2文字しりとりをする、女と男
※これはしりとり小説です。前の会話のお尻2文字
を頭に取って会話をしています。
短い作品を2本続けて、どうぞ。
①『しりとりする女と男』
ホテルの一室。
室内にはベッドに座り化粧を直す女が居。
会社帰りのようにネクタイを締め直す男。
どこか退屈そうに女はそれを口走り…
女「しりとりしよ?」
男「しよ、って今何時だと思っとる?」
女「とるに足らないわよそんなこと」
男「こどもみたいな事をどうして言うんだか…」
女「だからなによ?」
男「にょうぼが飯つくって待ってんだよ」
女「たよってくれって言ったのはあなたじゃない」
男「ないしょの関係なんだから」
女「からだが目的だったわけ?」
男「わけ分からない事言わないでくれ」
女「クレジットカードを置いて行くのなら良いわ」
男「いわせておけばこのシリガル!」
女「かるがるしく触らないで!」
男「いてぇな!このぶす!」
ブスッ
・・・
女「ずっとこのままふたりよ……」
(了)
②『しりとりする妻と夫』
妻「しりとりしません?」
夫「せんといかん?」
妻「かんじんなのは気持ちでしょ?」
夫「しようがしまいが俺のかってだ」
妻「でたでた、また怒ってらっしゃる」
夫「やる気がないんだからしょうがないさ」
妻「いささか冷たくないかしら」
夫「しらん!」
妻「らんぼうな言いかた」
夫「ガタガタうるさい!」
妻「さいあくね、離婚よ、リ・コ・ン!」
夫「こんな嫁はいらん出てけ!」
妻「でけぇ口叩くんじゃないわよこのハゲ!」
夫「ハゲは、言いすぎだ、、」
妻「きたねえハゲオヤジじゃねえかどう見ても」
夫「でも、、」
妻「でももへったくれもねーんだよ」
夫「だよな、、、俺が悪かった、すまない!」
妻「…………ないて謝るのでしたら始めから
そうして下さいまし」
夫「マジでごめん」
妻「めんどうなひと」
夫「ひどい夫だがこれからも一緒にいてくれ」
妻「くれぐれも偉そうな口をきかないで」
夫「いてくれるなら何でもします」
妻「まずはしりとりをしましょ?」
夫「しょうちしました、あなた様こそ我が
生涯のはんりょ」
(了)