第330話 メイデンは俺と一緒にダンジョンに潜りたいようです
「拓朗殿、参る」
「拓朗様」
「主」
「呼び名に定着性が無いな」
「拓朗主殿どうすれば??」
メイデンが俺のことをどう呼ぶか迷っているようだ。
そして速くお役目をしたいという。
じゃあ一緒にダンジョン行くか。
手始めに自宅ダンジョンの521階層まで来ている。
そろそろ600階層まで行きたいのでメイデンを凄まじく鍛えたくなる。
521階層を行く。
メイデンと二人だけで行く。
メイデンは武器を使う。
メイデンは細身の刀を使う。
最初は剣かなと思ったが刀のようだ。
だが逆刃刀ではなかった。残念だ。
メイデンは魔法を使う。
身体強化魔法と五感強化魔法だ。
第六感は鍛えないのかと聞くと。
「第六感ですか? 幽霊とかと戦う時は必要ですか?」
「まあ超常的な何かと戦う時は必要だよね」
まあ普通に幽霊ならいるが……
カグヤが憑いてきているのは気づいているよな?
「ああっそういえば拓朗主殿の後ろに幽霊が?」
「おっ気づいたか?」
「拓朗様~私のことをお忘れになってません??」
「いや~気づいているよナチュラルに話しかけてくるから」
メイデンは魔力は高いのに霊感は若干低いようだ。
カグヤも交えて一緒にダンジョンを攻略する。
カグヤは幽霊独特のサイコキネシスが使える。
そして炎系統の幽霊術が使える。
なんとも強い。
メイデンは刀に炎を纏わせるどころか炎を放っている。
炎斬撃とかいうその強力な攻撃は敵を焼き殺す。
氷斬撃も使う。
ただメイデンの使う魔法は古代魔法らしい。
属性をそのまま発生させている。
氷も俺のまがい物ではなく、現実の氷だ。
そんなメイデンもスタイルチェンジが出来る。
杖を持って魔法使いのようになる。
そして大魔法を使う。
「メルエルメリックさすれば大いなる雷舞い踊らん千戦の雷」
「すげえなメイデンお前魔法使いにもなれるのか?」
「はい、敵によっては剣士モードよりも使えます」
凄い従者を味方にしてしまったぜ。
メイデンは521階層のモンスターを余裕で倒している。
破壊のゴブリンゴッドを魔法使いモードで余裕で倒している。
剣士モードに切り替えて普通に倒す。
522階層に行く。
メイデンは俺と共に進む。
カグヤが嫉妬している。
「拓朗様いけず~~~」
「今度かまってやるから」
「今はあの娘にご熱心ということですね」
「まあそういうこともある」
メイデンはこの時独り言多いな~~~という感想だった。
しかしなかなかにダンジョンというものは楽しい。
そう感じていたメイデンは。
メイデンはこれだけの多くの時を生きていたんだ。
今まで魑魅魍魎の類はいたがモンスターなる異形の存在と相対することはなかなかに会わなかった。
白熱の日々を送りたいと感じていた。
メイデンは少しづつだけど退屈な日々から解放されていた。
放浪の旅から解放された戦士がいた。
メイデンの目に色が戻った時だった。
俺は少しずつだがメイデンを楽しませたいなと思う。
そんなこともあり本日はボーリングに来ている。
「なんだここは??」
「こうやるんだぞ」
「へー面白そう」
そうして楽しんだ。
メイデンは今まで食うことぐらいしか楽しみが無かったらしい。
そんなこともありメイデンはボーリングを楽しんだらしい。
俺も楽しんでいるメイデンを見るのが楽しみだよ。