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第四十七話 ボブルンと黒ローブと

途中で投稿してしまい修正しました

街の外周を歩き出して間もなく、正面から汗を流し走ってくるボブルンさんが見えた。



僕はようやく見つけることが出来て嬉しくなり叫んだ。


「おーい!ボブルンさーん! ラウールで~す! 聞きたいことがあります!」



近くまで来て歩き出したボブルンさんは、僕のの前で止まった。


「どうしたラウール?俺に聞きたいことって?また【門番情報】か?」



「【門番情報】っていうか、ちょっと聞いてみたいことがあって? 今ここで聞いてもいいですか?」



ボブルンは少し考えている。


「そうだな、この辺はあまり人が来る場所ではないから、もし内緒話ならちょうどいいが。」



「なぜ内緒話と?」


ラ僕は実はボブルンさんは黒ローブ側だったのかと警戒した。



「なぜって?ここまで来てまで聞きたことだろ?急ぎで俺を指名してって、何か事情があるのでは?」



話が早くていい。


「そうなんです。はっきりと言えないことはありますが、いくつか聞きたいことがあるので・・。いいですか?」



ボブルンの返事は躊躇うことがなかった。


「いいよ。教えることが出来るものは教えるよ。」



それを聞いたラウールは質問をしていった。最近物騒な事件は起きていないか?偉い人絡みで、事件や事件が起きそうと言った情報はないか?共和国の歴史に詳しくないので、急に繁栄したことがないか?魔法と違う力って何かあるのか?そう聞いてみた。



するとボブルンさんは全てに答えてくれた。



僕たちが討伐した盗賊だが、もしかしたらこの街に向かっていた伝令を殺した可能性があること。しかし確定ではないから、国からもまだ僕達に何も言ってこないのではないか。伝令が何であったのかはわからない。


この街の偉い人絡みでは、首相の子供の誘拐計画が立っていた。しかしすでに防がれた。その他は、お金絡みの不正があり処罰された者がいたこと。


事件は毎日何かしら起きているので、『これについて聞きたい』と言ってもらえないと答えられないということ事だ。



そして、ボブルンさんは共和国の事を話し出した。


「繁栄と聞いてすぐに頭に浮かぶのは、この国の歴史で習う内容だ。今は他の国にも伝わっているが、井戸から水を汲むときにはどうする?」



そう聞かれた時クロースは直ぐに答えることが出来ていた。


「ポンプを使う。手で動かすものや、今では魔道具になった物もあるな。」



それを聞き笑顔で頷いたボブルンさん。



「そう。それは共和国から伝わったものだ。今まで苦労していたものを、魔法が使えなくても楽にすることが出来た。そして、下水道でスライムが汚いものを処理すること。これも共和国から伝わっていったはずだ。そしてそのおかげで原因不明で死んでいた人間が減っていったことも。」



ハッとした表情をするクリス。


「それです!学校で聞いた話は! 共和国から伝わったもので、他の国にも恩恵をもたらした者がいる。その人物はいつの間にか共和国で重要な役割を受け持っていた。そしていつの間にかいなくなった。その人物が残した技術で共和国はより良い国となった。それを学校で聞いたんでした。」



ボブルンさんは満足そうに頷いた。


「そう。いつの間にか現れ、いつの間にか消えた人物。謎の力を示して国にお金を人には死ににくくなる方法を、国が衰退する体制にならないような選挙方法を教えた。そしてその知識を示したことで、国民が元気に働くことが出来るようになった。しかしその人物はどこから来たのか分からなかった。」



僕は疑問があり聞いてみた。


「じゃあ、繁栄させる人ってわかるもの? 何か特徴があって、この人はもしかしてって思われる何かがあるの?」



「ん~よく質問の意味が分からないが、繁栄をもたらしたからそう言われているだけで、この人ならってわかるものでないと思うよ。ただ残された文章では、その人物の口癖は残されているよ。」



更に続けてボブルンさんは話した。



「その人物はよく『ブツリガク』『テンプレ』『二ホンに帰りたい』などと言っていて、何のことか聞き返しても、よくわからない言葉が返ってきたということだ。そしてその人物がいなくなった時、二ホンに帰りたいと言っていた事から『二ホン』と言う街や町、村を探してみたが見つからなかったという。」



僕はその言葉を聞いて考えた。



テンプレキター! 日本に帰りたい・・。物理学と言うものだ。日本の知識で物理学などの知識を説明されても確かにわからないな。


そして、地球の技術の形跡があったのは僕より前にこの世界に渡ってきた人がいるってことだ。やはりか。神様も自分は僕を転生させたって言って、もしかしたら違う神が勇者を召喚するかもね?と言ってもいたしね。



うん、一人で納得した。



そしたら、この繁栄をもたらすかもしれないものっていうのは、どこかで物理学とかの知識を話す人がいた?それともどこかでテンプレきたー!とか叫んで、誰かが聞いていた?日本に帰りたいと言ってしまった?もしかして僕以外に今この時も転生者がいる?



ボブルンさんからはそのあとも少し情報をもらった。


そして僕は色々な思いが浮かんできた。


情報を整理するため、宿に戻ろうとしたラウール達だった。しかし門に近づいたところで、ラウールにだけ感じる威圧があった。



そこで僕は二人が危険な目に合わないように、先に宿にもどっていてほしいと伝えた。



不思議に思ったクロースとクリスだが、僕が用事が出来たという言葉で宿に向かって行った。



「さて、こっちの方角だな?」



そう呟いて走った、威圧を感じた方角に人の気配はない。誰の気配も感じないという事は、昨日の黒ローブがいる可能性が高い。


あいつと向かい合うには、一人で向かったほうがどうにかできる可能性が高いと思っている。本気も出せるから。


そう思いながら、威圧が発せられたと思われる場所へ到着した。



「お呼びですか?」


誰もいないところに声をかけると、目の前に黒いローブを着た人物が現れた。



「こんにちはラウール君。伯爵の三男のクロース君と、護衛のクリスさんは来なかったのかい?」



目の前の黒いローブの人物が話し出した。顔は見えないし声で男女の判断もつかない。


「こんにちは。昨日ぶりですか?今日はどんなご用件で?」



すると目の前の黒いローブの人物は両手を頭の上に上げた。


「昨日はすまなかった。私も焦っていたものでね。もう少しでサーシン王国を怒らせるところだったよ。ラウール君は殺してもいいだろうけど、クロース君を殺した場合は問題になっていたね。」



「人を殺してもいいっていうのは聞き捨てならないね。今日こそ最後まで戦う?今日は周りに誰もいないから、僕も本気を出せるよ?」



そう殺気を飛ばしたラウールに向かって、黒いローブの人物は言った。


「ごめんね。そんなつもりはないよ。ほら、この紋章と、この手紙を見て。」


そう言って手をゆっくりと懐に入れて手紙を取り出し、ラウールに向かって飛ばしてきた。


攻撃されないかと警戒しながらも、手紙を受け取った僕は紋章から確認した。


そして油断しないよう、手紙を読んだ。


『ラウール君へ


この手紙を読んでいるという事は、目の前に立っている人物がいるはずだ。その人物には私、バルモート・バビリスが直接依頼している。先日は失礼した。物を取り返すことが出来たなら、犯罪者でない者には危害は加えないように話しておいた。しかし、焦っていたようだ。


今回はこの手紙をもって、君が持っている手紙と指輪、ナイフを返還してもらいたい。その後君に危害は加えることがないことを約束しよう。そして何か困ったことがあった時には、このバルモートが協力することを約束する。同封した指輪をもって証明とする。隣国の貴族ともめるのは私も御免だ。


フイエウ国首相 バルモート・バビリス 印』



・・・・・首相?・・本当に・・・。本当なら、偉い人とのつながりなんていらない・・・。



「どうだラウール君。納得してくれたかな?そしてこれが私が示す証拠です。」


そういって、指輪2個と銀のナイフ1本をこちらに向けた。盗賊が持っていたものと一緒だ。



「これが証。送る人と受け取る人が同じものを持つ。相手が証明できなければ、送られても元の持ち主に戻っていく。そして今回は届きもせず、送り返されもしなかったため調査に出たところでラウール君が持っていることが判明したから、目の前に現れたんだ。これで堂々と盗賊が指輪とナイフを見せて、手紙を届けても届くから欠陥証明方法なんだけどね。」



「だったらお互いの証明方法を変えましょうよ~。そしてなぜ今回は盗賊の手に?」



「それは・・・。伝令役も強いのだが、魔物の集団に襲われた後にすぐ盗賊に出会ってしまって、運悪く殺されてしまったようだ。そしてマジックボックスに入れていたために、マジックボックス目的で持ち去られてしまったようだ。」



ん~ここまで言われたら信じておこうかな。もし騙されても、僕がお人よしだったっていう事で・・・。


「わかりました。このマジックボックスはお渡しします。」


そういって黒いローブの人物に投げつけた。


「手紙と指輪と、ナイフだけでいいよ。」



そういってマジックボックスは投げ返してきた。


「じゃあ迷惑料にもらっておきます。」



なんとなく力が抜けた雰囲気が伝わって来た。


「じゃあ行くね。手紙の中身を見たと思うけど、一応他言しないでね・・・。じゃあまたいつか!」


そういって目の前の人物が消えていった。



どんな原理なんだろう?スキル?魔道具?魔法?


まだまだ知らないことがあるな~と思いながら、持っていたくない指輪をもって街へ戻るラウールだった。


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