小生から小説が消失したなら
【小説なら超絶に饒舌に終日詳述する小生から「しようせつ」を消失させたなら、どうなってしまうのだろう。】
孤独なだけの休みの日をいかに乗り越えればいい。
眠れぬ夜をいかに慰めたらいいのか。
嫌々ではあるが、毎晩夢で神様が命ずるのだ。やる価値は多分ある。
こんな非文学的な試みもたまには悪くない。
だが、それではもはや異なる人間になると思われる。
まず、固くて気取り気味な己に対する言い方を改めねばならん。
「俺」ではやや不遜だから、「僕」と言えばいいかな。
控えめな雰囲気になるのかも。
それから言葉数を減らさねばならない。
べらべら話すのはやめだ。僕の言いたい事を削れば簡単にできる。
こと細かに話すのもやめるべきか。
他人はそこまで細部を聞きたくはないんだろな。粗くポイントをおさえれば、たいてい分かるんだ。
ああ、長々と丸一日かけて話す悪癖はガチでやめないと……。
相手側の身になれば迷惑きわまりないわな。気持ちいいのは僕だけなんだろなぁ。
あとは大げさな言い方もやめる。
目立ちたいからと、盛るのは逆にマヌケに見えるんだと、今なら理解できるさ。
さて、本を見れないとなると家にいても暇になるなぁ……。
あ、ひらめいた。
誘われていた飲み会にでも顔を出すか。
お?
ふふふ。
なんだか友達が増えるのではと思えてきたゾ♪
ははは。こんな僕も、まあ、悪くない。
たまには慣れないことをするのもいいもんだ。
(お・まい)
せいぜい少々要所要所がちょっとづつ伝わったら全然上々でしょう。