第207話 成長するオタクたちは高みを目指す
紅蓮の拳とエナとサバ味噌とキリリンは100階層という上級の探索者としての門を開いた時だった。
だが現れるモンスターは最上級の敵だった。
爆発的に生じるマナの波動。
エルブローフォムという魔導士系の魔物だ。
俗に言う魔王系にも属するモンスターなのだがグレンはそこに気づいた。
「あいつは魔王だ……やばいぞお前ら下がってろ」
「拙者も戦いまする!」
「我もですぞ! 紅蓮の拳殿!!」
「クル…………」
凶悪な炎弾を放ってくる魔導王。
放たれた炎弾をグレンは拳で粉砕する。そのままサバ味噌とキリリンの護衛はエナに任せて自分はエルブローフォムに突撃する。
豪快に走り進み縦横無尽に敵に近づく。
紅蓮の拳に火がつく。波動を抑え込むようにそのまま放とうとする紅蓮。
エルブローフォムの懐に潜り込んだ瞬間、強力な魔弾の連弾が紅蓮に何度も命中する。
紅蓮は気合でそれを痛くないふりをする。
さらに近づく紅蓮。
そして魔導王の顔をぶん殴る。
なんどもぶん殴る。
殴る。
殴る。
殴る。
殴る。殴る。殴る。
何度も殴る。何度も何度も殴る。
魔導王が抵抗できなくなるまで殴り続ける。
エナが後方から回復魔法をかけ続けているので耐久が可能である。
さらにグレンは極戦強火を自身の拳にだけかける。
自身の拳による攻撃力だけを3倍に上げる技である。
ただし使用後3分のみ効果ありで、3分後1分の間拳による攻撃力が半分に低下してしまう。
なので短期決戦型の技だから速く決めないといけない。
エナが後方でさらにバフの魔法を使用した。
紅蓮の体力を一時的に10倍に上げる魔法だ。
そしてHPを全回復した。
紅蓮はさらに殴り続ける。相手が死ぬまでに。
サバ味噌とキリリンが動いた。
エナは何故か見逃した。
サバ味噌が巨大なハンマーを顕現させてエルブローフォムを叩き潰す。
キリリンが細身の剣で何度も切り裂いた魔導王を。
「お前ら俺に付いてこれるのか!? どうなんだ?」
「いけますぞ!」
「やるでござる!」
「そうか……ならついてこい!」
その後かなりの猛攻だった。
エルブローフォムが光を生じさせて消え失せようとしたときに皆は笑顔だった。
「我が魔王を倒すなんて……」
「拙者が勝ったのか……?」
「いや大丈夫だ勝ったんだぞ俺たちは……」
「完全勝利」
そしてドロップアイテムが出た。
魔導王の帽子。耐久力が大幅に上昇するし使用MPが四分の一になる優れもの。
スキルでもMPを使用するので戦士系の職業のサバ味噌でも使い道はある。
スキルスクロールが4つ。
全部【魔導の極】というスキルだった。
習得すると魔力とMPが1000くらい増えた。
それとスキルや魔法の使い方がなんとなくわかるようになった。
紅蓮は太陽拳を習得したいと思っていた。
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