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第215話 くすぶる激闘への伏線

 爆発する断層の柱が空懐する。激熱の空振が氷柱にヒビを入れる。


「千雷!」


 重圧的な雷がアロンドスピードアイスナイトにぶつかる。


「ナナナのバナナ爆弾」


 ナナナが出鱈目な爆弾を使う。七色に光るバナナ味の爆弾だという。威力的には本物の爆弾と変わらないという。


「殲滅の業火よ! 奴を焼き殺せ!!!」


 ナナカが言霊の力を使い敵を焼き討つ。


「喰らいやがれーーーーーーーーーーー!!」


 アグニスが業剣で敵を一気に斬り落とす。


「マリン流水恋悲運懲罰流し~~~~」


 ただの津波攻撃にしか見えないが……でもマリンのことだ何か考えがあるんだろ。


 そのまま物凄い勢いで北海道ダンジョンの中を進んでいく。


 かなり奥にまで来たのだが先が見えない。


 どれだけ奥に行けばいいのやら。


 だがある空間に来た。


 氷のオブジェが沢山並んでいる。そんな虚空の空間だ。氷像の女ばかりだ。悪趣味だと思ったが人の趣味にとやかく言うわけにはいかない……人ならばだが…………


『思っていた以上に早く来たようだな……挑戦者どもよ……我の前に現れるか愚かな人間どもよ………………』


「てめえは…………アンデットだな…………」


 タケルが主人公みたいに発言する。タケルは俺よりも主人公気質だった気がするけどな……


 氷結のアンデット……【氷草の穴蔵の魔導骸骨モルクフォールリッチ】と呼ばれる希少種のようだ。人語を理解するとは思えなかったが……


 リッチはリッチだ。希少種とはいえそこまで強いとは思えない。


「灰炎」


 俺は新たなスキルを発動させる。灰のように細かい炎を展開させる。


 ユキトは久しぶりに念動力で攻撃している。


 月名るなは暗黒超魔術を発動して敵に呪いをかけている。


 シロンはがんばって光魔法を発動している。


「えいや~~~!! えいや~~~~!! ていや~~~!! これがせいいっぱいですね……ふぅ~がんばったですか?」


「えらいなシロン」


「ええ拓郎さんが褒めてくれるなんてありがとうですにゃぁ~~~」


「うちのシロンをたぶらかすな拓郎」


「嫉妬してますねユキトさんは」


 ミリアベルがなんだかよくわからんがユキトにちょっかいかける。


 タケルがリッチに殴り掛かっている。


「貴様! 本当に人間か?」


「どうだかねっ……それより後ろががら空きだぞ?」


 リッチの背後からサクラがとびかかっていた。


「御免」


 サクラの刀がリッチの首を捉えていた。


 リッチはあっと言う間に切り裂かれた。


 北海道ダンジョンから自宅に帰宅して次の日以降また集まるようにした。


 カグヤは少しづつ慣れてきたようだ。


「拓郎は優しいのね……本当に私を養ってくれるの?」


「もちろん」


 俺はカグヤの面倒を見るといったのだ。


 異常なまでの圧はなんだったんだろうな? と少しだけ考察を開始する。


 北海道ダンジョンはたまに攻略をするとみんなに言っておいた。


 もっと異常なまでの現実を見せつけられるのがこの後のことだった。


●●●





「なんで私がこんなところに集められるんだよ?」


 虹浦尼李ことアマリは暗いアウトローの世界に身を潜めていた。


 現在は父親が帰宅しているが相変わらず仕送りは日々減り、貯金が目減りしているのだ。


 よって学園都市でアウトローな何でも屋をやっている。


 アマリは相棒としてある人物を雇っていた。


「狸仮面が今日は同行する……例の通り正体は伏せている」


「私が出向くんだから……面倒ごとは無しですよ」


 狸仮面はアマリと行動を共にしているようだ。


 一仕事を終えた後はアマリは狸仮面の正体に話しかける。


「なんでこんなことしてんだよ……私だけでいいのによこういう裏の話は……」


「アマリさんがこういう危険な仕事をするなら一心同体ですよ……それより私は自分の趣味を仕事に変えたいですよ」


「まだ書いてるのか?」


「ええ一番好きなことですから」


 男はスマフォ片手で物凄い勢いで打ち込んでいく。


 彼が書いているのはもちろん小説だ。


 狸仮面は現在現代のダンジョンを主題にした現代ダンジョン物を執筆中だ。


 幸いにも結構人気が出ているようだ。


「増宮拓郎さん……あなたは今何しているんでしょうかね? 僕こそが主人公になってみせますよ」


「仮実谷さん……なんて不憫なんだ…………ヒーローとしてはダンジョンで若干鍛えた程度で大した程強くないのに……護衛のために私の仕事を手伝ってくれるなんて…………」


「それはかりみんがまだ未知数の力が眠っているということだよ……アマリちゃん?」


「そうなのん! だから私はかりみんを応援するのねん」


 ナナカとナナナが急に現れる。まるでずっと見ていたかのように。


「ナナナ……ありがとうどうしたんだいきなり?」


「アマリちゃんに計画があるのねん! 稲荷仮面と狸仮面の対決を計画しているのねん……ぐへへへへへへっ……面白いことが起きるのねん」


「出たナナナの悪巧み……面白そうなら手を貸すわよ」


 実際のところかなり面白そうだとカリミヤは考えていた。


 あのナンバーワンヒーローの稲荷仮面と肩を並べられたら自分もヒーローとしても一躍有名になる。


 ナナナちゃんやナナカちゃんにアマリちゃんの助けが無かったら自分はヒーローなんてできなかっただろう。


 それだけ自分の活躍が心配だ。


「まずは拓郎のヒロインズの一人を拉致ってこよ~!!」


「えええ~~~!? それは不味いよナナナちゃん?? ダメに決まってるよ犯罪だよ~~~!!!」


「いいのんいいのん、ナナナが今回の首謀者だからたくお兄様が悪いのねんかりみんお兄ちゃんのためなのねん……ふひひっやってやるのねん」


 ナナナが暗黒微笑を決めた瞬間だった。

なんだろう……凄く茶番なのに……不穏な感じがする

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