第295話 いつもの日
ギャゴーラには家事を担当している。
ロビンちゃんは一緒にお使いに行っている。
「買ってきたよ」
「ありがとうロビンちゃん」
そうして晩御飯を作る。
ギャゴーラは料理は少しはできるようだ。
でも料理は趣味なので俺が作る。
みんなの分の肉じゃがを作ることに成功した。
「うまいね」
「美味い」
「美味い」
みんな美味いと言ってくれた。
次の日、パトロールをしている。
天能咲市をパトロールしている。
モンスターや犯罪者の能力者はいない。
ニッポンバシもパトロールする。あれっナナナちゃんが既にパトロールしている。
「ナナナちゃん」
「拓朗なのねん」
「何してるのかな?」
「そりゃもちろんパトロールなのん」
「ナナカちゃんは?」
「レッスンなのねん」
というわけでナナナちゃんと一緒にパトロールするするとニッポンバシでオークが出現した。
「てやーーーーー!!!」
「ナナナちゃん速いよ」
そうしてオークは退治された。
これくらいで平和なのでスランに任せて、ニッポンバシダンジョンに入る。
ナナナちゃんはいつも通りバナナの剣を使い敵を倒している。
バナナチョップと技もバナナ。
補給のときに食べるものもバナナ。
たまにリンゴを齧る。
「バナナ美味しいのねん」
「ナナナちゃんは本当にバナナが好きだな~」
「かりみんも呼ぶのねん」
「ええ~カリミヤも呼ぶのかよ~」
「かりみんとは仲直りしたのねん?」
「もちろんそうさ仲直りしたさ」
確かにナナナちゃんが可哀そうだからとかそんな理由でもない。
これ以上喧嘩しても双方に利益がないと判断したからさ。
カリミヤの奴は俺より弱いけど働いているらしい。
いやまだカリミヤも働いてないとか。
小説家志望だという理由で特に働いてないとか。
いやバイトぐらいはしていると聞いた。
するとナナナちゃんがカリミヤのバイト先に案内すると言ってきた。
そしてカリミヤは本屋猫の書店とかいう場所で書店員として働いていた。
一日四時間だけらしい、今は朝の十一時で書店員として働いている。
「かりみん来たよねん」
「ナナナちゃん、と増宮……なんで」
「俺はたまにはパトロールとかだ」
「ああそうか稲荷仮面だから……」
というわけで三時まで待つと狸仮面として久々に来ていた。
「その姿だと戦いづらい?」
「いやちょこちょこもう少しという感じ」
狸仮面は面白いと思う。
霊獣の力を借りて力を行使するカリミヤか。
カリミヤは武器を使うことにするらしいダンジョンでは。
「バットか……しかもダンジョン用の豆だな」
「鈍器のほうが取り回しが良いから」
ゴブリンを普通に倒せるようになっている。
なるほど修行をサボっているわけじゃないのか。
「たぬたぬ頑張ってくれるか」
「たぬたぬ~~~~~~!!」
「ゲコ丸だっけ新しい霊獣? 強いか」
「便利だぞ固くなって体当たりとかする」
「ゲコゲコ~~~~!!」
カリミヤはゲコ丸の霊装を手に入れていた。
カエルの服。
カリミヤは相手の力を借りることができる。
ただ能力は借りれない。強さ的な身体能力的強さしか借りれない。
ただたぬたぬの力を駆使すれば一段階まで能力を借りれる。
ただ意味不明なところもある。
俺にすべてを語らないカリミヤ。
俺も奴の能力を全てを知らない。
ゲコ丸は固くなれるらしい。
もう一体くらい霊獣を使役してみるといいだろう。
でもカリミヤは霊力の力に優れている。
俺みたいなバランス型とは違う一点集中型だ。
だが俺も腕力とか筋力に極振りみたいな印象もある。
魔力も大幅に伸ばしている。
気もかなり上昇させている。
霊力も上げている。
カリミヤはどんな感じなんだろう。
いやレベルの上がり方が違うか。
あいつ小説ばかり書いてるからな。
とまあナナナちゃんと一緒にニッポンバシダンジョンの102階層をぶらぶらと回っている。
ハイゴブリンとかも倒せるようになっているカリミヤは。
こいつなかなかに習得率は良いスキルを保持している。
でもまだ弱いな。
最強のヒーローというものに慣れるまで時間がかかるだろうそれでは。
狸仮面として頑張れるというなら手伝ってあげてもいい。
「狸仮面頑張れるか」
「僕はヒーローというものよりナナナちゃんが戦えるサポートをしているだけだ」
「かりみんは優柔不断だから」
「優柔不満じゃなくて?」
「計画性がないのかも」
「そんな感じだろうね」
「ふーんそう」
そうしてニッポンバシダンジョンを出る。
だが犯罪者の能力者が出たらしい。
俺は現場に駆け付けた。
まさかの狸仮面とナナナちゃんも来るとか。
そして現場でまさかの事態が起きたことは言うまでもない。