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第百三十四話 荷物運び情報網とは

ニジュールの門番から話を聞いた僕たちは、宿に戻る前に寄るところが出来てしまった。


荷物運び情報ギルド……


ギルドだよ……組合だよ……一つの専門組織だよ……


代表? 会長? ギルマスか――デーブンは!?


疑問符だけが頭を駆け巡る……

結局【ギルド】なのか?


僕たちは色んな事を考えながら、門番から聞いた荷物運び情報ギルドの場所に向かった。


……

……


門番が言っていた場所につくと、荷を背負い歩いている姿……某冬にプレゼントを配り歩いている人の姿がマークとして掲げられていた。


そのマークを確認して、ドアを開けギルドの中に入ろうとすると――クラッカーらしき音が鳴り響いた……



「「「「いらっしゃいませ! デーブン会長のお店に!」」」」



……

……


方向性がわからないよもうーーーー!


何故何もかも統一しない!

何もかもの方向性が別な方を向いていて――気になるんだよ!




そんな感じで僕たちがモヤモヤしていると、目の前にスザンヌと言えるようなメイドが現れた。



「ようこそデーブンの間へ。門番情報に引っ掛かっていましたよ。我らがギルドにようこそ。」


綺麗にお辞儀をした老齢の女性が目の前にいるが、姿より言葉だけが頭に入ってくる。


結局ここはなんなのだ~~!



~~~~~



高速で頭を回転させて今、僕は豪華な部屋に案内されている。


何でも、今回の勇者召喚にあたり、デーブンもこの街に来ており、偉い人たちの集まりに招待されているそうだ。



って……どんな状況なのか理解しないうちに、ドアが開き、質素な格好をしたデーブンが入ってきた。


「おう! 心配したぞラウール! お前が気になって探っているうちに……こんな状況になっちゃいました。―――― てへっ!」


てへじゃない!

可愛くないからね!



「そんなに気にかけてもらって……デーブンの他のパーティーメンバーは?」


はてと、目の前のデーブンは何かを考えるそぶりをしている。


そして間を開けて話し出した。



「――みんな引退したぞ! 俺に付いて荷物運び情報網を拡大してもらっている。俺たちのパーティーは、荷物運び情報網の重役だ!」


はっ!?


「お前達に会って考えたことがある……。圧倒的な強さを持つものも大切だ。しかし――俺は俺にしかできないことがある! 強さの限界を感じたとき……俺は思った! 」


デーブンが真面目だ……


「俺は俺にしかできないことはと自分に問いかけた! 荷物を運ぶ。戦闘を俯瞰しながら道具を使う……。そして情報の大切さ! 俺たちはお前から学んだ! だから俺たちのギルドを許せ! お前たちは情報を集められて不快だろうが……。これからも冒険者パーティー黒猫を追うことを!」


ん?


「お前達の行方を追えるほどの組織なら、お前達の役にたつと思って……」


は~~!?


ありがたいけどさ!

どんな組織に仕上がってるんだ?


「ケッキョクなんなのこの組織?」


「俺は荷物運びで、道具使いだった。縁の下の力持ちと思って頑張った。だけど色々な街で門番とも出会い、情報の大切さも学んだ……。――そしてお前達だ! 俺は感動した! お前達の生き方を。だから一生懸命お前達を追っていたら…………こうなっちゃった!」


イイハナシだけど、説明になっていない……

そしてこんな説明じゃあ、まだどんな組織か理解できない。


……


それでも僕たちとデーブンは協定を結んだ。

僕たちの情報は漏らさない。

魔王の情報は冒険者ギルドか、荷物運び情報ギルドを通して教えてもらえるように……


この一方的に僕たちに有利な提案をデーブンはのんでくれた。



【荷物運び情報ギルド】

場所:荷物のマークが目印です!


荷物の運送、手紙の郵送、情報の提供を主な業務とする。情報の確実性により料金は変わってくる。


ギルド員は、自分の入手した情報のランクによって報酬を得る。


他のギルドと掛け持ちしながら小遣い稼ぎができます。

道具使いの修行ができる。優秀な講師をご用意致します。


そうかかれた紙を貰ってギルドを後にした……




~~~~~



ん~、次にデーブンに会うのは、勇者との顔合わせの時だな。

この一年でギルドを作るなんて、Sランクの冒険者になるより凄いのではないか?


だから僕はデーブンを尊敬した。

ただ尊敬はしても、次に会った時も今まで通りの対応で行こう……良き仲間として。


……


デーブンの登場に驚いていたパーティーメンバーも、ギルドの中で食べたお菓子が美味しくて、自然に会話をしていた。

僕も含めてだが、デーブンは呼び捨てになってしまった。

そこは許してもらおう。


「ラウール? あの人は冒険者だったのよね? 昔会ったときも変だったけど、ますます変になったわね……」


「我も思う! あいつは変!」


「お前たちも大変なやつに目をつけられたな! どこにいるかまで把握されるなんてな!」


「は~。僕たちの動向をそこまで気にしていたなんてね……ストーカー?」


「ラウール? ストーカーとは何ですか? 前世の言葉ですか?」


「そうだよ……」





終いには何故かストーカーとは何かを説明しなければいけなくなるラウールだった。


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