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AI画像で週末のアリバイ作り部-小説版- せんべい-挿絵入り-

作者: 研晋三

※この物語はフィクションです。

人物・団体・宗教・名称等は架空であり実在のものとは関係ありません。

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AIの世界を旅する僧健次は今日も新たな冒険に出かけた。

彼はAIイラストの世界に入り込むことで様々な時代や場所を体験することができるのだ。

彼は自分の好きなテーマを選びAIが生成したイラストを見ながら物語を紡いでいく。

今日のテーマは「せんべい」だ。


健次は現代の日本に辿り着いた。

どうやらここは煎餅でお馴染みのサイタマ県ソウカ市のようだ。


健次はすでにこの世界を体験していた。

この街で行われる珍しいお祭りに健次は毎年参加しているのだ。


電車を降り駅を出るとすでに大勢の人でごった返していた。

挿絵(By みてみん)

近年はリベラルのイメージが強いソウカ市では多種多様な人種・文化で溢れている。

市の名前からも分かるように人口の大半は僧である。

僧を加えると書いて僧加市、僧の人口比率はすでに8割を超えているらしい。

伝統を守る保守的なイメージの強い僧だが実際は違うようだ。

時代に柔軟に対応してきたからこそ僧は現代もしぶとく生き残っているのであろう。


旅に出ればお腹は減るもの、そこで健次はSNS映えすると話題の生せんべいを頂くことにした。

※「生せんべい」とはもち米の代わりにうるち米を蒸して握ったおはぎのような物である。

挿絵(By みてみん)


シンプルな生せんべい。

挿絵(By みてみん)

ずんだあんが練りこまれたもの、健次のお気に入りだ。

挿絵(By みてみん)

清涼感のあるまるで上生菓子のような翡翠生せんべい。

挿絵(By みてみん)

チョコミントアイスのような見た目でずっしり重い生せんべい。

挿絵(By みてみん)

お米なので一つ一つがお腹に溜まる……しかしSNS用に多めに頼んでしまうのは仕方のないことである。


挿絵(By みてみん)

こちらはお土産用の生せんべい(干)。

生せんべいを干して保存性を高めてある珍しい一品だ。

しかし歴史はこちらのほうが古く、僧が修行の旅に出るときに地域の住民が総出で作る習わしがあるそうだ。

若者たちの間ではカラフルな色合いからゲーミング生せんべいと呼ばれているらしい。

挿絵(By みてみん)

味の方は色に関係なくうるち米を蒸して干しただけの素朴な味わいそのものである。


お祭りが開始されるまでまだ時間があるようだ。

健次は腹ごなしがてら街を散策することにした。

少し歩くと煎餅には欠かせない造り醤油屋から醤油のいい香りが漂ってきた。

挿絵(By みてみん)


お腹は一杯でもそろそろ固いせんべいが恋しいものである。


どこのお店も最近流行りの巨大看板・マスコットがお出迎えしてくれる。

歴史があるようで無いことに健次は惹かれていた。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


店の軒先には祭りで使う巨大せんべいが鎮座していた。

祭りの準備はすでに万端のようだ。

挿絵(By みてみん)


健次は固い煎餅を齧りながら街を散策していると、突然爆音とともにポン菓子が降ってきた、祭り開始の合図だ。

挿絵(By みてみん)


このお祭りは僧が巨大なせんべいを投げるだけの奇祭である。

僧が投げたせんべいを食べると一年間病気をしないという言い伝えがあるそうだ。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


残念ながら巨大なせんべいのため素人がキャッチすることは難しい。

僧が投げる度に砕ける破片をキャッチするのが正しいお祭りの作法だ。


楽しかったお祭りも終わり、あたりを見合わすと大量の砕けたせんべいが散乱していた。

しかし地面に落ちたせんべいも当然無駄にはできない。

後日住民が掃除・回収をして托鉢する僧に還元するのである。

これが可能なのも街の人口の大半が僧であるこの街特有のものなのだろう。

何を食っても僧々くたばらないといわれるだけあって食中毒で死んだ僧の話は健次も聞いたことがなかった。


健次は大量のせんべいをお土産に帰路に就いた。

しかし現実世界に戻った健次の手元には何も残っていない。

少し寂しさを感じるものの、健次の心は満たされていた。

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