003話 静寂な戦い。
友人に主人公の見た目教えて、と言われたのでまぁ確かにわかりにくいかと考えましたのでなんとなくの詳細は書いときます。でもあくまでベースは個々が思うイケメンでいいです。
・黒髪
・目は平凡主人公な感じ
・背丈は180cm
・バキバキシックスパック
・シュッとした輪郭
・眉は細め
ですかね。変更あるかもです。
ウェクプルと俺は戦闘態勢に入った。
俺は普段どおり魔力操作を整えているが、ウェクプルは・・・
!?
ウェクプルの周りの空気変わりすぎだろ!!
「フーッ・・・」
白い息を吐き、若干下を向き、全身から魔力を出していた。
圧?オーラ?で服が揺らめいている。
ウェクプルはオーラが急にしまったかと思うと、一気に放出した。
なんとなく、怖い。学校で怖い先生に怒られるとかそういうレベルじゃあない。
メリハリがいいとかそんなんじゃあ断じて無い。
「準備は・・・いいですか・・・?」
ふと我に返った俺は
「あぁ・・・!」
と返事をした。
返事をした。
返事をしたその瞬間だ。
ジッ
と音を立て、ウェクプルはこちらに走ってきた。
(待て待て待て!!速すぎんだろ!!俺が避けれるかどうか・・・)
ウェクプルはパンチで攻撃してきた。まぁ拳しか武器という武器はないしパンチ以外ありえないんだけれど。
なんとか、間一髪パンチを避けられた。だが食らわなくてもわかる。パンチって言えるパンチじゃねぇ!!十トントラックが時速5000kmでぶつかるような強さ!!
これは流石に俺もやらなければ。
こちらがやられる。
俺は手から魔力を出し、カウンターの準備をした。
だがウェクプルもそんなバカじゃない。攻撃をやめ、少し距離を取った。
「わかってんねぇ・・・」
「フーーッ・・・」
さっきよりも圧がすごくなった。
俺が魔力をひっこめるとウェクプルはまた突っ走ってきた。
俺は逃げた。頑張って。だがウェクプルは追ってきた。真後ろだ。
俺は振り返ってウェクプルに一撃を食らわせた。ウェクプルはペッ、と血を吹き捨てて少し口角を上げた。くる。
ウェクプルのパンチを俺は素手で抑えた。周囲にバシィィィと音を立てて止めた。だがウェクプルは攻撃をやめなかった。俺は後ろ向きで、つまりはウェクプルのほうを向きながら走っていたがウェクプルは俺の腰あたりに足を固定させ、何度も拳を振ってきた。俺は後ろ向きで走りながらウェクプルの猛攻撃をすべて抑えた。今すぐにでもやめさせたいがウェクプルは興奮してる。
ウェクプルはパンチをやめなかった。なのにウェクプルの獲物を捉える目はずっとこちらを見ている。俺は頑張ってウェクプルの攻撃をガードしつつ、フーッ、と息を整えた。もう少しだ。もう少しの心房だ。
ウェクプルは足の力を抜かなかった。ずっとホールドしてくる。解こうとするとウェクプルの攻撃に当たる。なるべく当たるのは避けたい。痛そうだし。
ラッシュが止む気がしないからうまく拳のリズムを崩す。毎秒200発くらい拳が飛んでくる。だがガードをうまくす使えば、少しだけ崩せる。そしたらウェクプルにまた一撃を与える。
目でよく観察し、タイミングを伺った。まだ・・・
まだ・・・
まだ・・・
まだ・・・いや・・・今・・・!
パンチが俺のガード(クロスさせた腕)にあたった瞬間にガードをウェクプルの拳ごとはらい、パランスを崩したウェクプルにまた一撃を食らわせた。ウェクプルはまた笑った。
王子のような顔立ちだが、どこか幼い顔をしている彼の笑顔は今は戦闘を楽しむ笑顔だった。目を閉じてじゃなく開いて、口角だけ上がっている。
興奮度合いが上がったのか、彼のラッシュはより早くなった。
そろそろかな。
やってみたかったんだよね、こういうの。
俺はボイルの能力、写すだけじゃない鏡を俺の背中側に出し、鏡を割った。
パリィーンと割れた時、ウェクプルは状況理解ができてなかった。まぁそりゃあ急に何かが割れて、向きが変わってたら驚くでしょうし。だから、パンチもこなかった。その隙にウェクプルの足を解き、もう一度鏡を出現させた。今度はウェクプルの背後に。俺に足を解かれすこし後ろに行ったウェクプルは鏡に触れ、割り、俺に背中を向けた。だが今回はなんとか理解してすぐに振り返ってこちらにパンチをしてきた。
だが今回は俺はパンチを普通にガードするのではなく、俺の手のひらに当たる直前にカウンターを出現させた。ウェクプルはカウンターに気づいたが、パンチを止められなかった。
そのままウェクプルの拳はカウンターに攻撃し、パンチの倍の威力をパンチした左拳から受けた。
ウェクプルは少し飛んだ。そして、地面に倒れ込んだ。やりすぎたかな。
「はぁ・・・本気だしてませんね・・・」
・・・気づいてたか。
「ハハハ・・・本気で君を殴ると多分とてもグロテスクになるし・・・」
実際俺はパンチにそこまで力をいれてなかった。本気パンチはウェクプルの頭を飛ばす気がして。
「でもウェクプルは一撃一撃を本気でやってたね。めちゃ強かったよ」
ノヴェンリーが近づいてきた。
・・・俺なんか言われるかな。
「・・・す・・・すごい・・・ッスね・・・えっと・・・」
「チーフ・ラブイーター。チーフでいいよ」
「チーフさん・・・ウェクプルをここまでできるなんて・・・すごい強いんですね・・・」
よかったー!怒られなかったー!
親友ポジだからなんか言われるかと・・・
「チーフ様。お見事でした」
影朧も近づいてきた。多分笑顔だ。
「ありがと。でもウェクプルも結構強かったよ・・・」
「はい。拝見させていただきましたが、かなりお強いですね」
褒められてウェクプルも少し嬉しそうだ。
「えへへ・・・」
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ウェルコ家の城にある窓から外を眺めていたジェニスはこの辺一番の大木が切られる瞬間を目撃していた。
「ん・・・へぇー・・・かなりいい物をみつけたな・・・」
少し口角を上げながら彼は窓から離れ、ソファに腰掛けた。
彼が腰掛けたのとほぼ同時にドアがコンコン、とノックされた。
「入れ」
「失礼します」
黒のスーツのような物を着た、きっちりとしているおじいちゃんが部屋に入ってきた。
どうやら執事の一人のようだ。
「ジェニス様、例の本を持ってきました」
執事はジェニスに近づき、その例の本を渡した。
「感謝する」
その例の本は黒い革表紙で、表紙には様々な正多角形が描かれていた。
そして、この世界の文字で「立方体と次元」と書かれている。
ソファの前にある机には、その「立方体と次元」という本の他に「感情」という本も置いてあった。
(もうこの本は何度読んだことか・・・だが深い。その深さが面白い・・・)
ジェニスは自分の顎に手を当て、考えながら本を読んだ。
ジェニスが本を読み始めて一分も経たない時に正多角形で作られた鳥のようなものがジェニスの部屋に入ってきた。そして、ジェニスの肩に留まり消えた。
鳥が消えたと同時にジェニスは眉を顰めた。
(思った以上だな・・・新しく来た倦怠者は・・・)
そう思い、ジェニスは立ち上がり、城の地下へ向かった。
城の地下は暗く、不気味な空気だった。
そして当然のように地下ある牢獄。そこから一人を牢屋から出し、地下で一番でかいであろう「訓練場」の看板がある場所へ来た。
「な、なんなんだよっ!!うぉ、お前はぁ!!」
牢屋から出た男は怯えていた。
男の名はタブン・トウゾク。アゴラリス王国の近くで大勢を相手にし、返り討ちにした。職業は盗賊だ。
「タブン、お前はなかなか強いと聞いている。・・・ほら、こいよ」
余裕の笑みを浮かべるジェニスと、その真逆で、恐怖に支配されているタブン。
タブンは普段ならこんな場所でもいつも通りにできた。だが今は違かった。ジェニスから溢れ出る恐怖のオーラに負けているのだ。
「や、やってやる・・・やってやるぞ・・・!!!」
タブンは恐怖を克服しかけていた。これは彼の才能といえるものでもある。
そしてタブンはジェニスに向かって走っていった。タブンはジェニスに触れた。
「へぇ・・・これが・・・」
タブンの能力は相手に触れて初めて発動する。
「盗める物は盗む・・・!」
タブンの盗める物は盗むは相手に触れたら体の部位や臓器を一つだけ盗るという能力。ただし形を理解していないと盗めないという条件がある。つまり脳を盗るのはほぼ不可能なのだ。
ただし臓器はほとんどの人がだいたい同じ形なので盗ることができる。
タブンは手に心臓を持っていた。
(と、盗れたぞ・・・!いくら恐怖のオーラを出せても心臓がなくなったらちょっとしてバイバイだ・・・!)
タブンは安堵した。してしまった。
「きれいに盗んでくれたおかげで助かったよ・・・」
「!?」
タブンは眼の前で起きていることが信じられなかった。
タブンは勝ちだと思っていた立場が、逆転される気がした。
(大半の生物は心臓がなくなったらもうバーイなはず・・・なのにこいつはなぜ・・・ピンピンしている・・・!!)
さらなる恐怖で包まれたタブンは驚くことしかできなかった。
「俺の能力は汎用性が高ぇんだよな・・・ま、今は仮心臓を動かしているだけだが」
「そ、そんなことが・・・できるわけがないだろ!!」
「できちゃう。でも戦いとは別で仮心臓を動かすのにも意識を向けなきゃいけないから弱体化はするがな」
タブンの息は徐々に荒くなり、顔色も悪くなっていった。
一方ジェニスは普通に、なにもなさそうだ。
「次は・・・俺の番かな・・・」
ジェニスは背中側で腕を伸ばし、息を整えた。
ジェニスはタブンに向かって走っていき、近くまで来たときにタブンに触れずに能力を発動した。
すると、前に老人をどこかにやった立方体と同じ形のものが現れ、タブンはその中にいた。
「な、なんだここ・・・?」
「お前の能力は強い。だから貰う」
「何いってんだお前はッ・・・」
タブンは話している最中に立方体と共に消えた。
ジェニスは自分の手をグッパグッパとし、口角を上げた。
「試してみるか・・・」
ジェニスは一つ上の階に上がり、新たな人間を牢屋から出した。
そしてそいつを連れてまた訓練場にやってきた。
「うるさくするなよ。うるさいのは嫌いだ」
ジェニスは恐怖のオーラで潰されそうなそいつに触れた。そして頭の中で考えた。
(心臓・・・)
するとそいつに触れていたジェニスの手には心臓があった。今度は自分のじゃない。
そいつは倒れ、苦しんでいたがすぐに静かになった。
ジェニスは口角を上げ、言った。
「気に入った・・・」
ジェニスは地下から出て、自分の部屋に戻った。
そしてまたソファに座り、本を読み始めた。
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「それじゃあ、そろそろ拠点を作るか!」
さっきノヴェンリーが切って、資源の山となった木をとりあえず拠点の素材として使う。
「城みたいにしたいんだけど、いいかな」
「はい。いいと思います」
影朧はいつも通り快くOKしてくれた。
だが、俺と影朧の会話の間に急にノヴェンリーが入ってきた。
「あ、あのー・・・」
?
なんだろう。話したいことでもあるのかな。
「どうしたの?」
「僕の能力で・・・建てられます・・・」
「え゛」
????
どういうこと?わからんわからん意味わからん!
理解できない!
「じ、じゃあさっき切った木は・・・」
「あれは僕がこれくらいはできますよって証明するためのものなので・・・」
とんでもないな・・・どんな才能の持ち主だよ・・・
俺は驚きつつノヴェンリーの話を聞いた。
「あ、でも用意して欲しいものはあります。その城の大きさとかも書かれた設計図設計図が・・・」
「そんなんでいいならすぐに用意するよ!」
急ぎ足で設計図を書いていった。
紙とペンはアゴラリス王国で念の為買ったおいたからね。
程よく大きく、住心地の良い間取りで・・・
もともと絵は得意だったのでうまく描けた。結構内部まで描いちゃったけど。
「こ、これでいいかな?」
設計図をノヴェンリーに渡した。
「わ、わぁ・・・内部まで・・・頑張ります・・・」
そう言うとノヴェンリーは集中するために目を閉じ、少し経った後に目を開いた。目の色が違かった。明るい、黄色系の色だったのに、今は青だ。そしてなにか呟いている。
「縦五十・・・横三十・・・」
単位までhわからないがまぁ色々言っている。
流石に出来上がるまで時間は掛かりそうだ。ノヴェンリーに何度声をかけても返答がないので、可哀想ではあるがノヴェンリー以外は寝ることにした。もちろん影朧と俺の交代制で見回りはしたよ。
そして朝、みんなが目覚めて十分後くらいにノヴェンリーが
「疲れた・・・」
と言った。本当におつかれ。ありがとう。
ノヴェンリーを寝かせて、ノヴェンリーの立っていた前あたりをみんなで見た。
でっっっっかい城が建っている。かっこいい・・・
「かっけぇ・・・」
ウェクプルも男の子やなぁ。とか思っていると、
「ノヴェンリーさんは私が運びますので、内部も見ましょうか」
と影朧が言ってくれた。ありがとう。
早速城の内部に入った。ひ、広すぎ〜!!
「うわぁ・・・」
影朧とノヴェンリー以外の全員が口を揃えて言った。
一応説明しておきたいんですが、結局ジェニスの心臓どこいったんってなると思いますが立方体の中にタブンを入れて、立方体と共に消えた時にジェニスの体内に戻しています。詳しくは言いませんが彼は自分の能力の一部を使い、心臓と血管をつなげました。細かい能力は多分のちにでてきます。あと、最後らへんみんな寝てるけどどこに寝てるんやって気になったかもしれませんが、一応仮の家は作った(ノヴェンリーのシンプルな技術力で木を使って)んですよ。小説内に書いといたほうがわかりやすかったですよね。
あとあと、ジェニスの戦いのシーンでジョジョ感が出てるセリフがありますが、たまたまです。たまたま。
あ、てかリア友で僕の小説読んでる人が増えていって主人公まんま僕だと思われるのなんか嫌です。あくまでベースは僕ですけど細かいところは違いますからねー??