第218話 仮実谷はコボルトを助ける
仮実谷はいつもこの道、ダンジョンで餌を持ってくる。
敵対してない普通の魔物に餌付けしている。
夢の世界は意味不明だけど神秘的だ。意味深な夢を最近見る。
この世は苦しい。でも楽しい。そんな予感がする。
俺はいつも自分のことを考える。でも他人のことも考える。迷惑はかけたくない。自己満はダメだ。
理解できる友達が欲しい。欲しいけど手に入らない。昔の友達とは疎遠になっている。
そんな感じで新たな子供をみつけた。
コボルトの子供だ。小さな害あるものと認識したのか俺に対して刃を向ける。
暗影の殺法だ。だが子供だから遅い。なんとか躱せる。
コボルトの子供は俺に対する凶暴性を見せている。
本来人間は敵だ。敵なら威嚇する。情け容赦ないのが普通だ。
俺はコボルトをなだめる。だが噛みついてくる。でも俺は何とか防ぐ。
するとコボルトも警戒心が解けてきたのか、少しずつ俺を見る目が変わるように感じた。
完全な物事は決まらない。でも有限無限なことは存在する。
魔法があるなら使いたい。でも俺には不向きのようだ。
世界を変えるには勇気が必要なことだ。表面上優しくても自身の中にあるドロドロとした感情を抑え込もうと躍起になる。
コボルトは俺の餌をもらう。美味しそうに頬張る。嬉しいな、こんなことで俺は楽しめる。
義務感よりも正義感だ。有利な話。集中すると何かが起こる。ような気がする。そんな感じだ。
最近の世の中は面白くない。喜劇が見たいんじゃない。出鱈目な感想が出る。不条理が多い。最近探索者が大暴れしているとか、外国で軍がスキルを使用して敵国を襲っているとか、そんな不条理が。
破壊と殺戮を止める力が欲しい。モンスターだって危険があるが、それでも罪は無いのだ。
俺が破壊と殺戮を止める。止めるためには力が欲しい。
仮実谷には急激に体の廻りに彷彿とするオーラのような不思議な力が取り巻いているように感じていた。だがそれはただの勘違いだろうと、ただ気の力に過ぎない。モンスターを倒した副作用だと思っていた。
俺はクズだ……俺に襲い掛かるモンスターを倒してしまった。助ける魔物を選んでいる。
そんな利己的な人物だ俺は。
好きなことをするのが一番良いと思う。たまにはやらないことをするのもいいかもしれない。
今日は小説を書いてみるか。昔書くのをやめたやつを。
何かと助けたいもので…