第249話 ゴローは命がけで弟を守る
ゴローとソウロウは二人でおまじないをしていた。
「俺たちは二人で一つだ」
「おう兄貴!!」
「だからこそ! 俺たちは催眠能力を悪いことに使わない!!」
「そうですね兄貴!」
どちらかというと催眠というより睡眠系の能力だということに気づいてないゴローとソウロウだった。
睡眠系の能力で敵の力すらも回復してしまうのだ。
催眠と言うより睡眠系の能力でゴローとソウロウはニッポンバシの街をかけていた。
だがモンスターが多い。
「兄貴!!」
「ソウロウ!!」
二人は手を取り合うだが、そこをゴブリンデスストライカーが襲い掛かる。
!?
「ソウロウーーーーーー!!」
ソウロウの腕に切り傷をつけられた。
「ゲッ弱いなキサマラ」
言語を使うゴブリンだと!? ゴローはすぐさまに治療用のポーションをソウロウに使う。
だがゴブリンデスストライカーはゴブリンの中でも異端な存在で死のゴブリンと呼ばれている。
あまりにもの速さで逃がさないと呼ばれている、最大級の危険度を誇るゴブリンだ。
しかも運の悪いことに亜種だ。
通常のゴブリンが緑色に対して色が黄色のゴブリンだ。
「弱いなニンゲンのオス二人とも死ぬがいい」
「やめろーーーー!! 弟に手を出させないぞ!!!」
ゴローは戦闘態勢に入る。
メリケンサックを装備して格闘スタイルに入る。
くだらないプライドなんて捨てて、ゴローは弟を守るために一人戦う。
ゴローはそんなことにでも命を賭けることができる。
「こいよ!!! ゴブリン野郎!! 俺がお前を殺す!!!」
「喰ってやる人間ドモ……おまえらの肉はさぞかし旨いんだろうな」
ゴブリンが動く、腕に持つ武器はナイフ。
ナイフを投げ飛ばしてくる。
ゴローはよける。
でも掠る。
「オレ様が毒を使ってたらおまえたち死んでるだろうな……クックック」
「毒だと!? まさか」
ソウロウの様子がおかしい。
毒消し薬をすぐに与えるが効かない。
ソウロウが倒れている、息をしてない。
「ソウロウ!!! 目を開けてくれ!!!!!」
何度も呼びかけるが返事はない。
「言っただろ、毒じゃない魔力を過剰に投与して魔力狂写の呪いをかけた」
魔力狂写?? 聞きなれない言葉を紡ぐゴブリンデスストライカー。
魔力は過剰に投与されると毒になるという教えだろうか?
確かに弟のソウロウは魔法使いタイプで普通よりも腕力とかは低いが知力が高い。
頭脳は低いけど、INT値が高いのでなんとかなる。
だがそれだけで敏捷とかも低いからいつも俺が守ってきた。
ソウロウをこのまま殺すわけにはいかない。
ゴローは徐にソウロウの服を脱がした。
そしてソウロウの魔力だまりを見る。
ここか!?
そこをマッサージのようにもぎ取って吸い出す。
絵面なんて気にしている場合じゃない。
ゴローはソウロウの魔力だまりを吸い出した。
そしソウロウの息が戻った。
意識が戻ったのだ。
「兄貴……俺、おれ……苦しかったよ……!!!」
「弟よ!! あいつを倒さないといけないんだ死のゴブリンをな!! だから今一度俺と一緒にあいつを……あれっいない!?」
ゴブリンデスストライカーはいつのまにかいなくなっていた。
どこにいったのだろうか??
そんなこともありゴローとソウロウはニッポンバシの街を二人で全速力でかけていた。
ソウロウを肩に担ぎながら。