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第百二十四話 誤解を解く

ソフィアは長年生きていて、勇者という存在を知っていた。

幼いころにハイエルフが住んでいるところへ訪ねて来て、用事を済ませるまで滞在していた。

そのときに異世界の事を話してくれ、機械や科学に興味を持ったそうだ。

そこに僕達の存在……どうしても勇者と結び付いてしまったようだ。


僕はソフィアに説明をした。

両親にはタイミングを外し言っていないことを……


僕達は勇者ではない……

僕は生まれ変わりで、サクラは転移した。

神様が色々と便宜を図ってくれた。

今の僕達の強さはこれくらいです。

今の世代の勇者の事。

これまでの生活のことを話した。



……ソフィアは黙って聞いていた。


そして傍から見るとただ僕が一方的に話している時間が流れていた。



……


既に完成した家に入り僕達は話をしていたが、さすがに話し疲れたこともあり夕食にした。

夕食はサクラが地球風の料理を作り、ソフィアが懐かしそうにしていた。

過去の勇者が和食をごちそうしてくれていたようだ。


その後も地球についての話をサクラも交えてしていた。

魔道具の光で部屋の中は明るいが、あたりはもう真っ暗になっている。


この家には想像で強化ガラスの様に外が見えるような構造をしている。


拠点の守りはソフィアが結界の魔道具を設置したこととや、継続性を持たせた僕とサクラの結界魔法で、EXランクの魔物以外は一発で壊せない守りになっている。


EXランクの魔物にあったことがないから……ただの予想だけど……


~~~~~


夜遅くなったが、ソフィアも自分のことを語りだした。


ハイエルフはエルフよりも神様に近い存在で、信仰の対象となっている。

地球で言う天使のイメージだ。

神との対話もできるようだ。

ソフィアの話だけなので確実ではないが、神様のあの空間には行けないそうだ。

神らしき者の声が頭の中に響き、答えることもできる。

例えるなら、念話のよう……が一番しっくりくる説明になる。


エルフよりも長寿で、寿命はあってないようなものみたいだ。

いつの間にか産まれ、いつの間にか姿を消す。

ただ稀にソフィアの様に里にとどまらず、自由に世界を旅する者も出るみたいだ。

おそらくどの神の天使になっているかが関わってくるのではないかと僕は予想した。


ソフィアに話しかけて来る神は創造神……印象で……予想だけど……

サクラがお世話になった……


サクラもその神を例える話で反応した。

おそらく私も創造神に転移させてもらったと思う……と。


二人は共通の神様が関わっているという事で、しばらく自分達の世界に入って話している感じだった。


……


二人の話が落ち着き、ソフィアの話が再開された。


ハイエルフ、エルフは精霊が見えるそうだ。

もう一度言おうーー精霊が見える!!


僕たちの周りにもたくさんの精霊がいるらしい。

エルフは初めから見えるが、人族の僕たちは特殊な手段を用いて見えるようにしなければいけないと言う説明だ。

ここは僕のチートにはなかったみたいだ。



その後に精霊と仲良くなれるかは運次第とソフィアは言うが、つい僕にも精霊が見えるのではないかと期待してしまった。



今の魔の森に入った生活の中で僕達にソフィアの興味が更にわいたら、精霊と友達になる方法を教えてくれるそうだ……

ただ、良いことばかりではないので、本気で友達になりたいなら……と条件が付いた。


ソフィアは産まれてからしばらくはエルフの里にとどまって生活していた。

しばらくの期間は人族とは比較にならないほど長いのだろうが……



時々エルフの里を出て見聞を広げていたが、今回は今まで以上にエルフの里に戻らないつもりでいた。



ソフィアの説明では、里には永く生きている古いエルフなどの保守派がおり、その子供は旅に出る数は少ない。



里の掟では高位のハイエルフ数名は常にエルフの里に残る体制になっているらしい……



残っているのはただのエルフだが、今は里の外で子を産む割合の方が多い。しかし里以外でのその事は問題にならず、基本的に自由に行動できる。



だから今回ソフィアはハイエルフだが長く里から離れ、世の中を確認したいと言う。

だから僕達に付いて回りたいそうだ。



~~~~~



僕達は結局朝まで語り合い、次の僕達の目的は決まった。

一つ目は、誰かが飽きるまで森で生活する。

二つ目は、生産系スキルの獲得を目指す。

三つ目は、魔の森を探検し貴重な魔物の素材や薬草などを採取する。

四つ目は、出来るなら魔の森の右端まで進み、転移できる地点を作っておく。

最後に……魔族は敵対しているわけではないが、魔大陸には僕達は今回渡らないつもりだ。

魔族に会ってもこちらからは敵対しない予定だし……今はまだその時ではないだろう……


……このくらいの大まかな計画とした。



~~~~~



僕が顔を洗い朝ご飯を食べた後に、クロウが話し出した。

「我は時々離れても良い? 気になる場所に出掛けたいよ! 我も何か新しいことを覚えたい! 森に何もなかったら、ラウールサクラと一緒に物造りを覚える!」


クロウも何かを考え始めたようだ。

魔の森は強い魔物が出る所だが、ここでもクロウに敵う魔物も少ないだろう。謎の強さがあるから……


「良いよクロウ! だけど、長く帰ってこない予定の時は教えてね……初めに長距離会話の方法を考えておこうかな?」


「うん! ラウールはその方法を考えておいて! ーーあったら便利!」


そこにソフィアが会話に入ってきて「ハイエルフ同士ならそんな方法がありますよ? 応用できないか試してみましょうか? 魔力が高い同士ならできるかもしれないです。」


「本当にーー! 覚えられたら便利! 私とラウールの初めての訓練は、長距離通話魔法ね!」


「我にも!」


こうして遠距離通話魔法と名付け、その魔法を習得することが一番初めの課題となった。



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