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第77話 出来損ないのヒーロー

 大阪から高速で飛来するヒーローがいた。


 彼の名前は怪傑サンダー。


 最近になって現れた大阪のご当地ヒーローだ。


 雷速瞬動で移動している。


 正確には大ジャンプのような感じで空は飛んでいないが雷の力を使っている。


 東京のピンチとなっては大阪東京とかは関係ないといった感じだ。


 サンダーは生まれついての電撃系の能力者のようだ。


 そして40分かけて東京の渋谷に到着した。


 そこにはデュアボロスが存在した。


「なんだ貴様?」


「サンダー……ただのヒーローだ」


「ふふふっ……我を悪魔と知ってのことか?」


「悪魔だろうと神様だろうと俺はてめえらみたいな不届き物を許さない」


「ならばやってみるがいい……」


 そういうとデュアボロスは拳を握りしめてコンビニに向かって拳を振りぬく。


 すると拳圧でコンビニが砕け散った。


 幸いにも中には人がいなかった。


「てめえ……許さないぞ!!」



 サンダーが電撃を体中から放った。


 デュアボロスはそれを手で払う。


 


 サンダーはそれでも屈服しない。


 電撃を手から放つ。


 雷破砲をぶちかました。


 空中に迸る紫電の塊が悪魔の眼前に迫る。


 だが悪魔は笑っている不敵に大胆に。


 デュアボロスは軽く吐き捨てる。


「それで終わりか?」


「えっ?」


 サンダーの後ろに悪魔が迫っていた。


 そのまま悪魔は手を刃物のような鋭利さに変化させてサンダーの首を落とそうとしていた。


「ん!!」



 サンダーはすんでのところで気づいて躱した。


 デュアボロスが拳を極大に固める。


 そのまま圧を放つように放った。


「覇ッ!!!」


「!!!」



 サンダーは全身全霊に雷の加護を巻いた。


 雷の加護によりすべての物理攻撃を防ぐもの。


 だがあまり強力なものではない。


 サンダーは攻めに転じるしかなかった。


武装ジオアーム!! 雷神槍らいしんそう!!!」


 雷の槍を作り出した。


 武器の創造。


 サンダーのようなヒーローにとっては基本中の基本の技だがこれは師匠に教えてもらった技だ。


 武装と書いてジオアームと読むのもその人のセンスだ。


 あの人は一体いまどこにいるのだろう。


 サンダーはそれだけが心残りだった。


 といってもそんなことをくよくよ言っている場合じゃないが。


 伝説の三人衆のあの三人はいまどこにいるのか。


 


 目の前の敵に集中する。


 サンダーは雷神槍を投てきする。


 いきなり武器を捨てるとはと思うだがこれは所詮遠距離武器であるからだ。


 近接では使い物にならない。


 ならば一発逆転の投てきに使うほうがいいだろ。


 サンダーはデュアボロスに雷神槍が命中しそうになることを期待していた。

 

 もちろんそんなことは起きない。


 サンダーも五分でもあればいいなとぐらいしか思ってなかった。

 狙いは接近戦。


 そのまま雷速瞬動で一気に近づき、雷破震拳で破壊する。


 サンダーはデュアボロスに近づいて拳を放った。


 だがそううまくいくとは思えない。


「それがどうした小童?」


「!?」


 サンダーの横を残像が通り過ぎる。


 デュアボロスが遥かに速い運動速度で移動している。


 眼で追うのがやっとだ。


 悪魔は悪魔らしく世界に破滅を及ぼす存在だというのをわからせるように絶望を魅せてくれる。


「人間ヨ……この程度では我よりも強い召喚主の人間なんかにモカテヌゾ……」


 拳を鋭利な刃物に変えてくる。


 デュアボロスはそのまま右手を振る。


 サンダーは背後に一気に跳ぶ。


 雷速で動いたことにより体に負担が来る。


「こんなことでは……あの人には…………」


 雷の軌道で跳ぶサンダーは悪魔の攻撃を避けようとしていた。


 だが上級悪魔がその動きについてくる。


「オワリダ」


「!!」


 サンダーの右半身に刃物の拳を突き出してきた。


 サンダーは右わき腹を突き抜かれた。




 雷再生を使用していた、だがそれでも間に合わない。


 血がヒトヒトとすすり落ちていた。


 ただ大量にゆっくりと血液が地面に舞っていた。


 サンダーはもう戦える状態ではなかった。


 でもそれでも最後の力を振り絞って、電撃を生み出した。


 一千万ボルトの電撃。


 現在サンダーが生み出すことができる最高の電圧がこれである。


 この電圧でもすでに世界的に考えれば上のほうであるが上には上がいる。


 とにかくその最大の電圧でも勝てないのならここまでだ。


 サンダーは最大の電撃を放った。


 デュアボロスは何を思ったのか躱さずに受けた。





 数秒の静寂…………そのままデュアボロスが話し出す。


「惜しいな……もう少し後三年兼武を積めばおぬしは遥か高みにいたかもしれないな」


 そう言い、上級悪魔は一瞬でサンダーの目の前に躍り出て拳を突き出した。


 サンダーは三百メートル吹き飛んだ。

 

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