三話
「私、寄生中ですが何か?」
翌日、兄レオンハルトに借りた部下二人は大変優秀な人物だったようだ。
南の魔の森へ転移後、すぐに発見した魔物はサラマンダーであった。
敵のレベルが高すぎて名前も鑑定出来ず、現在のシオンでは全く歯が立たない相手であったが、同じく鑑定出来ない兄の部下二人は・・・いや、正確に言うのであれば護衛の為シオンの前にいるロベルトではないカルロスが単独で、それも剣の一振りで倒してしまった。
巨大な魔物の死骸が消え、魔石といくつかのドロップ品が地面に転がる。
頭の中で、タタタタータータータッタラーとレベルアップ音が鳴り響く。
ステータスの確認を行うと、レベルが105まで一気に上がっていた。
またユニークスキルも獲得出来たようだ。
【成長・大】獲得経験値2倍。ステータス2倍。
レベルが低いシオンにとってはありがたい能力である。
たとえ、自分の力で強くなった訳でなくとも、レベルアップには変わりないのだ。
「シオン様?どうかなさいましたか?」
「いえ、カルロスの強さに驚いていたの」
「これくらいで驚くなよお嬢様。俺なんて、レオンハルト様の足元にもおよばないぜ」
「レオンハルト様の足元にもおよばないのは同意ですが、その軽口をやめなさいカルロス」
「へーへー。ロベルトは硬い奴だからな」
ロベルトは眼鏡の似合う、真面目な事務員風。緑の髪と緑の瞳から、植物系の魔法と相性が良さそうだ。※勝手なイメージではなく、得意属性は髪や瞳に現れる。
カルロスは大きな大剣を担いだ、元気一杯の熱血教師風。赤い髪と赤い瞳から、炎系の魔法と相性が良く、今見た様に大剣の使い手のようだ。
「さ、お嬢様。戦利品をどうぞ」
「ありがとう。でも、二人とも本当にいいの?ドロップ品も経験値も全部私のモノにして」
「ここらの魔物だと俺らにはたかが知れているからな。気にしなくていいぜ」
「そうですよ。経験値といった認識はシオン様特有のものでしょうが、給金はレオンハルト様よりしっかり頂いていますので気になさらないで下さい」
「さっ、どんどん倒すぞ。お嬢様、昼になったら市街へ移動して食事でいいんだよな?」
「ええ。午前中は狩りで、午後からは必要な買い物をする予定なの」
「久しぶりの魔物狩りだ。暴れるぜ」
結果討伐魔物数50体で、半日でレベル500越えちゃいました。
ステータスの計算方法は基礎値(Lv1のステータス)×Lv×2(【成長・大】)。
見よ、寄生・・・レベリングの結果を!
シオン・ベルフェゴール
Lv:522
HP:104400
MP:208800
SP:5220
攻撃:15660
防御:15660
魔攻:31320
魔防:26100
俊敏:15660
魅力:99
幸運:77
魅力値と幸運値はレベルが上がっても、ステータスには変化はないが、他の数値は一般兵レベル程度に強くなった。
ちなみに、下克上ゲームの設定では魔界のザコ兵平均レベルは100、普通兵500、下士官1000、尉官5000、佐官10000、将官50000となっていた。
Lv500を超えてから、もう一つユニークスキルを貰った。
【支配者】部下となった者のステータスを1.5倍上昇、部下の人数×1.1倍自身のステータスを上昇
おそらく、Lv500まで一度も戦闘に参加してない事で貰えたのだろう。
寄生虫などの不名誉な称号にならなくて良かったと安堵したのは内緒だ。
スキルポイントも手に入ったので、必要なスキルを取得することにした。
スキル取得に必要なスキルポイントはおおよそSスキルで1000、Aスキルで500、Bスキルで100、Cスキルで50、Dスキルで10、Eスキルで5となっている。
★スキル(空きスロットはLv÷100)
【鑑定S】全ての物、者の鑑定が可能。
【偽装S】容姿・能力の偽装が可能。
【銃士S】銃の取り扱いが可能。
【錬金術S】道具・料理・武器・防具の作成が可能
【白魔術S】回復魔法・補助魔法が可能
空きスロットが少ないので、Sランクスキルにするしかなかったが、これでどうにか南の魔の森でも戦えるような能力となった。