第236話 ロシアにてユキトは少年兵と出会う
雪兎はロシアで暖を取る、ロシア人のとある少年兵と出会う
ユキトは一人ロシアに来ていた。
空を見上げる。空は快晴の青空なのに、暗雲に低迷している。
ここはモスクワだ、戦地となっている。アメリカの戦闘機がうようよしている。
爆弾降ってくるな~俺が止めるしかない。
ユキトはただ一人来たのだロシア人を助けるために。
だが、ロシアの戦争を止めるために来たとも言える。
政府がクソなのだ。政府が下級国民を戦地に送っている。
ウクライナとクリミワ共和国との血みどろの戦争が起きている。
ウクライナの味方もしたい。ただ、ユキトは昔ロシア人の青年に命を救われたのだ。
そのロシア人の青年は今どこにいるんだろ?
ウクライナの兵士が空からやってくる。
ロシア人の少年兵が応対している。
ロシア人の少年兵は最後のひとりだ。
「死んじまえ!! ロシアの雑魚め!!!」
「助けてください助けてください!!」
糞がああああああああ!!!
ユキトは走る。そしてサイコキネシスでウクライナの大人の兵士をぶっ飛ばした。
そしてロシア人の少年兵を抱えて空を跳ぶ。
安全地帯を探してさまよった。
◇
「устал устал……」
ロシア人の少年兵は夢にうなされていた。彼は病気の母親のためにロシアの戦争に志願したのだ。
疲労困憊といったとこだ。
彼はまだ15歳で、本当なら高校生になるはずで、学校で、勉強をするはずだった。
目が覚めた。
ロシア人の少年はユキトに感謝していた。
「あなたが僕をこの家の中に?」
「そうだ、お前は今にも死にそうだったからな」
ユキトは少年兵の立場として考えていた。
戦争なんて起きなければ良かったと。
昔は戦争は確かにあったが、遥か昔のことなのに……何故に今戦争が起きたんだとユキトは悩んでいた。
この世界を正すために俺はやってきたのに。
日本にはルナやミリアベルやシロンにクロマルまで置いて来てしまった。
海をテレポートの高速連続使用で渡ってきた星か疲労困憊だ。
拓郎のやつも病欠で手伝えないから俺がひとりできたんだ。
どうすれば良いんだ………………俺はそのまま眠ってしまった。
誰も住んでない空き家で一晩過ごしたのだ。
……朝が来た。
とても寒いが俺は寒さに強い。
ロシアの気候にはなれている。
ただ、夏なのに結構寒いな。
ロシアでも夏はもう少し暖かいのに。
!??!?
俺は外に出て空を見上げた。
なんだあれは!?
空に巨大な機械風の雷の怪蝶が羽ばたいてる。
ウクライナの新型兵器か!?
いやもしかしたらアメリカの新型兵器!?
まさかネオニッポン政府の魔導兵器!? なのか!?
あのやろうまさかゼロのやつ!!
雷の怪蝶は羽ばたきながらロシアの地を焼き尽くした。
ゴオオオオオオ!!! ゴオオオオオオ!!!
レーザー光線のような物がでている。
どこの新型兵器だろうが、俺がこいつをぶっ壊さないと話は始まらないぞ。
ユキトはサイコキネシスで怪蝶を墜落させようとした。
だが、念動力が阻害される。
ならば、サイコガンなら。
バキューーーーン!!!
空中に飛び出す。俺はテレキネシスで浮きつつ、反動を利用する。
だが、雷の怪蝶は止まらない。だが、煙がもうもうと出ている。
もう少しだ。
雪よ、雪よ、氷の絶勝よ。
儚き加護の雷氷よ、セカイを雪に包まれろ! ワンダーエッグサイコスノー(超雪沈み乃殻から弾け飛ぶ雪の弾丸)!!!!!
届いた!
雪の弾丸は雷の怪蝶を粉々に消滅させた。
そして悲劇は起きる。
少年兵の寝ている家が燃えている。
どうするんだ。雪よ頼む!!冷やせ!!
だが消えない家はゴオオオオオオと燃えさかっている。
ふざけんなふざけんな!!
敵は倒したのにあの少年が死ぬのかよ!!
フザケルナ!!!!!
ユキトの我慢が最大値にあがっていた。
冷却水の覇道。
冷水火止めの冥想真水の念水波動(リアンダーアクアメソッドフォルテシモパワー)。
火は消えた。
少年兵はなんとか命を取り留めた。
だが、息をしてない。
呼吸が止まってる。
「どうしてだよ!? せっかく火を消したのに! どうしてだよ!! 何とかしてくれよ……」
ユキトは諦めてしまった。
そのまま自分の能力で少年兵を凍らした。冷凍保存することで体と命を保つことが出来る。
このとき少年兵の魂を喰おうとしている存在がいた。
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