第319話 アリスの嫉妬
「お前は自分の武器娘たちの奉仕心や主君を崇める忠誠心を利用して……」
巨大な隕石が俺の横を通過する。
「そしてあわよくは男としての下世話な征服心を満たすために……」
破壊の女王炎が俺を焼き尽くそうとする。
俺は水のバリアを張る。
「拓朗もう一度聞くぞ? お前は何人の武器娘たちとセックスした? いやオナニーか人造武器少女は人間ではないな」
「アリスそれは聞き捨てならねえな……」
「あらそれはどういう意味かしら?」
「俺は彼女たちを人間だと思っている」
「でも人造的な作り物でしょ? あなたが作ったのでしょ? 仮初の命を吹き込んだ」
「違う!!!!!」
「何が違うの?」
「もう本当の命と同じだ」
「でも扱いが奴隷じゃない。あなたの命令は絶対。逆らえば元の武器に逆戻りだから命令を聞くしかないのでしょうね」
「!!!!」
俺は彼女たちの立場を理解してなかった。
まさかそんなこと……
俺は落胆した。
でも落胆からアリスの考えもわかる。
確かに俺は彼女たちを道具としてみているかもしれない。
アリスが冷静になる。
「まあいいわ私はあなたをそういう目では見れないからあんまし気にしないけど」
「親友以上恋人未満ってやつ?」
「そうそうそれ……あなたとはそんな感じなのよね」
そして爆発する感情と俺の反省からアリスに軍配が上がった。
「アリスの魔力本当に反則級に強いよな」
「魔力は確かにピカイチだけど魔法の腕はまだまだよお婆様には負けるわ」
「アリスのおばあちゃん魔法使いなのか?」
「うん今思い出したの」
どうやらお婆様が魔女だったことを俺に話してくれた。
でも圧倒的に自分に才能があったらしく、お婆様にはいつも勝っていたとか。
ロウガとオルクとメアとヴァンが静かに見守っている。
「拓朗様はアリス様のお気に入りといった感じでいまだに不思議な気分だ」
「ふん、僕は気に入らないねあの野郎は」
「似たもの同士だから嫉妬するずらか?」
「豚君は黙ってろ」
「喧嘩は良くないです~~~」
そしてアリスはメキメキと魔力が上昇していた。
拓朗と過ごしているからだろうか? 楽しいことをすれば魔力は上がるのだろか?
それでもこの程度の戯言は基本的にできる。
アリスは自分の行く先を決めかねていた。
それだけ普段ではできないことをしたいと思っていた。
「そういえば天空の雲の所にダンジョンが出来たらしいぞ行くか?」
「なにそれ面白そう」
というわけで天空のダンジョンに行くことに。
そしてそれはきっかけだった。
普段できないことをするためにいつも以上の自分を試すための試練だったのだ。