第256話 ビギナーダンジョンで苦戦を通り越して死の罠にかかるようです
カリミヤはビギナーダンジョンに入る。転移の罠を踏み、現在ナナナちゃんと逸れる。
そしてモンスターパニック部屋に入ることになる。
霊装たぬきちがなかったら死んでいた。
だが、それ以外にも不吉な気配が。
騒々しいこともあるが、無茶苦茶な敵もいる。
パニックボックスアンラッキー屑箱という変な凶悪なモンスターがカリミヤを襲う。
霊獣たぬたぬがのけぞる。
だがゲコ丸もいる。が無効化。
無効。無効。
無効過にしては最大の力の逆転を発見した。
死にそうだ、HPがじわじわと削られる。
ああ、そうか「俺は死ぬのか……」
「たぬたぬたぬ~~~~!? たぬうううううう」
「悪い俺はここで死ぬようだ。たぬたぬは俺を頼らなくて良い最後までありがとうな」
「ゲコゲコ!! ゲコッ!!!」
ゲコ丸が最後の力を振り絞りキョダイナ霊圧を放つが屑箱は総て吸引する。
そして俺の霊力を全て搾り取るようだ。
このままだと本当に死ぬ。
ダンジョンで死ぬとダンジョンから低級の霊圧を奪われて、記憶を奪われる。
人としての尊厳を奪われるだけでなく、死を体験する。
それがその人へのトラウマになるらしい。
本当の死がないからこそ、死が怖い。
力を奪われる死。剣で斬り殺される死。こん棒で殴られて殺される死。
喰われる死、悪魔に魂を奪われて本当の死もあるが、そこまでの強敵は拓郎ぐらいしか相手しないだろう。
でも怖いのだ。本当の死が来る可能性もある。
魂を喰われたら復活ができない。だから本当に死んでしまう探索士もいる。
そういうときはお葬式をあげるが、とても痛ましいので遺族が泣いている。
毎日たくさんの人が本当の死を体験している。
昨日もダンジョンでの本当の死者が5人も出たらしい。
復活する死者ですら315人もいたらしい。
本当の死を迎えるものはたまに復活させる試みも行っている。
魂戻しのスキルを持つ政府のお偉いさんからスカウトされたシャーマンの職業持ちがいるらしいから。
でも成功は難しいとか。
魂を戻すことができる存在はシャーマンや魂魄士とかいるとか。
魂魄士の凄腕の少女がいるとか噂を聞いたことがある。
だが姿を見たものはいないとか。
誰なんだろう? 僕はきになる。
全ての世界を僕のためにみんなのために力を借りて使いたい。
カリミヤノゾムの【借宮】は借りる宮を。
味方の宮。全ての属性的条件とともに特性と弱点や全ての可能性も含めて力を借りることができる。
これはカリミヤノゾムの家系的な秘術というか特性なので、本来備わっているものだ。
でもまだ練度が低い。借りれるものは限られている。
でも本当に大切なものも借りて自分の力になるから、侮れないとナナナは冷静に分析していた。
「かりみんのやつ強いか弱いかはっきりするのん…ナナナの力の百分の一でも貸しとくのん」
貸して盛られることもある。盛られるので貸しの力が膨らむ。
膨らンで欲しい。でもかりみんが心配なのん。
深層転移。
かりみんのとこに一瞬でワープ。
そして大ピンチのところバナナソードで敵を屠る。
「危なかったのん。かりみん大丈夫?」
「ナナナちゃん僕はもうだめだ。おいて行ってくれ」
「そんなことないのん。マリンとスランとアグニスの力を借りるのん」
「貸してくれないよ拓郎さんの許可がいる」
「いらないよマリンと仲いいしスランもそんな意地悪しない。アグニスさんも貸してくれる」
どうやら貸してくれた。借りる力を。
すると身体能力が化け物レベルになる。
これは…でもこれは俺の力じゃない。
そんなこともありビギナーダンジョンをクリアできた。
そして最後の部屋にある宝箱から一箱のフィギュアがあった。
なんだろう? 僕はフィギュアを集めているから凄く助かるけどこれがダンジョンの報酬?
それが最高の最大の全ての最悪を覆す出会いとなるとは思わなかった。
「あなたが私の私たちの最後の希望……どうかお願いしますカリミヤノゾム……あなたの力で私の王国の民を救ってほしい」
フィギュアは生きるフィギュアだった。
そして生きるフィギュアは困っているようだ。
ダンジョンの中にあるフィギュアの王国で戦争が起きそうになっていた。