第七話 あれからとんで
僕は8歳になった。8歳は冒険者として登録できる年だ。
転生したと思えてから親に捨てられ、なんだかんだとあっという間にこの年まで成長していた。
あれから僕たち家族は北に移動した。ここまで移動する間に僕が得た知識によると、この世界はいくつか国があり、現在の僕たちはサーシン王国に滞在している。
そのサーシン王国の街の中でも重要な都市、王都と呼ぶのが適切なのだろうが、首都サーシンに拠点を移し生活していた。
首都なのに国の中心地にあるわけではなく、北の海に近い位置にできた街。
予想だが、敵国に攻め込まれた時に一気に攻め込まれないようにしたと勝手に思っている。
僕をここまで育ててくれた両親の職業は冒険者だ。
安定して収入を得る職業ではないが、旅をしたり拠点を移しても稼ぐ方法がある。
冒険者にもランクがあるが、Cランクの冒険者夫婦の収入は十分で、僕の生活もまったく困窮した記憶もなく、すくすくと成長できたと感じている。
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僕は考えたり感じたり、動くことが出来るようになったりする節目節目で鍛えていた。
初めは自主トレだけだったが、ある程度自由自在に動けるようになってからは両親にも鍛えてもらっている。
もちろん体が動かない時に魔力を動かす練習もしたし、魔力が増えることを祈りながら一日で多くの魔力を消費した。
自分で魔力を消費しながら周囲の魔素に干渉する技術も得て、省エネで魔法を唱えることが出来ている。
詠唱だって初めは恥ずかしながらも口にした。
『我が魔力よ集まりてこの世界の魔素を操れ 僕の魔力はこの世界のため この世界の魔素は僕が掌握する 熱よ放出しろ 火の玉』
なんて一度口にして二度と口にしなくてもいいように無詠唱を覚えた。
魔法名は口にするが、詠唱は出来る限りしないことに決めている。
そんな決意を心に秘めながら今日も母様と特訓をしていた。
「ラウール!今日こそは負けないわよ!」
母であるララがメイスを構えながら向かってくる。
その勢いは流石のCランク冒険者で、いつまでも若々しい女神のような母様が笑顔で攻撃してくる。
メイスを振るその姿は微笑みの女神と言って良いだろう。
小さな子供にメイスを振るっていることを除けば...。
その攻撃に僕は魔法で対抗する。
まだ力に力で向かって勝っても不自然だからだ。
「母様! 僕も負けないよ! 炎の槍!」
走っている母ララに勢いよく炎の槍が迫るが、母様も負けてはいない。
母ララは走っている勢いを殺さずに目の前に防御結界を展開する。
『私を守って魔法の盾 結界!』
そして僕との距離を一気に埋めて来る。
しかし今の僕はそれでも攻撃の手を緩めない。
ただ、母様にけがをさせる気もない。
「負けませんよ! 聖なる槍...。岩の盾! 氷の雨! 最後に母様大丈夫? 傷よ治れ 回復!!!」
締めの魔法は母様についた傷を治すものだ。
流石の母様も攻撃を止めた。
「はあ、はあ、ふう~。」
服が汚れることも気にせず、地面に母様が横たわる。
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「今日も負けたわ・・。もう私が教えることはないようね、成長したわねラウール。」
体を起こし母様が遠い目をして話しかけてくる。
その隣から父様も声をかけて来る。
「もう俺たちではラウールに勝てなくなったな。流石は自慢の息子だよお前は。だがもうしばらくは俺たちと一緒に冒険者としてやってこう。しかし信頼できる人が出来たら、その人と一緒に冒険者活動をすることは俺たちは止めないから遠慮なく話してくれ。冒険者だけではない。他にもやりたいことがある場合は遠慮なく言ってくるんだぞ。」
父様はそう言って笑いかけ、母様も隣で微笑んでいる。
「わかってるよ父様! これからもしばらくはよろしく! 今は家族で冒険者でも楽しいですよ! 僕は父様と母様に憧れているから、今は冒険者にあることしか考えていないよ!」
僕も両親に笑顔を向ける。
「そう言ってもらえると父としてもありがたいよ。あっという間に強さは俺達を超えてしまったんだから。あとは経験を重ねたら、俺たち以上の冒険者になれるぞ。」
父様は遠い目をして話をしてくる。これまでいろいろなことがあったけど、僕たち家族は本当の家族になっている。父様、母様と呼び方は他人のようだが、僕達はこの呼び方が家族のあかしと思っている。本当の自分を出したときに自然に出た言葉だったから・・・・。いずれ語ることもあるかもしれないから、この話はいずれ・・・・。
僕たちはこれからもしばらく一緒に過ごしていく。
やるべきことが出来るまで・・・・・・。
そんなことを考えながら僕の今のステータスを確認した。
ステータス
名前:ラウール
職業:子供
LV:22
HP:68
MP:231
体:66
心:311
運:90
ユニークスキル:すくすく育つ・看る
スキル:解析・武の心・魔の心・アイテムボックスX・全魔法適性・魔素操作・詠唱破棄・鈍器適性
加護:???神の加護
称号:地球人・心は中年・???神が見てる人・両親への信頼・両親からの信愛
魔力を上手く使っているから、体の強さも増すことが出来ている。
数値以上に体の強さも並みの大人ではかなわない状態だ。
魔力が強いのは予想以上にチートだった。