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第百四十一話【破壊の鉄球】の結末

待ち合わせの時間まですることもなく、本屋によっていた。

気になる本は買っていく。


その本を持ち、一度外に出て椅子とテーブルを準備し、読書を開始した。


風が気持ちいい。

魔物が来ないように結界は張っている。


魔物が存在するなかでもピクニックを楽しみ、待ち合わせの冒険者ギルドに到着した。


冒険者ギルドに入ると、直ぐに受付の一人が走りだし、ウールが登場した。

ウールは僕たちを二階の部屋に案内し、ギルド職員がお茶を持ってきた。


僕たちはウールとお茶を飲みながら話をして、絡まれた相手に対抗した事だけは謝罪した。


ウールは僕たちに非はないとして、テザンの冒険者ギルドにも影響はないと言ってくれた。


しばらくは決闘の事を話し、勇者について話題が変わろうとするところで、ガイアが登場した。


僕たちはまだ呪いと言ったソフィアから話を聞いていない。同じ話を二度するのも面倒だろうと、今日一緒に聞くことにしていた。


ガイアは誰を連れて来るかと思ったらデーブンも現れた。デーブンにウール、司会進行したサンクリットの計四人を相手にしたら良いそうだ。


僕たちはそれぞれの位置に座り、ソフィアの話を聞き始めた。


「私は昔、あのような人族を見たことがあります。普段は温厚で攻撃的ではなかった人が、急に人が変わったように攻撃的になり、ひねくれる。その人も相手に攻撃を加えようとして思い通りにならなかったとき、震え始めました。そして私の目で見ると、周囲に黒い靄が見え始めました。」


黒い靄があの嫌な感じかな?


「黒い靄が充満してくると、近くにいた人も動きが止まり始めました。そして時間がたつにつれ他の人も人格が変わっていました。そこで困った他の人が、我々の仲間に助けを求めました。その時に行きついたのが浄化でした。皆さんもダンジョンで呪いの罠をご存じですよね?」



「僕はわかる。僕の両親も呪われているから……」


「その呪いもいずれ私が対処しましょう。今は話を続けます。その呪いに近い雰囲気を感じたと言っていました。しかし少し違うのは、伝染することでしょう。呪いは伝染しない。黒い靄は伝染する。広がるほど厄介なものになります。」


「俺の情報網には今のところ変になった人の報告はないな。」


「それは良かったです。これからももう少し気を付けていてください。話は戻りますが、この黒い靄は、悪神にあたる神のしもべがばらまいているのではないかと言われていました。人のなせる業でもなく、我々にもできません。そして人格まで変えて、伝染させることが出来る……。ダンジョンも神の仕業と言われていますが、呪いのようなものですから……」


「呪いは人ではかけることが出来ないの? 僕達みたいに魔法が得意でも?」


「おそらくはできるでしょう。しかし、伝染させるものは作り出せないと思います。」


そこでサンクリットが話に入ってきた。


「勇者を狙ったという事か? 勇者に伝染させることで、魔王を討ち滅ぼすことが出来ないようにする。もしくは勇者を魔王の陣営に引き込む……」


「そこまではわかりませんが、心の変化により、味方が敵に思うようになることもあるでしょう。」


「それではやはり今回の出来事は、只の騒ぎではなくなってくるぞ。勇者をすでに狙うものがいるのか? 悪神とは? 魔王とは? 我々の敵は神なのか?」


「少し違うかもしれません。あくまでも我々の敵は魔王。魔王は悪神から加護を受けて強くなっているでしょう。しかし我々が神から受ける恩恵と一緒で、過去にも実際に悪神が直接介入したという事は伝えられていません。」


「言い伝えがあるのか……。そしてその知識は、ハイエルフ……」


「ごめんなさいねラウール。私の種族が分かるような話をしてしまって。それでも伝えておいた方がよいのです。」


「――僕たちは気にしないよ。」


「ありがとうございます。私たち――ハイエルフが住む里には言い伝えが残っています。実際に皆さんより長寿ですから、言い伝えの量も膨大です。その中にも神のいたずらと言われるものはありますが、力の行使は一度もないようです。」


「そうか……。神にはかなわぬからな……。しかし目標は魔王討伐で良いのだな?」


「それでよろしいかと。魔王の出現に周期があるのも、悪神が魔王に力を与えることが出来るように、力を蓄える期間があると考えられています。ですから魔王の出現がそうそうないのです。」


「わかった。ありがとうソフィアよ。我々テザン皇国は君の正体を公言することはないことを保証しよう。怒らせたら怖いしな。そして黒猫よ、迷惑をかけた、済まぬ。」


「僕たちはダイジョブですよ。勇者には怖がられたと思いますが……」


「ところがな、あの戦闘で圧倒的な強さを見せたからか、黒猫と一緒に旅に出たいと言う者もいるのだ。」


「へ~、変わってるね? 僕たちはセツナ以外は一緒に旅をしないと思っていたんだけどね。」


「そこで黒猫にはお願いがある。しばらくはテザン皇国に留まってくれないか? テザン皇国に一時的に拠点を置き、希望する勇者を鍛えてほしい。幸い、決闘騒ぎで他の冒険者と話をする機会があった。他の冒険者も急いで旅をする必要もないので、テザン皇国に滞在することは同意してくれている。そこに黒猫も加わり、旅に出る時に改めて勇者様に一緒に行く人を決めてもらおうと予定を変更したい。」


その提案を聞いて僕たちは話し合いを持った。

僕たちも急いで旅をする必要もないので、勇者を鍛えるのも面白いかと思った。

勇者の年齢も、今の僕とサクラとの一緒で十八歳。

勇者を鍛えるなんて、旅に出るよりも面白いことが待っていそうだ。


短時間で話し合いを終えて、僕たちは返事をした。


「その提案に乗ります!」


話し合いは終了し解散した。


僕たちはサンクリットから連絡があるまで待つこと。

拠点は自分で用意するなら援助をするし、必要であればテザン皇国で準備をする。


デーブンはもっと情報が集まった時に連絡を入れてくれると言った。

そしてたまにはギルドに顔を出してほしいと。



僕たちは先に拠点の確保をしようと思っている。


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