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第212話 雪沈む時

 雪兎……雪兎…………


 なんだ……俺を呼ぶ声がする…………何だこの声は?


 現在雪兎は北海道ダンジョンの探索に来ていた。


 ミリア・ベルが寒い中雪兎に尋ねる。


「こんな糞寒いところになんできたであります?」


「俺の生き別れの妹零を探しに来たんだよ……あいつは俺と同じ氷結系の能力だからな」


「ふふっそうなのか零を探しに来たんだな……」


 どこか静かにいつもより声のトーンを落としている月名ルナがいた。


 何故かいつもより元気がない。


月名ルナどうしたんだ? いつもより声に張りが無いぞ?」


「ななんでもないよ! それよりシロンはどう思う?」


「ふえっ? 寒いからコート着ているよぅ……ふにゃぁ……眠いよ」


 シロンは連れてくるべきじゃなかったと思ってしまう雪兎だった。


 クロマルはそんなときでもしっかりついてくる。


 ユキッコも一緒についてくる。


「ユキト~寒くないよ~~~」


 ふわふわと浮いているユキッコは途轍もなく気持ちよさそうだ。意思疎通が出来るようになってから久しい。雪兎はそんなことでも少しだけ嬉しかった。


 後ろから付いてくる影が一人ナギさんだった。


 なぜ彼女が付いてくるのかは不明だった。雪兎は気づかないふりをしているが限界だった。


 そして唐突に雪兎はナギの前に現れる。


「すみません……ついてきてしまった」


「どうしてついて来たんだ?」


「ユキトが心配で……」


「俺が心配どうして……?」


「それは…………」


 ナギが目を逸らすようにするが雪兎は何故にそのような反応をするのかがわからなかった。


ナギとは三年前からの付き合いだ。どっちかというとナナナとナナカのほうが付き合いが長いのだが…………って後ろのほうにナナナとナナカもいるじゃないか!?


「おいナナナなんでお前までいるんだ?」


「ふふふっふふふっユキトだけずるいにゃんなるっ! どうして私たちを呼ばないのであーるうにゃんこ☆」


「ユキトの行くところ私ありですよユキト」


 こいつら……まあいいかこいつらの力は俺に匹敵するからいてくれたほうが嬉しいからな。


 ナナナの能力はまだ未知数だからな。知っているレベルでこいつは物を生み出す力に目覚めているが如何せんしりとりでしか出せない。


 しかも食べ物限定基本的に。でも例外はある。俺をぶん殴るときにバットを生み出してぶん殴ってきた。


 おもちゃの爆弾も出したことがある。


 たぶんだがバのつくものバナナをこいつは無限に出せるということを俺は知っている。


 だからなのかバのつくものは無制限で出せるという言葉遊びがある。


 謎の能力だけどバナナ関係の武器とか出すしこいつのどこにバナナを動機づけるものがあるんだ……


 それはもちろん手軽に食べれるし美味しいからかなにゃんふるっぽい。


 …………おいナナナ人のモノローグ的な感じの文章に割り込んでくるのは流石にやりすぎだろ? 聞いてるか? ナナナ?


「だってユキトの頭の中は常に覗いているし! ナナカに教えているし!」


「今すぐ辞めさせろ!」


「嫌と言ったら?」


「お前を消すつもりで記憶を消去してやる」


「にゃんだと~~~!! ならば問おう汝が私のマスターか?」


「違うだろ!! ああもうーーー!! お前は昔から俺の頭痛の種だな……」


「ユキトの体が熱くなっているね……じゃあいっしょにあっちでしよ……」

 ナナカが大人な顔になる……俺は少しだけナナカの口を黙らしてナナナに目を向ける。


「ユキトったら……いけない男に育ってしまって……」


「くっ……あんなに可愛かったユキトが色男になりやがって……!! ならば召喚タケル!」


「いつの間に!?」


「どーも雪兎……お久しぶりだな」


 タケルまで来ているなんて聞いてないぞ……さあてどうしよう。


 もう拓郎も呼ぶか? と考えたユキトはどうするか考えていた。


「タク君も呼ぼうよ新しい仲間増えているみたいだし!!」


 ナナナが久しぶりに会いたいようだ。連絡先交換しとけと……あっナナカが飛んだ。

 ナナナも一緒に。


 連れてきたようだ。


「どうしたんだナナナ? いきなり来て来いよって感じで突然連れてきて」


「お兄様と会いたくて」


「お兄様? 俺が?」


「ナナナにとってタク兄はお兄様ですよ」


「ナナナって拓郎になついているよな」


 ユキトがそう助言する。


 拓郎はそんな意見を聞くがあまり記憶にない。


「そういえば俺ってあんまし昔の記憶ないんだったな……あんまし覚えてないんだわ」


「新設定ですね! 最強チート野郎のくせにっ!!」


 ナナカがそう言う。お前が言うか……確かナナカは言ったことが実現する発言能力者だろチートとはどっちのことだ……


 私のほうが無限大で夢幻な常識破りな最恐能力者ですにゃんだふるっ!! 本当にヤバイのは私だっ!!!!!!


「………………」


「そういえば……テルネアスさんはどうした?」


 ナナナが恐ろしい程な眼力で俺を睨む。どうしたんだ……俺が気押しされるなんて…………動けない……ほどではないが動きがいつもより遅くなる。


「どうしたお兄様…………うむっ我が禅星眼を受けてまだ動くか…………なんてっお兄様少し弱くなった?」


 こいつ……ナナナは俺も考える中で異常なまでのこの眼の力だ。


 あまりにも強力な魔眼を持っている。


 本当に恐れるのはこの出鱈目なところだ。


 俺よりも優れているこういうところは……


「そういえばここに隠れているようだな……」


 ナナナが意味が分からないことを言った瞬間にナナナはナギを突き飛ばした。


 こいつ凍ったバナナでナギを殴っている。


「いきなり何をするんだナナナ!?」


 問答無用でナギを殴りつけるナナナの考えは何処に!?

ナナナの凶行にはある考えがあると良いが……

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