第255話 仮実谷 望はビギナーダンジョンを攻略するようです
カリミヤノゾムは現在ネオニッポンバシの自宅まで帰らされていた。
おまえでは闘いについてこれないと判断されて、そうなる。
攻撃的になる自分の性格があだになるとナナさんに指摘された。
本当はカリミヤ君は強いけど、まだキャパシティーが不足していると言われた。
霊獣のみの使役だけではまだ実力不足だと思われる。
ニッポンバシにあるビギナー向けのダンジョンに来ていた。
新設された10階層までしかないビギナー向けのダンジョン。
敵はスライムに黒カラスに一角ウサギにお化け犬にゴブリンウルフくらいしか出てこない。
ただゴブリンウルフ。こいつが以外にもビギナー向けに強敵だ。
ゴブリンのような人面狼なんだがきもいビジュアルで怖い。
それだけで精神を削られるだけでなく、威嚇のスキル持ちで普通にビギナーには強敵だ。
拓郎とかだとなんなく倒せるが、普通に怖い。
とにかく、カリミヤノゾムは1人だと怖いのでナナナちゃんを呼んだ。
「かりみん。確かに怖い気持ちはわかるんのよ。でもビギナー向けのダンジョンにうちを呼ぶ?」
「でも怖いんだよ。そうだよ怖いよ死ぬ思いで装備も整えてきたのに」
今回のカリミンは普通の格好。
狸のお面にジュラミング鉄が編み込まれた鎖帷子に、ヘルメットに金属バットに安全靴に超強化パンツ。
超強化パンツは股間を護る優れものだ。
たぬたぬの霊装を常に張っているが、それでも怖い。
飛び道具にゲコ丸のカエルの置物(鋼鉄製)を浮遊させている。
二人には感謝している。
これで犬の霊とか手に入ればいいけど……昔飼ってたポチが心配だな。
実家にまだいるけど最近高齢で会いに行けてない。
ポチ大丈夫かな?
猫は昔飼ってた母さんが。
母さんの猫のミケとヤミとハウとロムが心配だ。
あいつら逃げてからだいぶたつ。
どこで何してんだろうな??
だがミケとヤミはもう高齢だ。ハウとロムは殆ど野良だが、俺は最近会いに行けてない。
ハウとロムにはGPSをつけていていまだにその場所は把握している。
実家は天能咲市にある。
ネオニッポンバシからちょっと遠いけど、亜空間高速ジェットリニアですぐに天能咲市まで帰れる。
普通に1時間で帰宅できるから便利になった。
母さんと父さん何してんだろうな?
お爺ちゃんとお婆ちゃんも一緒らしいけどなかなかに高齢だからいつ死んでもおかしくない。
姉も最近姿を見せないし。
妹もいるが最近海外にばかり出張にいっているらしく、姿を見てない。
姉はこのまえお見舞いがてらに俺のところに来たが相変わらず姉さんは普通にさばさばしていた。
二番目の下の弟年齢は今年で20歳になるがハズムは普通に遊び歩いているとか。
あいつバンドマンになるって言ってたのにホストやってるとか。
そして一番下の妹の希望は俺とうり二つの容姿で俺の小さいときの女の子版だ。
今年で15歳になるが普通に可愛い。うちは5兄妹だ。
一番上の姉さんがいて、俺、次女、次男、三女の5人兄妹なのだが。
まあ事情は複雑で以外にもいろいろある。
姉さんはまだ若いが結婚してなく、逆に次女が結婚している。
俺の弟のハズムは売れないホストやっててバンドマン目指しているらしい。
ノゾミは手塩にかけて育てているうちの両親が。
たまには会いに行きたいがそうもいっておらん。
俺はヒーローになりたいからな。
ダンジョンも攻略したい。
ダンジョン探索士ヒーローに俺はなる!
◇
「かりみんいつまで寝てた?」
「ナナナちゃんおはよう」
「ここ図書館だよ、図書館はねるとこなのん?」
「寝ながら本を読むところかな?」
「本を読むとこなのん」
そしてゴブリンウルフの攻略方法を探っていた。
ダンジョン攻略用のハウツー本も借りれる。
図書館でゴブリンウルフやスライムの生態などの本を借りたカリミヤノゾムはナナナとともにビギナーダンジョンに挑戦しようとしていた。