第197話 悪夢の群棲
ビルの上で俺は悪魔と戦っている。
戦慄の悪魔はイビルネスという女傑の悪魔だ。
「我々の悪夢の群生が世界を恐怖に陥れるのだ!!」
イビルネスは精神支配系のスキルを使用してくる。
稲荷仮面で戦っているが、正直きつい。
イビルネスの魅了のスキルで俺の精神障壁を突破してくる。
俺は破滅の万雷を放つ。
だが仲間がすぐに駆け付けてくれた。
ダクセルとリュートが来てくれた。
「あら……あなたにも仲間がいたのですか? 苦しそうですね無様ですね……」
「なんだその変態な悪魔は? 食う寝る遊ぶ? 悪魔は処理する」
「ご主人様に手を出す悪魔はぶっ倒しますよ」
「ふざけないでください……どいつも殺しますよいきます」
イビルネスが暗黒の魔法を放とうとする。
リュートが竜斬手刀をイビルネスの近くにいき繰り出す。
「なんですと!? 私の魔法を使う前にキャンセルするだと!?」
「ドラゴンネビルファイヤー!!!!!」
超絶的な竜火炎砲がイビルネスを襲う。
イビルネスの半身が溶けてなくなる。
だが再生が始まる。
再生に時間がかかっている間にダクセルが暗黒の剣を作り出して一気に斬りかかる。
イビルネスはそのまま死んでしまう。
「造作もないな……」
だがイビルネスを倒した後も悪魔の襲来は続く。
「ご心配なくございます……私はイビルネスとは違いもっとあなたたちを楽しませることができますよ 拓郎様……」
「! なんのことだ……俺は稲荷仮面だぞ」
「多少も動揺しないのでございますか……いやいやなかなかの魂の持ち主だ」
「バルザネスと言う名の悪魔か……どのくらいの力を見せてくれるかな?」
「私はそこらへんの雑魚とは格が違いますので」
そう言い俺の魂を掌握してこようとするバルザネス。
だが俺は何十にも精神防御壁を張っているから相手の悪魔の試みは失敗に終わる。
その瞬間、俺の右胸は突き刺されていた。
悪夢の夢想槍という離れ業だった。
魂の掌握を行っているうちに分身を俺の後方に配置していたらしい。
俺は雷炎神帝で攻撃を行われていても物理攻撃は無効だが……若干ダメージがある。
これは呪い? のようなものか……俺はパーフェクトヒールを行う。
呪いを消し去る。そのままフレイムを召喚する。
「久々の活躍なのだ!!」
「フレイムあいつを倒せ」
「ご主人のためなら!」
そして俺はリーフルを召喚して俺の隣に配置した。
「ご主人様……私はあなたのために生きてきました……だからあなたのために命をかけます」
「頼むリーフル」
ダクセルが暗黒移動でバルザネスの横に移動する。
バルザネスが横に蹴りを飛ばす。
飛ぶ斬撃ならぬ飛ぶ蹴撃のようだ。
さらにダクセルに大刀を切りつける。
ダクセルは切り裂かれる。でもすぐに再生を繰り返す。
リュートがドラゴネスファイヤボルトを放つ。
本能のままに激しい炎と雷の弾がバルザネスに命中する。
「ふうっ……なかなかやりますね……ならばこれでどうですか?」
そのまま風の刃を飛ばしてくる。リュートの右肩が切れる。
ダクセルが粉みじんになる。フレイムが左腕を切り落とされる。
こいつ……かなり強い…………どうする? アルマゲル……こい!
「私の力がいるなら速く呼べばいい……拓郎こいつは伯爵級悪魔じゃないか普通にヤバい敵だぞ……アグニスとデュランダルも呼ばないとまずいぞ」
すでにヒカリは俺の腕の中だ。
伯爵級と言うのはそれだけヤバい敵なのか……
俺はフレイムの左腕を再生させて、アグニスとデュランダルを呼び出す。
みんなも悪魔の群生と戦わせている。
マリンには雑魚の掃討を頼んでいるので呼べない。
テルネアスもイルミナも蒼威ちゃんもマヤちゃんも想美ちゃんも
魔刀君もみんな悪魔たちの掃討で大変だ。
「私が退治するに相応しい敵のようだ」
「マスターの腕を煩わせるほどの敵なのか!?」
バルザネスの侵食の腕が俺に迫る。
そのまま狂気の魔装爪が俺の心臓を鷲掴みした。
「そんな馬鹿な……物理攻撃は無効のはず…………なのに」
「拓郎!?」
「ご主人様!!」
「ふふふっ悪いですがこれは魔法の腕なんですよ……あなたを死に誘う腕ですね」
「いったん回避………………!??」
グシャッ!! 心臓が握りつぶされた鈍い音がした。
拓郎は意識を失った。
「嘘だろ……拓郎…………」
「ご主人様! ご主人様! 起きてください拓郎様!!」
一人の最強が崩れ落ちた瞬間だった。しかも悪いことにさらに悪夢の悪魔たちが襲来した。
「なんだなんだ……あっちの剣士のような男をやった後に来たがこっちはもう片付いちまったか?」
「悪魔神王……ハデス様と天夢星悪魔……ジャネイド様がお待ちですよ……そろそろこちらの世界を手中に収めないといけませんよ」
ボルネルドと副官アドスが報告に来たついでに雑魚をやろうとした時だった。
リーフルは必死に拓郎の潰された心臓を復活させようと魔法をかけていた。
「ご主人様を必ず目を覚まさせてあげますよ絶対に!!」