第305話 影子は拓朗をダンジョンデートに誘う
早乙女影子は日々研磨を磨いている。
レベルアップする快感を味わっている。
まだ強くなれる。そんな感情が出る。
通常よりもさらに力を上げる行為。能力をフルに使う。過剰なまでの威力を出す。
いやどれもだめだ。もっと効率的に力を行使しないと。
影子は最強を目指している。それだけ最強への道は遠い。だがそれでもまだ道はある。
今日も拓朗と一緒にニッポンバシダンジョンの深層に行く。
「拓朗まった?」
「いや今来たところだ」
「じゃあダンジョンデートね」
「ダンジョン攻略な」
「デートだよ」
「はいはいそうですね」
そうしてダンジョンの攻略を開始した。
ニッポンバシダンジョン665階層。
忍者兎が現れた。
「なんだこの兎!? 速すぎない? あれ」
「ああちょっと速いな、デュラン!!」
「忍者が相手ならこっちも忍者だ」
「御意」
デュランは忍者に憧れている。
だから忍者兎にも有効だろう。
しかし忍者兎が二足歩行で無茶苦茶速い。
分身の術を使ってくる。
「あんなもの魔眼の前では無力!!」
「デュランも魔眼があるのか?」
「この邪影眼の前では無力!!」
「なお中二病」
「アルマゲル勝手に出てきて?」
アルマゲルがデュランの悪いところを指摘する。
「実は魔眼なんてないのだデュランには」
「どういうことだ?」
「中二病なんだ」
「そうか、でも中二病も腕力になる」
「私も手伝おう」
アルマゲルが禁術を放つ。
「殲滅の極滅波動炎」
「グニャアアアア!??」
忍者兎が消滅する。
あまりにも強い。
デュランが手裏剣を投げる。忍者兎が消えていく。
「アルマゲル相変わらずの火力だな」
「当然だ」
「こっちも火遁の術を使う」
「張り合うなデュランよ」
影子は電撃を作り出す。
「電影槍」
影のように電撃の槍を放つ。
敵に気づかれなく放つので不意打ちに最適だ。
影子は忍者兎を狩りつくそうとした。
一応攻撃は当てることができた。
でも一撃で倒せない。
二撃で倒せた。
「やはり雷神槍が火力的には上か……」
「どうした? 技の問題か?」
「うん電がつくと格が下がるんだ」
「でも魔力はあまり消費しないだろ?」
「まあそうなるね」
影子は不満そうだった。
「なら雷電槍とかにしたらどうだ?」
「なるほど二つ付けるのか」
そんな簡単な解決法が見つかった。
忍者兎を狩りつくす。
675階層まで来た。
忍者兎はしばらく出てきた。
こいつらステータスで下忍、中忍、上忍と役割が違う。
ほとんど下忍だがたまに中忍が出てくる。
上忍は一回だけ出会った。
忍者兎は速いだけでそこまで攻撃力は高くない。
だが数が違う。
一度に8体とか出る時がある。
だから厄介だ。
それだけ忍者兎は強力な敵だ。
だからなのか影子が早急に狩とっている。
デュランも忍者の敵だからか凄く強く当たるように倒す。
影子はさらに忍者兎を倒す。
途轍もない敵なのだが影子はポテンシャルを残す。
そんなわけで影子はかなりのレベルアップを図れたと思う。
そんなわけでダンジョン攻略を進める。