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もふもふもふもふもふもふ

作者: 嘉数 特急

なろうラジオ大賞の応募作品です。

 受信を拒否したはずのスパムメールが、別のメールアドレスで届いた。不審に思い本文を読むと、ある法則に気づいた。


 本文には『もふ』しか書いていないが、その『もふ』が日を追うごとに階乗的に増えている。スパムメールを受信した初日と二日目は『もふ』のみ。三日目の昨日は『もふもふ』と二つに増え、四日目の今日は6個に増えていた。

 スパムメールのタイトルは決まって『もふ!』 連日のスパムメールは一日1通だけ受信し、受信時刻は日によってまばらだった。


 フリーのメールアドレスを使用しているので、スパムメールであることは間違いない。しかしスパムメールの特徴である個人情報を盗み取るサイトのURLがなかったので、僕のメールアドレスを知っているやつの悪戯だと思った。

 昨日のメールアドレスでメールを送ったが、受信拒否の通知が送信者に届いた。そこで新たにメールアドレスを発行し送りつけた――そう考えれば辻褄が合う。


 僕は今日受信したスパムメールアドレスも受信拒否にした。さらにキャリアのサイトから僕のメールアドレスを変更した。そしてメールアドレスの変更は誰にも告げず就寝した。


 五日目の晩、昨日とは違うメールアドレスでスパムメールが届いた。本文の『もふ』を数えたら、法則から外れ一つ足りない23個だった。


 法則から外れたことに疑問を持ったが、それよりも不可解な現象はスマートフォンがコンピューターウイルスに感染しているからだと思った。おそらくスパムメールを開封した時に感染したかもしれない。


 僕はスマートフォンの初期化、今日受信したスパムメールアドレスの受信拒否、さらにメールアドレスを変更した。そしてスマートフォンの電源を切り僕は床に入った。


 六日目の深夜。

 横向きで寝ていると、男とも女とも判別のつかない細い声が僕の耳元で囁く。


「もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ」


 法則通りなら『もふ』は120個で終わる……。

 でも違ったら……。

読了いただき、ありがとうございました。

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