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第219話 思いは現実に

久々ですまん、日常でも色々あるんだ。



光の道しるべは彼方の先に見えた。


炎の通草のコオロギはリンリンと涙ぐむように泣き続けた。


改善策を講じた茜注す太陽の光線は、不意に狸仮面の眼前に黄色の落とし物を見せた。


かくして、穴蔵から飛び出した狸の化身は嘘偽りを付く代わりにこの世の正義を精巧した。


挽回する事も叶わずに明日のない世界を切り崩した結果、狸仮面は今一様に瓦礫の下敷きになろうとしていた少女を救おうとしていた。


無惨にも安泰とした唐草は燃え尽きそうに感じた。サラマンダーが火炎を吐き出す。


攻撃したい。逃げたい。防ぎたい。でも死にたい。死ぬのはまっぴらごめんだ、死にたくない。創造的にこいつを破壊する。消すには万乗のチェス盤をおもむろにひっくり返す。そのまま駒を消す。そして真面目に風で倒す。


あつれきのある捕縛液がサラマンダーの足元をかすめる。カリミヤは捕縛液と言う名の絶対補助の雄大なとまではいかないが、不屈の心でサラマンダーを捕縛しようとした。


だがそれは上手くいかない。


攻撃は不発に終わる。


無邪気に笑う少女がいた。


「バカみたいに動いているけどあなたは弱者かな? アハッ☆」


普通じゃない不可思議な宇宙的格好をした紫の感覚を刺激するバスターな少女はビルから飛び降りた。


急行落下して地面すれすれでふわりと浮かび上がる少女は仮実谷を励ますようによしよしとしてサラマンダーの首根っこを掴んで、投げ飛ばした。


そのまま不思議な力で仮実谷を連れてちょっと外の世界に動き出す。


それから仮実谷は少女とともに……ならなかった。


いつの間にか外で倒れていた。


どうやら幻覚を見たらしい少女などいなかった。


「あれはなんだったんだ?」


わからないが、意味のないことだった。


それだけ不思議な意味深な幻覚を見たらしい。意味が不明だ、気がおかしくなる。ふざけている場合じゃない。


戻るときだ、みんなのところに仮実谷は嘆いていた。狸仮面としてヒーローの真似事をしているが、弱いのだ自分は。弱すぎてゴブリンぐらいしか倒せない。オークとかだと期をそらす程度だ。それだけ普通じゃないほど弱々しいのだ、不満だ。自分の弱い魂も弱い肉体も嫌いだ。ひねくれてばかりいる自分がいる。


自分を変えるには自分の性根を叩き直すしかないから、修行するしかない。


「こっちにもモンスターがいるぞ! でかいぞあれはなんだ!? でかい狼か!!?」


なんだろう見たことがない。ベアウルフよりもでかいし、体長3メートルはあるであろう。


それが目の前の逃げ遅れた男性をひと噛みしようとしている。


逃げろ!! 逃げるんだ!! 間に合え!! 間に合えよ!!! 間に合えよ……間に合えよ。


体よ動けよーーーーー!!


動いてほしいが、動かない。


死…………………


止める前に止めてやる。


俺は心霊波を籠めて目の前のベアウルフよりでかい狼に殺気を当てた。


狼は動きが鈍くなる。こっちを見ている。


俺は心の刃を向けた。


矧加澪天しんかれいそう《オーバーアンバランスクラッシュ》


狼は巨大な建造を崩壊と言う名の歌と共に静かに倒れ伏せた。命を奪わずに宥めて沈めた。


だが、瀕死の重症だ。襲われている男は逃げてしまった、狼も凶暴になった原因があるかもしれない。モンスターたちの凶暴化の原因を調べたい。


だから俺はまだここで静まりたくない。


仮実谷は走った。この世界の危機に対して敏感になっていた。怒涛の暴走からくる怪物たちを止められるか。

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