第223話 宮帝祭儀の誘い
新章開始です。ではどうぞ。
仮実谷とはその後なあなあで仲直りした。
俺が友達になってやると言ったら普通に調子を取り戻して小説を書き始めたぐらいだから。
その後俺はだらだらと過ごしていた。毎日がだらだらと続く。
たまに稲荷仮面でモンスターを倒してクリスマスを過ごして正月を過ごして、普通にくそ寒い冬を過ごして、いつの間にか俺も21歳になって2023年になってた。
また春になって4月5日に起きた。
1枚の手紙が送られてきた。
赤い封筒に丁重に備えられている便せんだ。燕のようなマークが書かれていてなんだろうと思っていた。
「どうしたのだ? 拓郎……なんだその手紙は?」
ダクセルもといコヤミが俺の手紙に興味深々だ。
ダクセルは自身の名前をかっこ悪いので改名してと志願。
よってコヤミちゃんとした。
「それはかっこいいというより可愛いなのでは……」
でも気に入ったのでコヤミちゃんになったようだ。
「ふふふふっあなた様が良いですか? ご主人様だとどこぞのアホ青髪と被ってしまいますし」
カグヤがべたぼれだ。鬼と人間のハーフの霊だが、なかなかに強いこの娘。
メイドのリュートが少しだけ不思議そうにしている。
「もしかして赤旗というやつですか? 拓郎指揮官!! 戦争にいくでありますよ!!」
「物騒だな……まあいいや開けてみるか」
赤い手紙を開けると宮帝祭儀へのご案内と書かれていた。
宮帝祭儀ってなんか大行だな。
詳しいことはわからんが俺のひいひい爺ちゃんが開催主らしい。
一応爺ちゃんに聞いたが。
「このひいひい爺ちゃんの魔視美夜元楼斎って本当に俺のひいひい爺ちゃんなのか? いったいいくつなんだ」
「儂のおじい様だな。魔視美夜は増宮の改定前の旧字のようなものだ苗字自体はほぼ同じだからな」
「そうなんだ」
「そういえば今日従兄弟の詠美が来るぞ弟みたいもんじゃろ、仲良くな」
「ヨミが魔視美夜なんて旧態漢字の苗字だなんて初めて知った」
その後ヨミが来た。
俺の2歳下で弟みたいなもんだ。従兄弟だけどまあそんな感じだ。
「たくにぃこんにちは……今日から居候させて貰うことになったんだ」
「そうなのかヨミ。これからよろしくな」
「誰だその童は?」
「なんだその色黒女はたくにぃ見損なったよ」
「俺の契約武器だ伝説の魔剣だ」
アグニスを剣に戻す。それだけ不思議だったと思ったらヨミはあまり驚かない。
「僕の実家は言ってなかったけど武術を重んじているんだ、だから妖刀の類は知っているんだ」
「うむ拓郎には黙っていたが魔視美夜の一族は妖魔退治をしている一族なんじゃ」
「なんだよそれ初耳だぞ」
「でも妖魔なんて都市伝説レベルで現代には存在しえないよ昔はいたんだけどね。武術と剣術を鍛えるだけの訓練しかしてなかったよ」
だがどうやら訳ありのようで、俺に隠し事があるようだ。
そうえいえば俺が行っている道場で修業をしているというと僕も修業したいと言ってきたので師匠に許可を得て一緒に修業をすることに。
さらにヨミは塾にも行っているとか。どうやら資格のある者だけがいける塾のようだ。
なんか面白そうだから俺も行きたいと言うと塾長の人に許可を得るようだ。
そして塾の入塾試験を受けることに。
塾の試験はごくごく簡単視る試験だ。
塾の塾生が特殊な光線を使うアイテムで俺を狙うとか一本取られると負けだとか。
特殊な光線はただの目くらましのようだ。
俺は塾生を巻いてゴールを目指すがヨミが立ちはだかる。
ヨミは札を取り出す。
そしてなにやら呪文のような言葉を発している。
そして猫のようなものが召喚された。
「拓郎見えるの五月のことがーーーー!?」
「普通の人間に見えないじゃないのか?」「あいつはダンジョン異能者のようだからな」
塾生がひそひそと話している。
それより塾長が騒いでいる。
「実は近くに妖魔の気配が……」
「そもそも妖魔と魔物の違いなんてあるのか今更?」
「あるよ古来より日本にいる存在する妖魔が妖かつ妖怪という我々妖魔退治士の敵で人々を混乱に陥れていた存在だ」
先ほど召喚した魔の猫は式神で契約した妖魔らしい。
まあなんだ俺の従魔と同じらしいな原理は。
枝分かれした妖魔の系譜も日ノ本の動乱の時代から古くから妖魔退治士は歴史の陰にありらしい。
魔視美夜はその名の通り魔を視る美しい夜の眼を持っている一族らしい本家が魔視美夜で分家の俺の家が増宮で分家だから苗字が違うとかいう歴史ありのことを今更ながら知った。うちって妖魔退治の血が流れているのか俺にも。
まあ増宮は多少の闘気のコントロールに長けているだけで式神も使えない欠陥一族らしい。
いやでも俺まあまあ強いからもともと。
ダンジョンというものがなかったら強くなれなかったけどまあいいわけだな。
でも妖魔なるものは昔見たことがあるような気がする。昔って言っても最近のような気がする。
それこそ8年ぐらい前だったような。そんな気がする。
俺は現れた狼のような妖魔をヨミが倒すのを見て。異能現代和風ファンタジーは存在することを確証した。
まあ異能洋風現代ファンタジーは最近まであったからこれはまあいい。
俺はヨミに持ち掛ける。
俺と日本橋ダンジョンを攻略しないか?
そんな提案をするが。
「嫌だよダンジョンなんてつまらなそうそれより妖魔を退治したい。妖魔退治したい! 妖魔どこだーーー!!」
「ダンジョン行けば魔物にたくさん会えるぞ」
「あれはまがい物だ作りものみたいだ本物の悪意の塊は妖魔だ」
どうも織が合わない。それだけヨミはつまんなそうだ。だけど明日日本橋ダンジョンの50階層にいくことに。
最近低階層もレベルが高い敵が出始めているから俺も用心したほうがいいようだ。
だが明日の日本橋でまたもや事件が起きる。
衝撃的な事件だった。