第211話 天使排斥運動
奴らは天使の形をした悪魔だ。
違う悪魔よりも天使の方が恐ろしい。そんな声を上げ続ける団体があった。
エンジェルバスターという団体だ。そいつらはモンスターの天使ばかり倒していた。
天使の中には凶悪な顔つきのものもいた。だがそういうのは生まれつきの姿で彼ら彼女らには使命があった。
だがエンジェルバスターは天使を排斥し続けた。
エンジェルバスターのオルガンは天使を倒すためにダンジョンにて魔法を習得した。
オルガンは魔法の杖を用いて天使を虐殺することに燃えていた。
「翼を生やした天使は悪だ!! 殺せ!!」
「「「「「「おーーーー!!」」」」」」
だがその前に異形の怪物が現れる。
白髪の狐耳を持つ若干顔つきが狐のような少女が現れた。それと紫色の髪の少女も現れた。
「エステルフレイム!!」
「ショット!」
エンジェルバスターの団員共は残らず駆逐された。
なお死んでないで記憶を消去されただけだ。
イルミナとテルネアスは安堵の息を吐いた。
「拓郎の奴めんどくさい雑魚狩りを私らに頼みやがって……」
「まあしかたないでしょう…………でもなにか不穏な動きがある…………イルミナここは任せるわ…………」
テルネアスは外に出るつもりだった。多重魔法配列因子起動。転移魔法を発動し外にワープした。
そこには暗黒の巨人がいた。悪魔巨人と呼ばれるその存在は天魔塔を飲み込むレベルだった。
「相手をしましょう…………この程度造作もないですね…………」
テルネアスは魔神銃を手に取る。自身の女神化を使用する。翼が生えるその瞬間に現在の位階の存在度が大幅に上がる。
そこにはテルネアスだけではなく当幻想美もいた。
「テルネアスさん……私も支援します」
「当幻さん……あなたは私よりも現界が低いはず……だからやめておいたほうが…………」
「これでも?」
当幻想美は一瞬で魔術回路のシークエントを速める。
軌道式を単純なものに変更して魔力をいつもより多めに流すことで魔術回路の変換スピードを速めることで魔術の発動や威力を高めることが出来る。
だが半分はもろ刃の刃だ。魔術回路のシークエントを速めることは回路の使い過ぎでショートを起こす可能性がある。
だがそれでもまだ負けられない。
想美はそれだけ本気だった。
暗黒の悪魔巨人を倒すために二人は本気を出そうとしていた。
拓郎はこの時エンジェルバスターの総統と対峙していた。
「ノンノンノン…………トレビアー―――ン!! あなたもしかしてあの稲荷仮面ね? 凄く素敵じゃない!」
なんだろう……凄くおかまっぽいこの総統は確かバスター友崎とかいう奴だったな。
だがスキンヘッドで女みたいに化粧してやがる。気持ち悪い凄く生理的に無理だこいつは。
「うちのエンジェルバスターに無理やりでも入れてあげるからね☆」
うむっきもすぎる殺すのはダメだから手加減してやらないと。
バスター友崎は天使を排斥するなら俺が邪魔をすると言ったら、「ならばわたくしが懲らしめちゃうからね☆」と気持ち悪い姿勢で笑顔で飛ばしてくる。
「バスターちくちくちくびーむ!!!」
「グゴガッ!?」
嘘だろ俺が吹き飛ばされただと……!? こいつなんで俺に攻撃を当てられた?
だがすぐに態勢を取り直して殴る。
「トレビアン!! ハイショー!!」
「ふんっ……」
俺はいつもの十分の一ぐらいの威力で殴る。
だがおかまの総統は投げキッスをしてくる。
それを回避して後ろ廻し蹴りを喰らわす。
吹っ飛ぶ。そのまま気弾をぶつける。ミニファイヤをぶつける。すると動かなくなった。
「バスター総統!!」
オルガンたちは総統を連れて帰っていった。
エンジェルバスターはその後警察により捜査が入り解体される。
バスター友崎の脱税が発覚してエンジェルバスターは解体された。
だがいまだにオルガンが信者を集めて天使を排斥している運動をしている。
厄介な集団はなかなか解散に追い込めないようだ。
アルスクルドはこのまま天魔塔を守るとか。
俺たちはアルスクルドに別れを言って帰った。
なお悪魔の巨人はテルネアスと想美ちゃんが倒したようだ。
何故このような存在が現れたのか定かではない。天使に誘惑されたのかもしれない。
もっと物語を書きたい。だからもっと書く。