第46話 虎猫魔族のトラネの店に行くことになった
日本橋の端っこのほう。
雑な優先的に避けて通ってしまいしょうな場所に屋台があった。
「いらっしゃいにゃ~~~よってかないかにゃ~よってってにゃ~」
そこには元気に客引きをする虎猫魔族の少女がいた。
「トラネ……来たぞ」
「拓朗来てくれたのかにゃ☆ うちずっと待ってたにゃぁ~☆」
溢れるほどの眩しい笑顔を振りまいてそいつことトラネは俺に挨拶した。
ここは何でも屋トラネという店だ。何でも売ってるようである本人いわく。
と言ってもダンジョン産の物限定だが。
初級体力回復薬に短剣に片手剣に槍になど武器とかが豊富にある。
毒治療薬とか麻痺治療薬とかもある。
聖水とかも売ってる。
腕力を一定時間だけ10パーセント上昇させるアイテムもある。
強力の力水だ。
他にもさまざまなステータス上昇系の消費アイテムがある。
全ステータスを80だけ上昇する赤薔薇のネックレスが30万もする。
トラネの店の商品は基本高い。
このバーストナイフが56万もする。
火炎属性の攻撃が出来ますと書いている。
自分で打ったトラネ特製の品らしい。
取りあえずトラネに買い取りを頼むことにした。
クロンの分もまとめて渡した。
そして待つこと5分で査定が終わる。
「全部で68素材で46万8500円にゃ☆」
「誤魔化してないよな」
俺はトラネのことだからいつものごまかしをしてないか聞いた。
「もちろんいつも通り公平に査定したにゃ」
「それならいいが」
俺はトラネの言うことを信じた。
俺は代金を貰ってクロンに折半する。
「いいんですか?」
「もちろん一緒にモンスターを倒したんだからね」
「ありがとうございます」
「それより何か買ってかないかにゃ」
トラネが何か買えと催促する。
まあ何かいいものがあるかもしれないかと探す。
暫く眺めていたら珍しいものがある。
紫魔界石の腕輪。
効果:潜在魔力が高くなる。
ほう……潜在魔力が高くなるのか……
潜在魔力とは内に秘めた魔力のことで表面化してない魔力のとこだと思う。
ステータスには魔力としか表示されてないから、潜在魔力なのか顕在魔力なのかわからないから両方の合計なのかと思われる。
「トラネ、この紫魔界石の腕輪はいくらだ?」
「いくらにしようかにゃ」
「決めてないのか」
「試に作ってみたけどにゃ効果が漠然的すぎてどのくらい高くなるかわからないのにゃ、ステータスにも反映されないしにゃ……だから15万でいいにゃ」
「随分と安いな、まあいいけど」
俺は15万渡して紫魔界石の腕輪を買う。
そしてそれをクロンに渡す。
「これを私にくれるのですか?」
「ああ、クロン魔法を使ってなかっただろ?」
「魔法は私は使ったことがありません、たぶん苦手です」
「じゃあ今度は魔法の特訓だな」
「そうですかありがとうございます」
「トラネも混ぜるにゃぁ☆」
「なんだトラネ」
「トラネも今日は儲けさせてもらったからもう店じまいするにゃ」
「そうか」
「明日朝9時に日本橋ダンジョンの前で集合にゃ拓朗」
「なんだトラネもダンジョンに潜るのか」
「その通りにゃ現地調達にゃ素材を買い取るより自分で調達した方が儲かるにゃ☆」
「私の特訓は?」
「もちろんクロンも一緒だぞ」
「わかってるにゃクロンもそのほうがいいかにゃ」
そして俺達は別れた。
次の日。
日本橋ダンジョンの前に来ていた。
クロンが来ていた。
遠目で見ても途轍もなく可愛いなクロンは。
くりんとしたお目目が大きくて可愛い。
トラネも来ていた。
トラネも黄色の髪色がとても眩しい。
少しだけ長い髪からはみ出す猫耳が可愛らしい。
虎模様の尻尾も凄く魅力的だ。
金に五月蠅いというだけでトラネも美少女だ。
こいつは1週間前に日本橋を彷徨っていたのを俺が発見していた。
聞くとアルネトリコで商売をしていたのにいつの間にかここにいたと言う。
いちおう異世界難民とかの手続きとかを俺が付き添いでしてやった。
そして3日前見ると日本橋の一角と言っても端っこの方で店を開くまでになっていた。
俺が最初に素材を少し上げたのがよかったのかそれを売って金を稼いだのか。
ほんの30万になったらしいが。
関係ないがトラネは16歳らしいが、見た目は12、13歳ぐらいにしか見えない。
ロリ体型というやつだいわゆる。
だが少しだけ大人びているように感じる。
金勘定が16の時点で出来ると言う時点でかなりしっかりしているが。
そう言えばトラネはどこに住んでいるのか。
クロンもだ。
俺はクロンとトラネに聞いてみた。
するとクロンは寝泊まりは公園で、トラネはネカフェだと言った。
ネカフェもだが公園は流石にヤバいだろと思った。
「よし、2人とも俺の家に来い」
「へっ!?」
「ふにゃ!?」
二人が放心している。
そしてクロンが赤面してもじもじしている。
トラネがにやにやしているが顔が高揚している。
「本当にいいんですか拓朗さん?」
「拓朗はいきなり二人の女の子を手籠めにするのかにゃぁ☆ なんかてれるかにゃぁ」
「まあそれは本日のダンジョン探索が終わった後と言うことだ」
なんか言ってて自分でも恥ずかしくなった。
さあ日本橋ダンジョンの探索を開始するぞ!!
俺達は日本橋ダンジョンに潜っていった。
二人の猫魔族をパートナーにして。
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