dカメラに注目する視聴者たちを無視し、俺はブラウニーに向き合った。


《神算戦艦》

【軍神 アレス】の権能の劣化版。

この権能を持つ者は【軍神ノ武術】を常時使用可能。

全ての上位武術スキルを無条件で獲得できる。

《糧の天秤》で800レベルを代償にすると、真の権能になる。


「――力を貸してくれ【神算戦艦】」

(心の声:助けてえええええええええ!!)


ブラウニーの大剣が振り下ろされる――


(ん?)


おかしい。剣の動きが遅い。まるでスローモーションみたいだ。


俺はその大剣を素手で受け流した。

いや、受け流すってどういうことだよ!? 自分でも分からないが、次にどう動けばいいのかが手に取るように分かる。


(これが「神」の力か……Sランクのモンスターに、こんな余裕でついていけるなんて)


「大したことないな」


俺は呟いた。


「ウガァア!?」


ブラウニーが驚いて剣を振り下ろすが、俺は冷静にそれをかわし続ける。


(すごい……これが神の権能か)


俺は蹴りを繰り出し、ブラウニーの肩を砕いた。

すると、ブラウニーは廃ビルに吹き飛ばされ、煙が立ち上がる。


(そろそろスルトの剣を使うか。せっかく作ったんだし)


「ウガァァァァ!!」


怪物は生きていたが、もう終わりだ。


「──愚か者が、神に抗うことなど無意味だ」


俺は怪物の近くに移動し、スルトの剣を構えた。


「【創乱神製】『スルトの炎の剣』」


炎を纏った剣が怪物の首を一閃する。

ブラウニーは地面に崩れ落ち、ドロップアイテムに変わった。


”さすが!”

”有祐様!”

”感服しました!”

”黒伶騎士様、私を切り刻んで!”

”踏んでください!”


(……神様って、変態が多いな)


「あ、あの!」


(え?)


彩さんが俺に走り寄ってくる。

え、この人、めちゃくちゃ美人じゃん。


「た、助けてくださりありがとうございます!」


――ありがとう

――ありがとう

――ありがとう

――ありがとう

――助けてくださりありがとう

――助けてくださりありがとうございます!


俺の頭の中が彩さんの「ありがとう」でいっぱいになる。


(じょ、女性から「ありがとう」だと……!? 妹以外で初めて言われた!)


ピロン――

【配信終了まで、あと1分です】


1分!?

ヤバい!

配信をここで切るわけにもいかないから、ダンジョンの入口に戻らないと。


「……礼を言われるほどのことではない」


「い、いえ、本当に――え?」


(もっと女子と喋りたかったああああああああああ!!)

俺は彩さんを後にし、空中に飛び上がってダンジョンの出口を目指した。

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