第193話 裏日ノ本に出太陽
アラキはシャミーと共に裏日ノ本を静かに暮らしている。
だがそこには荒ぶる魔獣がいたのだ。
「そんな……こんなところにまで駆けつけたのに……」
「やるしかないぞシャミー……いくぞ」
アラキは大剣を持って魔獣を狩る。
シャミーは一緒にモンスターを狩る。
だがそこに電撃を使う能力者がいた。
シャミーとアラキは驚いた。
もう一人の人物に至っては拳だけで敵を凌駕している。
しかもドラゴンのようなものを従魔にしている。
「なああんたたちに聞きたいんだが……」
「はい何ですか?」
「アリスって少女知らないか?」
タケルはそうアラキたちに聞いた。
デンドウもアリスを探していた。
●
アリスは湖の畔にいた。
この世界には人が少なすぎるからこそ美しい。
静かな世界を堪能できるから良いのだ。
でも厚かましい客もいないけど自分たちを知っている優雅な客もいない。
ロウガはそんなアリスを見ていて胸が苦しくなるほど沸騰していた。
あああアリス様はなんていうもの寂し気に佇むその姿はなんとも可憐だ……一緒に踊りたいほどに優雅な人だ。
オルクはそんなロウガを奇異な目で見ていた。自分はアリスがそんなこんやでいつも通り敵を倒す姿に見惚れていた。
ヴァンはアリスのちっちゃな姿に惚れていた。
ああアリスは美しい。アリスはなんとも最高だなと感じていた。
晩御飯の豪華な肉を出したのもアリスだった。
オークキング肉をすぐにくれたのはアリスだ。
爆発的に美味い肉を焼いたのはロウガだ。
たまに出会うアリスたちに皆目を丸くさせていた。
だが様子が可笑しい。
いつぞやにモンスターがいたので倒していたらアリス様と呼ばれてしまいなんか崇拝された。
そして各地でアリス教なるものが出来ていた。
アリスは気持ちいいとかそんなこととかどうでもいい。
アリスは最近魔道具作成に力を籠めていた。
どんな強力な魔道具も使わないと意味がない。そんなわけでアンキュラミッドロッドとかなるものを創った。
敵を弾き飛ばす杖。
どこか遠くのほうにふっとばすことに特化した杖だ。
ぶつけるだけで相手を飛ばすことが出来る。
まあ面白いだけの杖だ。意味はない。そんなことよりロウガをいじるかな。
アリスは驚かなのんきな蝶々でも飛ぶのどかな午後を過ごしていた。
●
俺は自宅ダンジョンをリュートやフレイムやリーフルとかミスズやリスティと共に456階層まで進んでいた。
リュートからこんな話をされていた。
「裏日ノ本とかいう日本の裏の世界があることはご存じ?」
「ああっもちろん知らない」
「知らないんかい!! 拓郎さんそんなんじゃあ今のホットな話題についていけませんよ」
「それで……? なんなんだその裏日ノ本って?」
「そこで私が見たもの……金色の太陽の少女の伝説を!!」
金色の太陽の少女の伝説は悪いデビルドラゴンですら大魔法で敵を凌駕していた。
あまりにも強いので金木犀の魔女と言われていたらしい。
そんなやつがいるのか……どんなやつだろう? 少しだけ興味が出た。
裏日ノ本に行く方法はないのかと聞くと次元を突き破ればいけますよと。
リュートは行けるのかと聞くと行けますよというらしい。
ならばあとで行ってみるかということで……雪兎も一緒に行くことにしようナナナとナナカも連れてな。
俺はうきうきに裏日ノ本に行くことを考えていた。
雪兎たちが来た。
ナナナとナナカもナギもいるアリエルも来ている。
「拓郎っちは裏日ノ本に行きたいっすみたいね」
「裏日ノ本って何?」
「たぶん裏世界ですね……」
「それは本当にあるのか?」
「私の裏の人格が暴れるときだな……」
「あると言う話なら聞いたことがあります!!」
「お姉ちゃんも一緒に行くの? 拓郎さん」
「もちろんクロンも一緒だよ」
「シロン久々だね」
「お姉ちゃんこっちは光魔法かなり特訓しているよ」
「拓郎……ミスズはもっとみんなのことを助けていい?」
「うわっはははは私も暴れるぞーーーー!!」
リスティがそう意気込んでいるとリュートが裏日ノ本に行くためのコードを呟いている。
「UD1000からUD0001へこの世界からの脱却……夢の道しるべは夢幻に包まれて……いざいかんアルカディアへ!!」
そう言ってリュートが次元の穴に亀裂を生ませる。
そして裏日ノ本にやって来た。
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