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第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

謎解きはお味噌汁を作る間に ~部長だって失敗する?~

作者: 黒銘菓

 なろうラジオのラジオ番組で取り上げて頂いたお便りを基に作りました。

 シリーズ短編(一話完結)なので、他にも投稿する予定です。良ければそちらもご覧下さい。

 感想、評価、レビュー、ブクマ、宣伝お願いします。

 下野さんの婆ちゃんボイスを聞きたい。(我欲)

 「千夏、おはよう。」

 私が五時半に起きると、婆ちゃんはもう食卓に座っていた。

 「婆ちゃん早い!直ぐ作るね。」

 制服の上にエプロンを付けて、朝の支度をする。

 ご飯やおかずはもう出来てる。あとはお味噌汁だけ。

 『朝ごはんのおかずとご飯は婆が、お味噌汁は交替で作る。』

 それがウチのルールだ。


 お湯を沸かしてその中に出汁の粉末を入れる。

 ウチにはお味噌汁以外にもう一つ、ルールがある。

 「この前食べた冬瓜の炊きもの作った料理部の部長、最近何時も焦げ臭いの。理由を訊いたら、『家だと何故か料理が焦げるんだ。』って言ってた。何でだろ?」

 『お味噌汁を作りながら婆ちゃんに気になったこと、不思議なことを話す』というものだ。

 「んー?あの冬瓜の子が部長かい?料理上手だっただろ?」

 「物凄い出来る。イケメンで、綺麗好きで、勉強出来る。一人暮らしで料理が旨い。」

 出汁に油抜きした油揚を入れる。

 「部長の写真、有るかい?」

 「あるよ。婆ちゃんスマホは使える?」

 料理を中断して婆ちゃんに写真を見せる。

 「こんなもん、昔の同僚が使ってた奴に比べたら玩具さ。あー、左から3番目の子だね?ったくしょうがない。」

 手馴れた様子でズームして、集合写真に写る部長を言い当てた。婆ちゃん、顔知らないはずなのに。

 「何で解るの?凄い。」

 手を洗った後で豆腐を切りながら訳を訊く。

 「この子、手が黄色っぽいし歯が異様に汚いのさ。こりゃぁ多分タバコ。

 ったく、料理上手が料理で焦がしたなんて苦しい言い訳を。」

 「えっ、タバコ?」

 透き通る出汁に味噌を溶かし入れながら信じられない言葉を聞いた。

 「タバコ吸って煙臭い。ヤニで歯が汚い。指先がヤニで汚れる。よくある話さ。

 あれだけの冬瓜を炊けるなら、自分家(じぶんち)だけ失敗する訳無いだろ?千夏に訊かれて動揺して、苦しい言い訳したのさ。

 綺麗好きでこの(ザマ)じゃ、相当吸ってるね。はぁ…死ぬ前になんとかせにゃ…。」

 そう言って固定電話で誰かに連絡した。

 「あぁ、署長出しとくれ………小山田!ウチの孫の学校で喫煙防止教室やんな!大至急だ。さもなきゃアンタの秘密ばらすからね!」

 早朝に超一方的に話をして、電話を切って、何事も無かった顔をして座り直した。

 「一人暮らしで誰も止める奴が居ないんだろうね。ったく…あと数年くらい禁煙しなさいな。」

 こうして、私の作ったお味噌汁を飲みながら、元警視総監、元名探偵のウチのお婆ちゃんは謎解きを終えた。

 『え?これ某有名な小説っぽくない?』と取り上げて頂いた番組のパーソナリティーお二方から言われましたが弁解をさせて下さい。

 『味噌汁』というワードを頭の中で捏ねていたら『お婆ちゃん』というイメージが浮かび、お婆ちゃんがミス・マープルに繋がり、味噌汁と推理が合体した結果本作に成りました。


 某『EastRiverTOKUYA』さんの『ディナーのあとで』行われる『謎解きは』関係御座いません。

 パクる気は有りませんでした。指摘されてやっとそれに気付きました。

 ただ、かの名作を読んだ事はあったので、もしかしたら無意識の内にそちらに引き摺られた可能性は御座います。もし無意識下で行われていたとしたら、申し訳有りません。

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