第四話 新たなる生をが転じる
んっ・・・今の僕は？・・・
ん～～～～～～
生きてるねきっと・・・
何か落とされる感覚があってから時間がたっている気がする。
ハッキリした記憶が余り無い時間を過ぎ、ようやく今、考え事をしている。
そんなことを一人で考えていると、女の人の声が聞こえる・・。
「ラウール！ラウール！ ふふふ、ふ～」
なんだ急に声が聞こえた。僕の事か？ラウールって聞こえたけど、僕の名は、ラウール？
ここはどこかわからないけど、言葉がわかる。見えているこの女の人も人間！
とりあえずは人間だね。
後は文明だが、地球なら三つ目はG生だ。
じっくりと辺りを見渡すと、ここは地球には見えない。
電化製品が見当たらないと言うか、テレビがない！
電話がない！
一番は蛍光灯がない！
これは決まりだろう、異世界だ。
流石にこれで何処か外国で田舎ということはないだろう。
「ラウール！ ママよ！」
ママって言ってる。そういうことは、僕の母親がこの人か？
って今の僕はどうなってるんだ？
耳は・・・聞こえる
言葉は・・・わかる
動けるかな？・・・んぅ・・無理だ
目は・・・あまりはっきりしないな
地球だと『とつきとうか』と言われているが、この感覚だと僕はどれくらいの生育段階だろう？
首は座っているな。
頭を動かせる。
四肢も動かせるな。
なんだったらハイハイ位ならできそうだ。
ん～、だけども直ぐに眠くなる。
ハッキリと認識出来る時間は少ないようだ。
・・・・・・・・・・・・・
その横では誰からも愛されそうな女が幸せそうに赤子を覗き込んでいた。
「やっと生まれた私の子。愛しの子。早くあの人にも見せてあげたい。早く帰ってこないかな、、、。パパって浮かれて、ラウールを落とさないかな？ 楽しみ・・・ZZZZ」
幸せすぎるからか、育児疲れか、女は眠ってしまった。
裕福ではない女が赤子を育てる。
これまで赤子を育てている時に一度も父親が出現していないことをまだラウールは知らない。
ハッキリと意識があるときに出向いていなかったと思われるかもしれないが、現実は産まれる瞬間から一度もラウールの前には姿を表していないのだった。
流石に疲れている女は眠りこけてしまった。
赤子から目は話したくないが、この女も疲れているのだった。
・・・・・・・・・・・・・
はっ僕も寝てた。
母親らしき女が規則正しい寝息を立てていると、僕も引き込まれて眠ってしまった。
流石に『とつきとうか』位だと、自分の意識を保つのは大変だと思っていると、何かの不意打ちがあった。
ピカ～～～～！!
ふぁ～！・・・・ まぶ・し・い！！
いきなりの光に僕の目の前はチカチカした。
まるで目の前に小さな火花が散っているように目を閉じても何かが舞っているようだ。
『よっ！ 生まれたね！ お誕生日おめでとう！ 無事にこの世界に生まれてうれしいよ。」
軽い感じで幼子の影がぼくに話しかけてきた。
この姿を僕は知っている気がする。
「えっ、神様？ だったかな～、なんかよく覚えてないんだけど、どういう事？この状況？」
目の前の靄に話しかけてみる。
『そうですよ、あなたたちが言う神だと思いますよ。そしてここは地球。」
地球と言われると、ここは単なる田舎と思えてくる。
「え～～～～～！！ じゃあ僕はこの後Gになるのか～～～！」
二分の一、五十パーセントの賭けに負けたのか？
『と言うのは冗談で、ここはシチランジンと言う世界ですよ。」
・・・・・・・
「うおい！びっくりだな！！おまえ、ここで冗談かますか～！・・・・って安心した・・・。」
つい口も悪くなってしまった。
『まーまー、オチツクノダヨ。キミハテンセイシタ。ヤクソクドオリチートガツイテイル。心の中で、ステータスと唱えてみて』
ステータスとは、あのステータスなのか？
一応はその言葉に従ってみる。
「なぜに片言・・・、唱てみる、ステータス。」
ステータス
名前：ラウール
職業：赤子
LV：１
HP：２
MP：１００
体：２
心：１００
運：９０
ユニークスキル：すくすく育つ・看る
スキル：解析・武の心・魔の心・アイテムボックスX
加護：？？？神の加護
称号：地球人・心は中年・？？？神が見てる人
こんな情報が頭に焼き付いた。
