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第200話 粘星変劾

 

 ゴルメドハデスは暗黒の波動を放つ。


 拓郎とスランは粘星変劾を行った。


 スランが拓郎に纏わりつく。


 スライムと人間が融合する瞬間だ。


 波導が星から導く。広がる世界が溢れんばかりに力を進化させる。


 拓郎はスランと融合した。


 ゴルメドハデスは大いに期待した。


(なるほど……自信を魔の物であるスライムと融合することで大幅に魔力を上昇させているのだな……興味深いな)


 拓郎とスランは次の一手を打っていた。


 粘星撃滅弾を放っていた。


 ゴルメドハデスは強力な攻撃の前に少しだけたじろいでいたが、臆することなく反撃ののろしをあげていた。


 殲滅の業火が弾け飛ぶ。爆発の音。死神の悪魔は静かに笑う。


 ええっ……あぁ……そうだなこのような楽しみは久しぶりだと…………殺すよりも戦う方が放てるというものだ。


 支配を重ねて世界を統一しても民衆の意見は割れる。


 恐怖よりも絶対的な屈服だ。愚かな王は恐怖だけ与えて何も褒美をやらないであろうが、我は違う。飴も与えるのだ。愉悦という名の自信を格別する現実的な王の褒美を。


 ゴルメドハデスは優雅に笑う。


 拓郎はスランと意識がほぼ同じになっている。


 粘性生物スライムであるスランと思考速度等違いはあるが、スランと息が合っている。


 雷上破導をぶつける。忘却の力をもってしても敵の感情を読み取るのは難しい。だが全力の一撃で敵の懐に飛び込む。


 拓郎は拳を構えて思いっきり振りかぶりゴルメドハデスをぶん殴る。


 ゴルメドハデスは思わぬ物理攻撃の前になすすべなく吹っ飛ばされる。


 だが空中で一回転してそのまま着地して手から暗黒の光線を発射してくる。


 拓郎はそれを躱して何度も殴る。


 だが硬い。驚異的な防御力だ。拓郎が殴っても死なない敵の時点でありえないほど防御力があるには違いないが手ごたえが感じられない。


 拓郎は考えた。まさか実態が無いのか? そんな推理が現れた。悪魔の時点で実態が存在しない精霊のような存在の悪魔もいる可能性もあると感じる。


 拓郎は消滅の呪文を唱えた。


「ギリフーダ・オルガ!!!」


 アンデット系やゾンビ系を消滅させる浄化呪文だが若干効果があるようだ。


 だがまだ足りない。


 霊力を籠めて、魔力を波動に宿して、無下に壊滅的魔導を作り出す。


幻無破壊ボルメデスバサラ!!!」


「!?」


 

 ゴルメドハデスは驚愕した。あまりにも理にかなった破壊の魔術を行使したのだこの人間の若者は。


 最上級の爵位級の悪魔ですら対象の敵を完全に破壊する魔術を行使するなど全体の魔力を三分の一使用して長い詠唱を行い生贄を大量に捧げないと天使を破壊する技の魔術などとてもじゃないと行使できないが。


 この人間は僅かな魔力と霊力だけで凶悪的な魔術……いや魔導かを行使した。


 まだ切り札はあるがとてもじゃないが勝てそうに感じない。


 ゴルメドハデスは切り札を使うことにした。


 霊王玉を割り大量の魔力を吸い取る。


 これにより大魔術も行使可能だ。


 この一撃で終わらせてやる……とゴルメドハデスは思った。


 終焉の退廃ビルガーザゼブン…………


 拓郎の体が腐っていく。


 だがスランの粘星回復により治っていく。


 人間の体だったら死んでいたかもしれないと拓郎は感じた。


 ゴルメドハデスは対抗策を放つ。


 誘惑の暗黒波導匂剣オメガルドバサダラン


 世界を混沌に陥れる誘惑の剣が拓郎に差し込まれる。


 だが雷炎神帝の効果により物理攻撃は無効だ。


 だが強烈な美臭が拓郎を襲う。


(なんだこの強烈な甘い匂いは…………? あまりにも気持ち良くなるというより……心地よ過ぎる…………クラクラするぞ…………)


 拓郎は夢見心地の気分になる。


 スランが叫ぶ。


「拓郎ダメだ!! こんな暗黒の脅威に負けてはダメだーーーー!!!」


 拓郎は全て投げ出していくべきではないと思っていたが……それでも気分が良くない仲間を殺させないために、世界を守るために、全てを無駄にしても。



 ………………


 虚空。痛みが体を刺激する。


 みんなが後ろに行ってしまう。


 鼓動を聞けなくて寂しい。


 スラン…………どこに行ってしまったんだ? あそこにいるのか……違うそこじゃない…………



 現実世界ではスランが分体を作り出してゴルメドハデスに対抗しようとしていた。


 だが対抗が間に合わない。


 兇器の魔刃が拓郎に突き刺さる瞬間だった。


 !!?


「えっ…………リーフル……どうして勝手に宝物庫から出てきて…………はっ……そんな…………」


「リーフルは何時でもご主人様をお守りすると心から決めているので…………もちろんこれからも守りますよ……ご主人様☆」


 リーフルがそう答えるとゴルメドハデスの狂剣に刺されているリーフルが砕け散った。


 瞬間、そこに刃が砕け散った草薙の剣があった。


 俺はその時失ったものがあまりにも大きいことに気が付いた。



 心が一度地獄の底も温い氷点下に落ちていく。


 だが一瞬で灼熱の業火に燃え盛る。


 精神は冷静だ。だが心は燃え上がっている。


 稲妻と轟炎に侵されている体が煮え上がっている。


 これ以上は容赦しない。



 俺は熱と雷を組み合わせてゴルメドハデスに強烈な炎雷を浴びせた。


 さらに神炎剣を創造する。


 神鳴剣も創り出す。


 一気に二刀流でゴルメドハデスを両断した。


 ゴルメドハデスは徐に泣いたように砕いて落ちた。


 闇の底に落ちたのでなく光と天の浄化の炎で焼かれた。



 拓郎はその後動かなくなった。が3分後に目が覚めた。


 その後帰宅してリーフルの亡骸を何度も磨いていた。


 他の仲間たちは心配そうに見ていた。 

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