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第四十八話 テンプレと出会いと

前話を途中投稿していました。

四千文字程度ありますので短かったと思われた方は見直しをお願いします。

僕は宿に戻り二人と合流した。

そして先ほどの出来事を細かに説明し、指輪を見せた。



「首相がね~。ま~僕が貴族の息子っていう情報は、その筋の人しかつかめないな。冒険者ギルドでも話してないしな。」


そうクロースは言ったが何か怒っている感じもする。


「頼むから一人でやらないでくれ・・・。さすがに後で聞くとドキッとするぞ。ここまで一緒に過ごしてるから、パーティーメンバーとまでは言わないが、友達と思ってるんだからな。」


ちょっと顔を赤くして僕に向かって話した。


「そうですよラウール。私も友達だと思ってるんですから。さすがにまだパーティーメンバーと胸を張って言えるほど強くはないですけど・・。」



二人に怒られてしまった。それでも友達と言ってもらえたのは嬉しい。



「ごめんね二人とも。僕も二人は友達と思ってるよ、って思っていいよね。」



「「もちろん!!」」



「じゃあ、僕は友達に害が及ばないように行動したんだ。一人のほうがなんとかできると思って。でも、友達なら説明はするべきだった。ごめん!!」


そういいながらも僕は二人に謝った。



「もういいよ。無事に戻ってきたんだから。」



そう、今日三人は本当の友達になった。このままパーティーを組むかは別にして。



~~~~~



さすがにその後は疲れていたから何処にもよらず宿に戻り、次の日になってから冒険者ギルドへ向かった。


ふいに襲われる危険性はおそらくなくなったことで、次は自分のランクアップを目標に活動しようと僕は考えていた。



冒険者ギルドに入り、ランクアップに向けて依頼票を確認していた。



そしてその時、後ろが少しざわついてきた。



『おいおい、冒険者ギルドはお嬢ちゃんみたいなのが登録するところでないぞ!』



『テンプレキター! 初めてのギルド登録・・。そこで絡まれる可憐な少女・・。これぞテンプレ。』



『何訳の分からないことを言ってんだ!! Dランクの俺を馬鹿にしてるのか!!』



『Dランク・・、微妙なランク。そこで決闘を挑まれ無双する私・・・。』



そこには黒髪の、そう黒髪のまるで日本人といった少女が立っていた。


今の僕と同じくらいの年か? 百六十センチくらい? 太くも細くもない体。顔もおとなしめの顔で、まるでコケシのような顔。しかしここは異世界で、西洋に近い顔ばかり。違和感がありすぎる。そう、日本人だきっと。



『おい!けっと「ちょっと待って!」』



つい僕は声をかけてしまった。普段ならこんな絡み方をする冒険者はいない。フイエウの冒険者ギルドは僕にも優しいところだ。この絡んだ冒険者はよそ者か?



「えーと、僕はラウール。Bランクです。あなた達は見たことがありませんが、どちら様ですか?」


そう威圧を混ぜて自己紹介した。



目の前の男は震えだした。


「いえどち・・ら様・・で・もあ・・りません・・・・・。」


と訳の分からない言葉を発し、外に向かって走っていった。


周りの冒険者は反応した。


「ラウールかっこいー!」


「ラウール口説いてるのか!」


「この!色気づきやがって!!」


とからかうような表情をして声をかけてきた。



「そうじゃありませんよ。この子が絡まれているから助けたくてですね・・。もーう!」


と周りに言い返した。



そしてあっけにとられた女の子は少しポカーンとしたが、ラウールに話しかけてきた。


「初めまして!サクラと言います。今日は冒険者登録に来ました。優しい少年!私に少し冒険者ギルドについて教えてくれない?」


何事もなかったかのように、サクラと言う女の子は元気に話しかけてきた。



僕は少しその言葉に戸惑ったが、このままにしておくのも心配だ。


「いいですよ。じゃあ登録する間は一緒にいますね。」


そのままにしておけない気分になり、見届けようと思った。



「ありがとう。じゃあ一緒に行きましょ。」


サクラと言った女の子と一緒に受付に向かった。


受付に着いてからの冒険者登録はスムーズだった。サクラは推薦もなく、今まで戦いらしい戦いもしたことがなかったようだ。十四歳という年齢だから、Fランクから開始となっていた。


冒険者のプレートを受け取ったサクラに少し聞きたいこともあり、冒険者ギルド内のテーブルに向かった。そこでサクラが今日は何も食べていないと言ったため、食事をおごった。




目の前には食事をしているサクラがいる。


この世界で日本人顔・・・目立つ。



「じゃあ、もう一度自己紹介するけど、僕はラウール。こっちの二人は友達のクロースとクリス。僕はBランクで、この二人はCランクね。元々はサーシン王国で暮らしていたけど、旅をしているからフイエウ共和国に渡ってきた。今日は僕に丁度良い依頼がないか確認しに来たんだ。君は?」



目の前で肉にかぶりつきながらサクラは答えた。


「私はスズ・・、サクラです。小さな村にいたんだけど、ちょっとその村にはいられなくなって、大きな街に向かって来たらここだった。フイエウ? 門番さんが言ってた気がする。今日はテンプ・・んっ・・冒険者に登録しようと思って来ました。門番さんも、身分証を持っておいたほうがいいっていうから、テン・・っ・・他のギルドよりは冒険者がいいと思って。」



ちょっと・・・、転生者?転移者?・・この子がもしかして繁栄をもたらすかもしれないと言われた誰かかな? 何か前世の知識チートとか言いそうだものね・・・。



「そうなんだ。ちなみに僕は十四歳だけど、サクラさんは?」



「私はさんじゅう・・・、十四歳。同じ年だから、サクラでいいよ!」



おい!三十何歳って言いそうだったろ・・・。一応僕より年下・・・。どっちだ?転生して成長?転移して拾われて記憶喪失?



「そうなんだ。じゃあサクラって呼ぶね。サクラは冒険者になって何がしたいの?」



肉を口にして、パンにかぶりつこうとしていた。


「私は冒険者になって、ランクより強い魔物を倒して言われたい言葉があるの。何と・・Aランクの魔物を倒してしまうとは・・。あなたは明日からAランクですおめでとう。そこにギルマスが現れて、この娘が今回飛び級したのか・・。まだ幼い子供でないか・・。本当に実力があるか試してやるって言われたところで威圧を飛ばして・・。参った、お前は俺より強い・・って言われたくてここに来たんだ。」



頭痛が痛い・・・。



「それでそれで、私TUEEE~って言いたい!」



ん~布団が吹っ飛んだってどこかの○○様に弟子入りしたほうがいいんじゃ・・・。


そうじゃなく、とてつもなく心配だ。



僕は転生者っていうのは見た目ではわからないし、どこかで言葉のぼろを出さなければ、ばれないが。


サクラが日本人だと確信してたけど、危ないな。



「じゃあ、元々居た所で修行とかしてたんですか?もしくは生まれ故郷では何か伝えられるものがあるとか?強いんですか?」



今度はスープに取り掛かっているサクラ。


「広島に・・・。小さな町で、ヒロシマっているところに住んでいました。特に何っていうのはないんですが、がっこ・・訓練してもらっていました。剣も竹刀を振っていたから、多分大丈夫。強い強い!」



・・・・広島出身の、すずき?サクラさん。学生の時は剣道をしていた。運動部か道場に行っていたから実力はあるっていう事か?元の年齢は30歳過ぎ?



そこでクロースも気になったようだ。


「シナイって武器は何のことだ。君がいた地域の特殊な武器?」



そう聞かれたサクラはちょっと考えた様子だ。


「この世界にはないのか・・・」


小声だけど聞こえてますよサクラさん。僕はは突っ込みたくなった。



「やわらかい木でできた武器です。意外に強いんですよ?どこかで見かけますよきっと・・・。」



おーと、サクラが返事を投げたよ・・・。



「サクラ、ちょっと待っててね。」



そういって僕はクロースとクリスに相談を持ちかけた。


ちょっと心配すぎるから、少し冒険者ランクが上がるまで面倒を見たい事。それまで、一緒に依頼を受けるか、クロースとクリスと別行動をとりたい事。もちろんサクラが了承したらと言う条件で。


二人は一緒に行動することを了承してくれた。この二人も心配だったようだ。



「ねえサクラ。しばらく僕たちと一緒に依頼を受けない?少しは僕たちもここで名前を知られるようになってきたし。君が心配なんだよね。」



そういうとサクラは胸の前で手を組んだ。


「私の体が目当て・・・、なんていいの?私はまだ登録したてだけど。」



オイオイ・・・体はいりませんよ・・・。


「ほんっっぅとうに心配で。どこかの悪い人について行きそうだから。せめて冒険者の先輩として、同い年として一人で冒険に出ても大丈夫と思えるくらいまでは面倒を見るよ。」



じーとラウールを見ながら、真剣な表情をしてサクラは考えている様子だった。


・・・・・・・・


・・・・・・・



「お願いしていいかな?ちょっと不安だったんだ。あなたたちはいい人そうだし・・・。お願いします。」



意外に真剣に返してきたなと思いながら僕はは返事をした。


「じゃあよろしく。この後に少し今後のことを相談しよう。」



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