第21話 モンスターが街に現れるようになったので夜な夜なこっそり討伐してみた
俺のレベルが300を超えたとき、街に異変が起きた。
ついにモンスターが現れたようだ。
俺は120階層で手に入れた狐の仮面をつけてローブを羽織り、街に出た。
今は夜の9時ぐらい。
気配察知Lv.7を使い、モンスターの気配を察知する。
いた。
東の方向に4体ほどモンスターが出ている。
距離にして2キロほどのところだ。
俺は駆けた。
そして人々が悲鳴をあげている。
「化け物ーーーーー!!!」
「モンスターだーーーーーー!!!」
俺はオーガとオークとゴブリンとコボルトを風魔法で倒した。
そしてその場を無言で去る。
その場にいた人たちは謎の人物がモンスターを退治してくれたと思った。
そんなことができるなんて凄いと感じていた。
次の日、昼間からモンスターが現れた気配がしたので俺は現場に急行した。
ゴブリンの群れが12体ほど現れたようだ。
俺は雷魔法で止めをさした。
人々は俺を謎の人物とした。
そしてそんな日々が数日続いた。
いつの間にか稲荷仮面とかいう謎のヒーローがいると噂になっていた。
テレビでも刈宮市には稲荷仮面が出没すると特集が組まれていた。
「はっはっは!! 拓朗お前がテレビに出ているぞ!!」
アグニスが騒ぎ立てる。
「そうですね。拓朗さんはもう有名人みたいですね」
蒼威ちゃんもそう言う。
もう蒼威ちゃんまでそんなこと言うのかよ。
だが、俺がいつの間にかヒーローになるなんてな。
しかしテレビで不吉なことが流れる。
警察が稲荷仮面の行方を追っているようですと説明するキャスター。
それで報道は終わる。
どういうことなんだいったい?
そして稲荷仮面として活動する中、ついに黒い穴のダンジョンを見つける。
そこに蒼威ちゃんとアグニスと共に跳びこんだ。
1階層はゴブリンしかいなかった。
普通に倒す。
もはや作業になっている。
そして次は5階層ぐらいで黒い馬が出てきた。
ブラックホースとか言う名前だ。
仕方ないので南無さんと首を斬り落とした。
お前には恨みは無いんだ悪いな。
18階層はハイオークバーサーカー。
だが余裕すぎてあくびが出る。
そうしてついに30階層まで来た。
「ぴきー! ぴきぴきー!!」
「おっスランやる気か?」
「ぴきー!」
どうやらスランがやる気のようだ。
今まで俺が戦っていたからか。
そして30階層のモンスターが現れた。
デンジャラスモンキーの群れが30体ほどにキングデンジャラスコングが中央にいた。
スランが水魔法を放ちウォーターカッターで切り裂く。
水撃でさらにデンジャラスモンキーの群れを殆ど倒しちまう。
そしてキングデンジャラスモンキーを俺の炎魔法と蒼威ちゃんの水魔法で攻撃。
一撃でした。
いや二撃か。
そうして黒い穴のダンジョンをクリアした俺達は外に出た。
そして自宅まで空間転移した。
次の日、またパトロールで街を回っているときモンスターが出たので女の子がヤバそうなので助けた。
「ありがとう稲荷仮面さん……」
その女の子は俺を見ると少しだけ怯えていた。
ゴブリンを拳一つで吹っ飛ばしたからか。
まあそういう眼を受けるのは仕方ないのかね。
俺は女の子に飴さんをプレゼントした。
すると女の子は少しだけ警戒感を解いた。
そして俺は去る。
次の日、火事が起きた。
たまたま隣町まで来ていたので、消防車が到着していたので俺は目を剥いて驚いていた。
モンスターだけじゃないのか……と
脅威はモンスターだけではない。
俺は駆けた。
8階建てのマンションの6階部分から火の手は出ていた。
まだ取り残されている住人がいた。
俺は体に水の膜を魔法で張って跳びこんだ。
すると女の子と男の子が倒れている。
一酸化中毒を起こしている。
俺は毒素を取り除く回復魔法。
キュアポイズンを唱える。
さらにヒーリングを唱える。
三回ぐらい唱えておく。
そして肩に担いで女の子と男の子を救出する。
俺はマンションから着地する。
その子たちを消防隊員に手渡す。
女の子と男の子は血色のいい肌をしていた。
ついでに火を消しておくか。
俺は水魔法を放つ。
ウォータースクリューを放つ。
火は瞬く間に消えていく。
そして全ての火が鎮火した。
人々は信じられないような眼で俺を見る。
「稲荷仮面すげえーーーー!!!」
「稲荷仮面が女の子と男の子を救ったぞーーー!!!」
次の日稲荷仮面がマンション火災を解決したニュースは瞬く間に世間に駆け抜けていった。
俺は当然のことをしただけなんだがな。
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