第329話 メイデンは少しだけ不幸な少女らしいです
俺の自宅にある大広間。
そこにメイデンを連れてきた。
彼女は今は眠っている。
治療魔法をかけているが目覚めない。
だが三時間後目を覚ました。
「ここはどこ……?」
「起きたかメイデン」
「あなたは誰?」
「俺は増宮拓朗だ」
「あの時の仮面の者……!?」
「そうだお前を助けたものだ」
「なんで私を助ける? お前を殺そうとしたのに」
「なんでだろうな?」
「?」
「それは拓朗様が優しいからです」
「サクラ一応来ているのか」
「誰?」
「従者です拓朗様の」
「そうだなこの少女の過去はかなり悲惨のようだぞ」
アルマゲルが俺の前に出てきた。
禁術でメイデンの過去を覗いていたらしい。
「私の過去を見たのか!?」
「ああしっかり覗かせてもらった」
「なんでなんで……」
どうやら彼女はかなりの訳ありのようだ。
「私は十三歳で不死者になった」
「なんだって!?」
どうもかなり意味不明の実体験をしているらしい。
メイデンは十三歳で謎の黄金の木の実を食べてしまったらしい。
そして不老不死になったという。
でも最初は良かったが年月が経つにつれて化け物呼ばわりされたという。
いつまでも老けないからだ。
そして二百年の時を生きたらしい。
今年で二百五歳らしい。
魔法を操り、剣の腕前を上げて、影社会の用心棒をしていたらしい。
そして今回は謎の悪魔に憑りつかれたという失態をしてしまったらしい。
そうして俺の稲荷仮面の暗殺指令が出されていたらしい。
どうやら俺の首に裏社会から三億の値段がつけられていたらしい。
なんか安いな。
もっと高くてもいい。
そうして狙っていたが助けられてしまったというオチ。
「お腹空いた」
「じゃあ食べるか」
「なにこのごちそう……!!」
沢山飯を食べ始めたメイデン。彼女の銀髪の髪は美しく、俺を魅了する。
だがかなり大食漢のようだ。
死なない体というのは精神をすり減らすようだ。
知っている知人や家族もいなくなる。
裏社会に精通していると言っても用心棒としてだ。
かなり関係が悪化する場合もある。
そんなメイデンは今たらふく作った俺の料理を食べている。
「ハフハフハフッ!!! 美味い美味すぎるこのご飯!!!」
「はっはっはもっと食べていいんだぞ」
「ご主人お腹空いた~」
「マリンも食え」
「食べる~~~」
「コヤミもか」
マリンとコヤミが食卓に並ぶ。
なお食卓にある料理はチャーハン、焼き豚、カレーライス、ナポリタン、手羽元の煮つけ、ガリバタチキン、ハンバーグ、餃子、肉まん(流石にこれは出来合い)、ローストビーフとかだ。
これだけ作るのは大変なのでリュートやサクラに手伝ってもらっている。
そんなことで俺も食べる。
美味いな自分で作ったなりに。
マリンも沢山食べる。
コヤミもかなり食べる。
メイデンが凄く食べている。
みんなで沢山食べるのは凄く良いことだ。恥ずかしながら俺は食べるよりも食べているのを見るのが好きだ。
そんなこともありみんなで食べ終わった。
なお今は時刻午後三時なのでおやつ時だ。
その後メイデンは落ち着いたのか。寝てしまった。
夜になると起きて、俺に行った。
「あなた様の従者にしてもらいたい」
「それがメイデンの答えか?」
「はい、このような不幸者ですが置いてくれると嬉しいです。用心棒でもなんでもします」
「いいぞメイデン従者にしてやってもいい」
そうしてメイデンは俺の従者になった。
よかった不幸な少女は救われたのかな?