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002話 特別な地位。

前回の投稿からかなり遅れてしまいました。

中の人の事情で次はさらに遅くなる可能性が多いので、お許しください。

 拠点造りに取り掛かる前に俺はポイルの持っていた持ち手の曲がった斧を拾った。

 普通に気になったというのもあるけど、強力な魔力が感じられたからだ。


 ズゥウン・・・


 謎の重低音が鳴り響いたと思ったら斧は形を変えていた。

 大剣になっていた。

 すげぇなとか思っていると影朧が近づいてきて、


「ほぅ・・・変形式魔法武器のティア4ですか・・・珍しい・・・」


 変形式魔法武器?ティア4?まったくわからないんだけど!?

 変形式魔法武器まではなんとなく察せる。けれどティア4は高いのか低いのかわからん・・・


「・・・どうやらチーフ様、ティア4がわからない様子で」


「あ、あぁ。高いのか低いのかわからなくてな」


「存在すると言われている変形式魔法武器は最大ティアが5なので高いほうかと」


 だから珍しいって言ってたのね。理解できた。


「どのくらい珍しいの?」


「そうですねぇ・・・この大陸に5つ程かと」


「まじで!?めっちゃレアじゃん!」


 念の為、影朧から変形式魔法武器の説明を受けた。

 変形式魔法武器とは、持ち主がその時一番使いやすい武器になる物だそう。ティアは数字が高ければ高いほど一撃一撃が強いらしい。

 ちなみにこの大陸には持ち主が使いやすい武器になる変形式魔法武器の逆に、持ち主にその武器が一番使いやすいようにさせる強制式魔法武器もあるらしい。わざと強制してその武器を極める人もいるんだって。


「強制式にもティアはあるの?」


「はい。強制式はティアが10まであり、ティア10は他の武器に比べてはならないとか」


「まじかよ・・・変形式のティア5は?」


「持ち主の力量によるらしいのです。持ち主が強ければ強いほど強くなり、弱ければ弱いほど弱くなる」


 安定のパワーの強制か自分任せの変形か・・・悩ましいところだな。


「他にも式がつかない武器でも強いものはありますよ」


「・・・長くなりそうだから後ででいいや」


「わかりました」


 この俺の手に入れた変形式は俺に合わせて大剣になったけど・・・強いのかな?

 大剣とか振ったこともないし。


「・・・ではチーフ様、試しにあそこにいる巨大的野生凶暴豚(ビッグパワフルオーク)を倒しにいきましょうか」


「わ、わかった」


 さっきから影朧が俺の思っていることを理解してくれている・・・能力かな?


「でかいねぇ・・・7mはあるんじゃ・・・」


「お見事ですチーフ様。このモンスターは7mですよ」


 よく知ってるな!とか言いたいところだけどまぁ異世界にずっといるなら当たり前か。


「では早速、チーフ様の持っているその大剣で斬ってみてください」


 影朧の言う通りに、縦に振ってみた。

 ゴオオオンと風を切る音がした。

 モンスターのほうを見た。モンスターどころか大地ごとパカッといっている。地上版モーセの十戒のように。


「おや・・・まさかここまでとは・・・」


 影朧も驚愕している。流石に武器でここまでとは思わなかったんだろう。


「思っていたよりも使いやすいんだな、大剣って」


「変形式は持ち主にあった形になりますので、使いにくいことは珍しいかと」


「わかってるよ」


 流石にそこまで何も考えないやつじゃないよ。影朧。

 悪気はないよね。


「そういえば・・・説明を忘れていましたが、変形式は同じ持ち主でもティアごとに武器がかわることがあるようです」


「そ、そうなの!?先に言ってよー・・・」


 そんな話をしながらもぼくらは拠点造りを始めた。


「拠点を作るなら資材やらなにやらが欲しいですね」


「そうだね。でも俺達にそんな建築技術なんて無いし・・・」


「アゴラリス王国に行ってみますか」


 え?え?アゴラリス王国?さっきのめちゃでかい王国??

 資金もらえたりとかじゃないよな...?」


「ま、まさか資金請求とかじゃ・・・」


「もちろん違いますよ」


「あははー・・・ならよかった・・・」


「人をもらうのです」


「も、もらう!?人を!?」


 それって誘拐ってことだよな・・・いやだめだめ!!

 考えてたことの斜め上いってるって!


「あ、誘拐ではないですよ?ちゃんと許可はとります」


「あ、そ、それならまぁ・・・」


 でもアゴラリス王国遠いんだよなぁ・・・

 頑張るか・・・

 

 そうして俺と影朧はアゴラリス王国に向かった。

 向かっている最中も変形武器で戦ってみたり、鏡の能力を使ってみたりした。

 想像以上に難しかったりして、ボイルの強さを知った。


 やっとアゴラリス王国についた。

 で、でかい・・・


「やはり何度来てもここは無駄に大きいですね」


「影朧は何回か来たことあんのか?」


「まぁ・・・何度か」


 あんま深堀りしても頭がおかしくなりそうだからいいや


 門を通過し、俺と影朧は王国に入った。

 アゴラリス王国はすごい腕の職人が何人もいるっぽい。

 刀鍛冶やら防具職人やらパン職人やら・・・


「なにかしらの職人がそこら中にいるね」


「アゴラリス王国の権力が大きい要因の一つは職人の腕と多さですからね」


「えっと・・・俺らは誰を貰えば・・・」


 その時、奥からとある人物が現れた。

 黒の鳥の羽で作られたであろう服をきていて、まさに悪役のような姿だった。


「天気悪ぃなぁ・・・晴れは嫌いなんだ・・・明るいし、暑いからな」


「あ、あなたは?」


「俺?誰だろうな」


 この人が現れてから影朧はすごく嫌そうにしている・・・

 なんでだろう・・・


 とか考えてたら影朧は口を開いた


「ジェニス・・・なぜ来た?邪魔しないでもらえるか・・・」


「ッハ!おいおい!久しぶりにあったのにその言い方はなんだ!どちらにせよ会う運命だったろぅが!」


「お前に直接会わなくても申請くらいはできた」


「まぁそうかもな。でも答えはNOだぜ?申請でも直接でもな」


「まぁそんな感じはしていたさ・・・それでも私達は諦めないさ。ここに居続ける」


「どんなにここにいてもだめなものはだめだ。王国にいる職人は全員優秀な宝だ。職人をあげるのは無理だぜ」


 影朧は機嫌が悪そうだった。見たらわかる。

 普段は抑えている圧が出まくっている。


「わかりました・・・職人はもらいません。ただ、この王国にはもう少しだけいさせてもらいます」


「わかりゃいいんだよ。じゃあな」


 ジェノスと呼ばれていた男はこちらに背を向けて、どこかへ行った。

 影朧はいつの間にか圧を抑えていて機嫌は普段どおりではないが、マシにはなっていた。


「チーフ様、いきましょう」


「う、うん」


 俺は影朧の背中を追い王国を歩いた。

 影朧が止まった場所は先程とは一転、何もない場所だった。

 強いていうなら子供が二人いる。


「えっと影朧?ここは・・・?」


 影朧は少し悲しげに言った。


「ここはアゴラリス王国の無と呼ばれる場所です。少ししたらここも店かなにかが建つんでしょうね」


 アゴラリス王国の無。それは言い方を変えれば未開拓地らしい。

 稀にそこには子供がいて、主人を探すらしい。優秀な主人を。


「当たり前ですが、日に日にアゴラリス王国の無は少なくなっています。ここは最後かもしれません」


「ま、まさかこの子達をもらうなんて言わないよね?」


「そのまさかです。もちろん本人達に許可は取りますよ」


 そういうことじゃねぇ!こういう子がいるのが問題なの!

 ・・・まぁこういうでかい王国なら闇があってもおかしくはないけど・・・


「ですがここに置かれる子供達は自分の意思でここにいるんですよね・・・なぜなのでしょうか・・・」


「本人達に聞かないとわからないけど・・・言ってくれないよね」


 そういいつつ俺達は二人に話しかけた。


「ね、ねぇ君たち、なんでここにいるの?」


「・・・僕達は自らここに来たんです。親は職人としての腕を落とし・・・住む所もギリギリで・・・食べ物も・・・」


 なるほど・・・家族を助けるためにまだ成長のしがいがある自分達が優秀な人を探してここにいる・・・と


「よ、よかったらさ、俺達とこない?今職人を探してて・・・」


「やだ」


「・・・へ?」


「嫌です。まず、職人を探しているなら街で探せばいいじゃないですか」


 そう言われると困る。

 そうでしかないから。


「じ、実は・・・俺達職人をもらおうとしたらNOって言われちゃって・・・」


「そうなんですか」


「だから頼めないかな?」


「なにをする気ですか?」


「俺達、拠点を作ろうとしてて、そのうち国にできたり・・・なんて考えてる」


「・・・条件込みでいいでしょう」


「条件って?」


「その拠点に僕達のそれぞれの家族を住ませてくれたらいいよ」


 影朧の耳元で言った。


「いい・・・よね?」


「もちろん、構わないですよ」


 俺はまた二人の子供に向かっていった。


「拠点に君達の家族の移住を許可します」


「じゃあ僕らもやることはやるよ」


「うん。よろしく」


 その後、二人とそれぞれの家族を連れて拠点になるであろうところに行った。

 もちろん護衛は俺達がやったよ?


「ごめんねー・・・まだなんにもなくて」


「大丈夫です。それよりも僕達のお手本がいないのですが・・・」


 あ、そうだった。忘れてた。

 仕事を与えるならお手本も必要だよね。

 どうしよ・・・


「チーフ様、私にいいアイデアが・・・」


「?いいアイデアって?」


「私の魔法でこの二人の奥底に眠っている才能を呼び覚ますのです」


「そんなことできるの!?」


「はい。ですがそれなりにクールタイムも必要ですのでしばらくはこの魔法は使えないかと」


「大丈夫。問題ないよ」


「えっと・・・僕も文句はないです」


「僕も」


 二人から許可ももらったからさっそく影朧は魔法を発動した。

 二人の体を包むかのように魔法陣が出てきて回転している。

 回転は止まる気配がない。徐々に早くなっている。

 

 魔法陣の回転が始まってから一分は経った。

 あくまで勘だけど少しずつ回転が遅くなっている気がする。

 

 それは勘などではなかった。

 二分後には確かに遅くなっており、回転が静止し、魔法陣が消えたのは十分後だった。


「はい。おわりました」


 影朧は明らかに疲れていた。お疲れ様。

 子供二人はーっと・・・

 なんか成長してるんだけど!?


 まるで二十歳程になっていた。

 二人はイケメンだった。

 イケメンおおいなぁ。この世界。


「おわったのか?」


「ぽいね」


 声もかっこいい。声優かと思うくらいに。

 後から影朧に聞いたんだけど、あの魔法は強制感掴み(たましいのりかい)というらしい。

 

「そ、そういえばさ、二人の名前は?」


 そう聞くと右側に立っている男の子が言った。


「僕はノヴェンリー=アイストン、どうやら建築関係ができるようになったみたい。よろしく」


 なるほど。強制感掴み(たましいのりかい)

 ノヴェンリーに続いて左に立っていた男の子も言った。


「俺はウェクプル・ドライドラっていう名の者だ。戦闘、特に近接がいける。よろしく頼む」


 一人称も変わるのか・・・急激な進化はすごいねぇ。

 軽く二人の見た目を伝えるなら、ノヴェンリーは茶髪で身長180くらい、爽やかなイケメンで左目の下に独特な模様が刻まれている。ウェクプルは黒髪の身長170くらいで王子様のように少しキリッとしている。


「ノヴェンリーとウェクプルね。よろしく。さっそくで悪いんだけどさ、実力見たいなぁ・・・なんて」


 二人は口を揃えて


「いいですよ」


 と。

 すごいすんなりだなぁ。


 とか思っているとノヴェンリーは拠点予定地の近くにある大木に向かった。

 その大木は現世には絶対ないような大きさ。

 いや、ないとは言い切れない。でもかなりでかい。

 120mはある。正確には葉が邪魔して上のほうがわからない。


「斧いるよね・・・まってて、すぐ持ってくる」


 俺がさっき拾った切れ味の良さそうな斧を持ってこようとした時


「あ、大丈夫です。なんとかできますんで」


 そういうとノヴェンリーは手から魔力を出し、それで斧を作り出した。

 作るという表現より形作るのほうがぽいかも。


 とにかく、魔力が電流のように見える斧を作り大木に切りかかった。

 ノヴェンリーは対して力は込めてなかった。だが切る時に一瞬彼の目元が見えた。

 とても集中していた。まるで眼の前の大木しか見えていないように。


 ノヴェンリーの斧が大木にあたり、少し食い込んだと思うとものすごいスピードで大木が切られていく。

 目で追いつくのがやっとだ。ガインガインと音を立て木を使いやすいサイズにカットしていった。 

 ほんの数十秒で大木は資源の山に変わっていた。わお。


「才能の塊だろ・・・すごいな・・・」


 ノヴェンリーの様子を俺の横で見ていたウェクプルは腕を組みながら


「やるじゃんノヴェンリー。ま、さすがってところかな」


 と言った。二人は親友ポジだろうな。


 それに対してノヴェンリーは少し嬉しそうにしてた。

 そして次はウェクプルの番だ。

 ウェクプルは近接戦闘が得意って言ってたな。

 どんなレベルなんだろう。ノヴェンリーほどの才は持たなくてもすごい腕ではあるだろう。

 だが近くにモンスターもいないし・・・あっ!そうだ!


「ウェクプル、あくまで提案なんだが・・・俺と力試ししないか?」


 それが一番ウェクプルの力を理解しやすい。自分で考えたことながらいい案だ。


「え、えっと貴方と腕試し・・・ですか?」


 俺は首を縦にふった。


「わかりました・・・できるだけ頑張ってみます・・・」


 そうしてウェクプルと俺は拠点前の、元大木前で戦闘準備を始めた。

なんていうんですかね。ゆっくりと、時間がある時に進めるようにしてるんですけど、書きながらたまに前の話とか読んでみるとほんとに自分って初心者だなぁとか、読む気がしねぇなぁとか思ったりします。

まぁ原因は多分普通なら戦闘シーンやら戦闘前の話やらは長くするんですけど自分のやつ、めちゃ短いんですよね。こういう挿絵とかがない小説って大体頭の中で想像するじゃないですか。有名な小説だったり、有名でなくともすごい物語とかは想像でも「すげー」ってなるんですけど、自分のはそこが短いので「ン!?」ってなるんですよね。まぁ何が言いたいかといいますと、頑張って長くします。ボリュームをでかくします。ビッグにします。・・・長い後書き失礼しました。

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